見出し画像

コント文学集『笑いと人間.3』

コントな文学集『笑いと人間.3』

【目次】

1.ギャルなのに中日ドラゴンズファン

2.殺人事件を付けたらそれなりに成立しそうな言葉達

3.新時代の花嫁

4.仕事ができない新人が・・・

5.初めて納豆食べた時の外国人と同じ顔をしていた

6.週末のイオンで疲れ果てているお父さん

7.陰気玉

8.嫁・姑・娘問題

9.お前は人生観の意味を辞書で引け

10.多幸感で満たされた

11.世間から嫌われてるタイプのベンチャー企業の社長と・・・

12.ナメんなよって感じで軽自動車を飛ばしている

13.一回寝ただけで彼氏ヅラの男物語

14.四国のメッシと呼ばれた男

15.かける言葉が見つからなかった

16.余命3年10ヶ月に誓う

17.私の友達と浮気していた事は忘れられない

18.サイコメトラーと罪なき雪だるま

19.カラダ目当ての女

20.タメ口

21.オープンカー運転してる日本人でカッコいい人マジで0人説

22.絶対に♡を付けたら不適切な言葉達

23.初めてのパターン

24.平和な国に生まれて生きている

25.僕は仔猫の動画を見て心を癒してから眠った



1.コントな文学『ギャルなのに中日ドラゴンズファン』

何ヶ月も同じ倉庫内で仕分けスタッフをやっていたのに・・・

バイト終わり、中日ドラゴンズのキャップを被って名古屋ドーム(バンテリンドームナゴヤ)に向かう姿を見て初めて知った。

彼女は・・・

ギャルなのに中日ドラゴンズファンでした。

気付けば強過ぎるギャップとインパクトに秒で心を奪われていた。

一度恋愛対象として意識すると、不思議と彼女のギャップの全てが愛おしく見えてくる。

ギャルなのに仕事は真面目で、ギャルなのに字が綺麗で、ギャルなのに食べ方も綺麗。

そしてギャルなのにマイ箸を持ち歩いてる・・・

今まで偏見な目で見てくる大人が嫌いだった自分が、実は偏見な目でギャルを見ていた事に気付いて自己嫌悪を覚えた。

加えて全国の中日ドラゴンズファンに対して、何だか申し訳ない気持ちになった。

ブルーインパルスのパイロットなのに中日ドラゴンズファンの父。

茶道の裏千家の師範なのに中日ドラゴンズファンの母。

IQ135のMENSA会員でフルート奏者なのに中日ドラゴンズファンの姉。

そんなギャップが強過ぎる中日ドラゴンズファン一家に育ったのだから、彼女がギャルなのに中日ドラゴンズファンになるのは必然だ。

いつか夢を叶えたら、

いつか勇気を出し告白して彼女と付き合えたら、

そして、いつか俺も中日ドラゴンズファンになったら・・・

誰かにレゲエアーティストなのに中日ドラゴンズファンって思われるのかもしれない。

今は恋心を胸に、長いドレッドヘアをなびかせながら、夢に向かって歩いていこう。



2.コントな文学『殺人事件を付けたらそれなりに成立しそうな言葉達』

ヤマザキ春のパン祭り殺人事件  

水炊きにはマロニーちゃん殺人事件

40才からのスキンケア入門編殺人事件

俺は東京生まれHIP−HOP育ち、悪そうな奴は大体殺人事件

こちら葛飾区亀有公園前殺人事件

ザギンでシースー殺人事件

中1の息子の成長痛殺人事件

信号待ちしている時に、偶然同じ車が3台並んでるのを見かけて殺人事件

彼女いない歴=年齢の45才男性。初めての婚活にカメラが密着殺人事件

日替わりのエビとアサリの和風パスタとサラダのセット(ドリンクバー付)殺人事件

ついに今年から俺も花粉症かぁ・・・殺人事件

平成のミリオンヒット曲ランキングTOP50殺人事件

高校3年間、毎朝弁当を作ってくれた父さん。タコさんウインナーは毎日入ってましたw殺人事件

