コント文学『初めて納豆食べた時の外国人と同じ顔をしていた』
35年ローンで購入した戸建ての分譲住宅に引っ越して半年が経過したある土曜日の夜。
中学1年生の娘が突然、夫婦の寝室に入ってきてクローゼットを開けた。
クローゼットの中にはメイド服、ナース服、チャイナドレス、セーラー服にスクール水着、そして体操着(下はブルマ)がハンガーに吊るされている。
いや吊るされているんじゃなくて、正確には俺が吊るした大事なコスチュームだ。
驚いて固まってしまった娘は、初めて納豆食べた時の外国人と同じ顔をしていた。
正直、娘が中1にもなってノックもせずに入ってきて、勝手にクローゼットを開けるなんて想定しておらず自分の脇の甘さを猛省した。
だが「これのおかげで妻と4年続いたレスが解消されたんだよ」と娘に話すのは25年早い。
仮に話したとて、娘が再び初めて納豆食べた時の外国人と同じ顔になるのは目に見えていた・・・
*
翌日、偶然街で娘が知らない男の子と楽しそうに手を繋いで歩く姿を見かけた。
娘と同年代の男子・・・
彼氏なのか?
デートなのか?
中1はちょっと早くないか?
もしかしてデートに着ていく服を妻から借りたくて昨夜クローゼットの中を物色しようとしたのか?
様々な思考が頭を巡る・・・
4年に及ぶレス期間を乗り越えて、夫婦の第二章を共に謳歌している妻に「俺、今どんな顔してる?」と聞くと期待通りの回答が返ってきた。
「初めて納豆食べた時の外国人と同じ顔をしてるわよ」