秘密の人妻社交倶楽部ドスケベエステ連続強制二回戦90分コース殺人事件

満開の桜を見ると、日本人に生まれて良かったなぁとしみじみ思います殺人事件

簡単に美味しく作れる冷凍餃子を食べて感動。企業努力に殺人事件

オリエント急行殺人事件殺人事件

有名大学から新卒で上場企業に入社したがG.W明けに退職代行モームリに依頼して辞職殺人事件

世界のアニマル&キッズ笑えて泣けるハプニング映像秋の特大3時間大放出スペシャル殺人事件

「ゾーンに入ってボールがスローモーションに見えたので打てました」主将だけどレギュラーじゃない3年最後の夏の甲子園で代打逆転サヨナラタイムリーヒット殺人事件

あの日、あの時、あの場所で、君に会えなかったら、僕等はいつまでも、見知らぬ2人の殺人事件

『最後に殺人事件を付けたらそれなりに成立しそうな言葉達』を考案した奴殺人事件



3.コントな文学『新時代の花婿』

『LGBT』『多様性』『ジェンダー』これらの言葉が身近になってきたのは感じていたけど、まさに今僕は時代の変化に直面している。

先に結婚式場に現れた男。

男は結婚式の最中、花婿を連れ去ってしまった。

男と男の愛のランデブー(逃避行)

残された花嫁は呆然と立ち尽くしてしている。

連れ去られるのは花嫁というイメージがあったけれど、世の中が変わって花婿が連れ去られる時代になったのかと感心してしまった。

しかし、感心している場合じゃない。

全く予想していなかった展開だ。

僕が花嫁を連れ去る前に、花婿が連れ去られるなんて!

僕は別れた元カノへの想いが断ち切れず、勇気を出して花嫁を連れ去りに来たのだ。

しかし、このイレギュラーな展開。

ど、どうしよう?

当初の予定通り、花嫁を式場から連れ去るか?

しかし、花婿が連れ去られて結婚式が中断している状況で花嫁を連れ去る必要あんのか?

僕は考えが纏まらないまま式場に突入した。

失意のどん底にいる花嫁(元カノ)に向かって僕は勢いでプロポーズしていた。

「僕と結婚して下さい」

「え!?あ・・はい」

気の抜けた返事だったけれど無理もない。

結婚式中に花婿が男に連れ去られた直後、元カレが現れてプロポーズをしてきたのだから。

僕も花嫁(元カノ)も急激な展開に思考が追いつかず、正常な判断ができる状態ではなかった。

それは神父も例外ではない。

「ナンナンダ、コノテンカイハ?
ケッコンシキ、ツヅケマスカ?
トワノアイヲ、チカイマスカ?」

「誓います」

僕は連れ去られた花婿が購入した高そうな結婚指輪を花嫁(元カノ)の薬指に着けて永遠の愛を誓った。

新郎新婦の両親。そして親族や関係者達は、この喜劇のような悲劇の中で怒るべきか、悲しむべきか、謝るべきか、喜ぶべきか、誰も正解が分からず式場内は収拾がつかなくなった。

まるで混沌としたこの新時代のようだと思いながら、僕はやっぱり花嫁を式場から連れ去る事にした。



4.コントな文学『仕事ができない新人が・・・』

仕事ができない新人が、俺より学歴が上だった。

仕事ができない新人が、英語ペラペラだった。

仕事ができない新人が、空手の有段者だった。

仕事ができない新人が、俺より家賃の高いマンションに住んでいた。

仕事ができない新人が、女性経験人数100人越えだった。

仕事ができない新人が、同じ新人で俺が密かに狙っていた総務の片山さんに手を出していた。

仕事ができない新人が、たまにタメ口になる。

仕事ができない新人が、俺がまだ童貞だと気付きやがった。

仕事ができない新人が、休日にハーレーダビッドソンに乗っていたのを、俺は自転車に乗りながら目撃した。

仕事ができない新人が、マッカーサーの子孫だった。(母方)

仕事ができない新人が、一族経営の我が社の社長の親戚だった。(母方)

仕事ができない新人が、俺の事を仕事ができない先輩社員だと陰で言っていたらしい・・・



5.コントな文学『初めて納豆食べた時の外国人と同じ顔をしていた』

35年ローンで購入した戸建ての分譲住宅に引っ越して半年が経過したある土曜日の夜。

中学1年生の娘が突然、夫婦の寝室に入ってきてクローゼットを開けた。

クローゼットの中にはメイド服、ナース服、チャイナドレス、セーラー服にスクール水着、そして体操着(下はブルマ)がハンガーに吊るされている。

いや吊るされているんじゃなくて、正確には俺が吊るした大事なコスチュームだ。

驚いて固まってしまった娘は、初めて納豆食べた時の外国人と同じ顔をしていた。

正直、娘が中1にもなってノックもせずに入ってきて、勝手にクローゼットを開けるなんて想定しておらず自分の脇の甘さを猛省した。

だが「これのおかげで妻と4年続いたレスが解消されたんだよ」と娘に話すのは25年早い。 

仮に話したとて、娘が再び初めて納豆食べた時の外国人と同じ顔になるのは目に見えていた・・・

翌日、偶然街で娘が知らない男の子と楽しそうに手を繋いで歩く姿を見かけた。

娘と同年代の男子・・・

彼氏なのか?
デートなのか?
中1はちょっと早くないか?

もしかしてデートに着ていく服を妻から借りたくて昨夜クローゼットの中を物色しようとしたのか?

様々な思考が頭を巡る・・・

4年に及ぶレス期間を乗り越えて、夫婦の第二章を共に謳歌している妻に「俺、今どんな顔してる?」と聞くと期待通りの回答が返ってきた。

「初めて納豆食べた時の外国人と同じ顔をしてるわよ」



6.コントな文学『週末のイオンのベンチで疲れ果てているお父さん』

遠目からでも、私が見間違える訳がなかった。

かつて私が初めてを捧げた男が、週末のイオンのベンチで疲れ果てているお父さんになっていた。

かつて性欲を満たす為に私を抱いていた男が、週末のイオンのベンチで疲れ果てているお父さんになっていた。

地味で恋愛経験が無かった私は、彼にとって都合の良い女になってしまった。

優しくて、ちゃんと私の話を聞いてくれて、甘えさせてくれて、カッコよくて、モテそうで、遊んでそうで・・・
私以外にも、他にも女がいるんだろうなって容易に想像できた。

それでも好きだったから、それでも嫌いになれなかったから、彼を責める事はしなかった。

そんな彼から突然『もう会えなくなった』と別れを告げるメッセージが届いて音信不通になった。

それから2年。

かつて私が心から愛して、そして心から憎んだ男は、週末のイオンのベンチで疲れ果てているお父さんになっていた。

案の定、子供が出来てしまったから私と会えなくなったみたいだ。

かつて愛した男は、三つ子用のベビーカーを止めて週末のイオンのベンチで疲れ果てている三つ子のお父さんになっていたのだ。

そりゃあ疲れ果てるのも仕方がない。

当時の私は年上の男のオトナの余裕がある彼に惹かれていたけど、三つ子の赤ちゃんが相手だと余裕なんて一切無さそうに見える。

それは三つ子が同時に泣き出した時のキャパオーバー感が物語っていた。

トイレにでも行ってたのかな?
疲れ果てている彼と泣いている三つ子の元にお母さんと思われる女性が現れた。

三つ子のお母さんが彼の本命の女性だったのか、私みたいに複数いる中の1人だったのかは分からないけれど今更どうでもいい。

同情なのか、虚無感なのか、幻滅なのか、今抱いている感情が何なのかも分からない。

だけど、週末のイオンで疲れ果てているお父さんになったあなたを見ていたら、あなたへの未練が成仏できた。

2年間立ち止まっていたけれど、やっと次の恋愛に進める気がした。

さようなら、お幸せに。

私の止まっていた時間が動き始めた。



7.コントな文学『陰気玉』

誰かを妬んでSNSで誹謗中傷してる奴らよ、

有名人だったら叩いてもいいという理屈で自分を正当化してる奴らよ、

人の足を引っ張るのが大好きな奴らよ、

オラにちょっとだけ、人の心の闇『陰気』を分けてくれ。

・・・・・

ダ、ダメだ。まだ陰気が足んねぇ。
これじゃフリーザは倒せねぇ。

学歴とか職業とか年収など社会的ステータスでマウントを取る奴らよ、

高齢者マーク付きの車と軽自動車には煽り気味で運転する奴らよ、

低視聴率を指摘する記事に便乗して、観てないドラマを叩く奴らよ、

オラに少しだけ陰気を分けてくれ。

・・・・・

夢に向かって頑張ってるキラキラ眩しい奴らよ、バッカヤローおめえらには頼んでねぇ。
せっかく集めた陰気が薄まるから陽の気を送ってくんじゃねえ。

悪意のある切り抜き動画を作成して拡散してる奴らよ、

一生懸命頑張っている人間を冷笑する奴らよ、

オラに少しだけ陰気を分けてくれ。

まだ陰気が足りねぇ・・・

やっぱ誰かを妬んでSNSで誹謗中傷してる奴らは、オラに陰気を全部分けてくれーっ。

心の闇が無くなって一時的にまともな良い奴になっちまうけど、この際仕方がねぇ〜。

・・・・・

か、完成したぞ。

くらえフリーザ、陰気玉だぁ〜っ!



8.コントな文学『嫁・姑・娘・問題』

紀元前よりも遥か昔の中国。

今日も有識者達によって、この世に新たな漢字が創り出されてゆく。

「お待ち下さい、先生方。何卒お考え直しを。

弟子の身分で半人前の私ですが、有識者の先生方に失礼を承知の上で異議を唱えさせて頂く。

私は今日の漢字の選定結果には、どうしても納得ができないのです。

ヨメという漢字が、おんなへんに家で『嫁』とはどういう事ですか?
これは結婚したら女は家に入って、家の事をやっていろという意味ですか?

こんな男尊女卑を象徴するような漢字に決めてしまっては百年か二百年・・・
いや、千年か二千年以上は先の話になるかもしれませんが、いつか男女平等の世の中になった時に問題になります。

それに・・・

おんなへんに古いで『姑』はあまりにも酷すぎる。

結婚、妊娠、出産を経て大事に育てた息子が大人になって結婚し、新しい『嫁』が来たら古い女になって『姑』ですか?

あなた方は、この国の全ての女性を敵に回すおつもりか?

そして最後にムスメだ。

ムスメって親の目線で考えた漢字じゃなくて男目線ですよね?

単純に若い女を良しとするから、良い女と書いて『娘』にしたんじゃないですか?

・・・・・やはり図星でしたか。

何を考えているんだ、あなた方は。

ん?・・

お待ち下さい、先生方。

どこに行くおつもりですか?

え?若い『娘』が接客してくれる店に飲みに行く?

夜の有識者会議!?

先生方、お待ち下さいっ。

まだ私の話は終わっていません。

お待ち下さいっ。

・・・・・

馬鹿野郎ーっ!」



9.コントな文学『お前は人生観の意味を辞書で引け』

とにかく人生観が変わったよ。
 

変わる変わるとは聞いていたけど、あんなに変わるとは思わなかったね。

アフリカに行ったら人生観変わるってのは本当だったよ。

180度・・いや、360度は人生観変わったかな。 

何がどう変わったのかは上手く説明できないよ。

でもね、とにかくアフリカは雄大だ。

圧倒的にスケールが違いすぎる。

だから人生観が変わる。

つまり、そういう事。

君も行った方がいいよ、アフリカ。

絶対に人生観変えてくれっから。

ちなみに今年の夏休みはインドに行って人生観を変えてくる予定なんだけど、一緒に行くかい!?



10.コントな文学『多幸感で満たされた』

ギャンブルで10万勝った。
脳からドーパミンが分泌されて僕は多幸感で満たされた。

大好きなアーティストのLIVEに行った。
最高だった。
脳からドーパミンが分泌されて僕は多幸感で満たされた。

飲み会で意気投合した可愛い看護師の女の子をお持ち帰りした夜。
脳からドーパミンが分泌されて僕は多幸感で満たされた。

同窓会に行ったら高校時代に1番モテていた男子がハゲ散らかしていた。
脳からドーパミンが大量に分泌されて僕は多幸感で満たされた。

人間性が終わっていた上司が定年退職後、奥さんから切り出されて熟年離婚したって聞いた。
脳からドーパミンが大量に分泌されて僕は多幸感で満たされた。

デカいサングラスをかけたロングヘアーの派手なギャルが、歩きスマホしながら顔から派手に転んだ。
脳からドーパミンが大量に分泌されて僕は多幸感で満たされた。

金持ちの友人が父親から買ってもらったスポーツカーを納車3日目に自損事故で廃車にした。
脳からドーパミンが大量に分泌されて僕は多幸感で満たされた。

「え?阪神タイガースが優勝したから禁止されてるのに道頓堀川に飛び込んで、下痢と嘔吐が止まらなくなって入院したの?」
脳からドーパミンが大量に分泌されて僕は多幸感で満たされた。

「お前は本当にドMで変態の豚野郎だね・・・今日は私がいっぱいお前を辱めて虐めてやるよ」

「ありがとうございます、女王様」

脳からドーパミンが大量に分泌されて僕は多幸感で満たされた。

車を運転中、前を走っている原付バイクに乗った10代と思われるノーヘルの金髪野郎がこちらを挑発してくるように蛇行運転を始めた。
そして雨で濡れた横断歩道の白線にスリップして転倒した。
命に別状は無さそうだが、とても痛そうにしている。
脳からドーパミンが大量に分泌されて僕は多幸感で満たされた。

大谷選手がまたメジャー新記録を達成した瞬間をリアルタイムで観た。
脳からドーパミンが分泌されて僕は多幸感で満たされた。



11.コントな文学『世間から嫌われてるタイプのベンチャー企業の社長と・・・』

・仕事は遊び

・毎朝6時に起床しろ

・新聞を読め

・筋トレしろ

・毎月10冊以上本を読め

・自分磨きに金と時間を使え

・腕時計は男の唯一のアクセサリー

・酒とタバコは20代で卒業しろ

・サウナに通え

・貯金より投資しろ

・付き合う人間は選べ

・チャレンジする人生を楽しめ

「こんなメッセージを世の中に発信してる若くして成功した30代のベンチャー企業の社長と寝てみたら普通過ぎてカワイくて笑っちゃった♡」



12.コントな文学『ナメんなよって感じで軽自動車を飛ばして運転している』

私の彼は、ナメんなよって感じで軽自動車を飛ばして運転してるクセに、ピアノが弾ける。

私の彼は、ナメんなよって感じで軽自動車を飛ばして運転してるクセに、骨を綺麗に取って魚を食べている。

私の彼は、ナメんなよって感じで軽自動車を飛ばして運転してるクセに、クリスチャンだ。

私の彼は、ナメんなよって感じで軽自動車を飛ばして運転してるクセに、1月7日に七草粥が食卓に出てくるちゃんとした家で育った。

私の彼は、ナメんなよって感じで軽自動車を飛ばして運転してるクセに、簿記2級を取得している。

私の彼は、ナメんなよって感じで軽自動車を飛ばして運転してるクセに、父親が小学校で教頭をしている。

私の彼は、ナメんなよって感じで軽自動車を飛ばして運転してるクセに、朝食はアサイーボウルにハマっている。

私の彼は、ナメんなよって感じで軽自動車を飛ばして運転してるクセに、かつて1人で折った千羽鶴を被災地に送った心優しき迷惑な少年だった。

私の彼は、ナメんなよって感じで軽自動車を飛ばして運転してるクセに、先月までは初心者マークを付けて走っていた。

私の彼は、大型バイク、高級外車、デッカいコンテナのトラックにも臆する事なく、今日もナメんなよって感じで軽自動車をガンガン飛ばして運転してるから、そろそろ別れようと思っている。



13.コントな文学『一回寝ただけで彼氏づらの男物語』

あるところに、一回寝ただけで彼氏づらの男がいました。

一回寝ただけで彼氏づらの男は、一回寝ただけで自宅の合鍵を作って渡しました。

一回寝ただけで彼氏づらの男は、一回寝ただけで自分好みの服装や髪型を要求しました。

一回寝ただけで彼氏づらの男は、一回寝ただけでお前呼ばわりしました。

一回寝ただけで彼氏づらの男は、一回フットサルしただけでサッカー経験者づらしていました。

一回寝ただけで彼氏づらの男は、一回選挙に行っただけで薄っぺらい知識で政治を語っていました。

一回寝ただけで彼氏づらの男は、一回ジョギングしただけで東京マラソンにエントリーして完走できませんでした。

一回寝ただけで彼氏づらの男は、女性経験ゼロだったくせに、一回寝ただけで自信を付けました。

一回寝ただけで彼氏づらの男は、一回寝ただけの女の友達にも一回手を出した事がバレました。

一回寝ただけで彼氏づらの男は、その事を問い詰められたら「一回寝ただけで彼女づらするなよ」と言い返しました。

一回寝ただけで彼氏づらの男は、ビンタされた後に金的を蹴り上げられて泡を吹いてダウンしました。

一回寝ただけで彼氏づらの男は、二度と一回寝ただけで彼氏づらする事は無くなったとさ。

めでたし、めでたし。



14.コントな文学『四国のメッシと呼ばれた男』

学生時代は野球部に所属していた俺にとって、人生初のフットサルの試合が始まろうとしていた。

対戦相手は高校時代に四国のメッシとまで呼ばれた男が率いるチームだ。

だがウチのチームも強力なメンバーが揃っている。

かつて岡山のイニエスタと呼ばれた男と、徳島のペレと呼ばれた男がいるのだ。

そしてメッシならウチにも、丸の内のメッシと国分寺のメッシと呼ばれた男がいる。

どうやら今日は番町1丁目のマラドーナと番町2丁目のマラドーナはお休みらしい。

ちなみに番町3〜5丁目のマラドーナは相手チームに所属している。

これは余談だが、番町1丁目のマラドーナと番町4丁目のマラドーナは共演NGなのだ。

というのも現代のクレオパトラと呼ばれた美女が番町4丁目のマラドーナの奥さんで、番町1丁目のマラドーナの元カノだからお互いに遠慮してるらしい。

《相手チームのスターティングメンバー》
・四国のメッシ
・松山のクリスティアーノ・ロナウド
・番町3丁目のマラドーナ
・番町4丁目のマラドーナ
・番町5丁目のマラドーナ

《控えメンバー》
・広島のジョニー・デップ
・沖縄のディカプリオ
・浪速のモーツァルト
・潔癖症のレディ・ガガ
・九九が苦手な諸葛孔明
・事件を解決できない古畑任三郎

相手チームにもサッカー未経験者がいて安心した。

《我がチームのスターティングメンバー》
・岡山のイニエスタ
・徳島のペレ
・丸の内のメッシ
・国分寺のメッシ
・みちのくのダルビッシュ

《控えメンバー》
・ギターが弾けない布袋寅泰
・無口な松岡修造
・虚弱体質の室伏広治
・ドМの吉永小百合
・オールバックの芦田愛菜

かつて、みちのくのダルビッシュと呼ばれた男のフットサルデビュー戦、キックオフ!



15.コントな文学『かける言葉が見つからなかった』

「ちゃんと勉強したのに、また落ちちゃった」

性格が良くて、真面目で、物静かで、読書好きで、メガネかけた清楚系の彼女が運転免許の本試験を7回連続で落ちてしまった。
僕は、かける言葉が見つからなかった。

「お前のアニキってさ、ファッションセンスあり過ぎて逆に糞ダサく見えてるパターンなのかもな」

僕は、かける言葉が見つからなかった。

「ウチの父ちゃんがさ、高校生の時にお前の母ちゃんと付き合ってたって言ってたぜ」

僕は、かける言葉が見つからなかった。

「洋画と海外ドラマは観るけど、邦画と日本のテレビドラマはもう観なくなったなぁ…」

僕は、かける言葉が見つからなかった。

「女で年齢が60過ぎてるのに性欲が全然衰えないのよ・・・むしろ強くなってる感もあるわ。本当に生きづらいの」

僕は、かける言葉が見つからなかった。

高校時代にクラスの三軍だった奴が大学デビューで金髪にして、1ヶ月で黒髪に戻していた。

僕は、かける言葉が見つからなかった。

「ウチの母ちゃんFカップなんだぜ」

僕は、かける言葉が見つからなかった。

あおり運転されて最終的に追突された。

運転していたのは母校の校長先生だった。

僕は、かける言葉が見つからなかった。

「平熱が低いから微熱が出ただけで、バリしんどくなるんだよねぇ〜」

僕は、かける言葉が見つからなかった。

「この前、新大阪でシャ乱Qのはたけ見たぜ」

僕は、かける言葉が見つからなかった。

「結局、女の運転でラブホテルに行くのが一番興奮するんだよ」

僕は、かける言葉が見つからなかった・・・



16.コントな文学『余命3ヶ月10年目に誓う』

「余命3ヶ月です」

社会人1年目で医者からの余命3ヶ月宣告。

目の前が真っ暗になった。

頭の中が真っ白になった・・・

余命3ヶ月宣告から5年が経った。

「余命3ヶ月です」

今回の受診結果もまた余命3ヶ月。

奇跡的に病状は良くも悪くもならずに5年間、余命3ヶ月を維持した。

そして有り難いことに余命3ヶ月でも日常生活には支障が無く仕事も続けている。

だが流石に余命3ヶ月を長年キープし続けていると、周囲からの哀れみの目は疑いの目に変わって刃のように突き刺さる。

陰で『余命3ヶ月詐欺』って呼ばれているのも知っている・・・

余命3ヶ月6年目の秋。

事態が急変した。

「余命2ヶ月です」

まさかの余命2ヶ月宣告だった。

初めて余命3ヶ月と言われた時の恐怖と絶望感が蘇る。

余命3ヶ月に慣れすぎて俺は、平和ボケならぬ余命3ヶ月ボケ状態だった。

だって余命3ヶ月ボケだからNISAもiDeCoも始めていたし、7年ローンで新古車も買っちゃった。

余命3ヶ月をナメてしまったと猛省した・・・

翌月、俺はまた余命3ヶ月まで巻き返した。

あの日の喜びと安心は一生忘れないと思う。

改めて何気ない日常が、生きている事が、とても尊いものだと実感した・・・

「余命3ヶ月です」

余命3ヶ月生活も、ついに10年目を迎えた。

俺は余命3ヶ月続きでも構わないと言ってくれた女性と結婚した。

「余命3ヶ月の嫁になっちゃった」とダジャレ交じりに彼女は笑う。

今日も俺は、二度とない目の前の一瞬一瞬を大切に生きていこうと誓った。



17.コントな文学『私の友達と浮気した事は忘れられない』

学生時代に調理スタッフのアルバイトをしていた夫は、週末に美味しい晩ごはんを作ってくれる。
私は毎週有り難いなと思いながら食べている。

でも、私の友達と浮気した事は忘れられない。

子供が産まれて、家事も育児も積極的にやってくれる理想的な夫であり理想的なパパ。
本当に毎日助かっている。

でも、私の友達と浮気した事は忘れられない。

夫は真面目に働いて収入も良い。
スキルアップや仕事に必要な勉強をして資格を取り続けている姿は社会人としても尊敬できる。

でも、私の友達と浮気した事は忘れられない。

自分の親にするのと同じように私の両親の介護を手伝ってくれた。
介護は本当に大変だったけれど、支え続けてくれた夫には心から感謝している。

でも、私の友達と浮気した事は忘れられない。

夫に先立たれて、私も色々と物忘れをする年齢になってきた。

でも、私の友達と浮気した事は忘れられない。

私の友達との浮気が発覚したのは結婚して2年目の出来事だった。

あの日の怒りと悲しみは、今でも昨日の事のように鮮明に覚えている。

時系列的には私の方が先に浮気してたんだけどね。

夫にバレてないのを良い事に、自分の事は棚に上げて、私の友達との浮気を一生忘れられなかった事に自分でも驚いている。



18.コントな文学『サイコメトラーと罪なき雪だるま』

「あ、雪だるま!」

私の彼は物体に残る残留思念を読み取る事ができるサイコメトリー能力者。

一緒に近所の公園を散歩していると、昨夜から降り積もった雪で作られたメロンにみかんを乗せた程の可愛いサイズの雪だるまを彼が見つけた。

「雪だるま可愛いね」

「うん、雪だるま可愛いね」

滅多に雪が積もらない東京で見つけた小さな雪だるまは私達をほっこりさせた。

「どんな人が作った雪だるまなんだろ?
ねぇ、この雪だるま読み取ってみてよ」

「いいよ、読み取ってあげる。
きっと近所の子供が作ったんだよ」

彼が雪だるまに触れてサイコメトリー能力を発動した。

「う、嘘だろ?」

「ど、どうしたの?」

「これ、リストラされた事をまだ家族に話せていないおじさんが、朝から公園で時間を潰してる時に作った雪だるまだよ」

 
「そっかぁ・・・可愛い雪だるまが可哀想な雪だるまに見えてきちゃったわね。
ねぇ、あっちにも雪だるまがあるわ。読み取って」

「う、嘘だろ?」

「ど、どうしたの?」

「まだ捕まっていない下着泥棒が密かに戦利品のTバックを履きながら作った雪だるまだよ」

「それは何目的の何プレイで、何が楽しくてやってるのか理解できないけど、気持ち悪いのだけは確定してるわね。
ねえ、あっちにもいくつか雪だるまがあるわよ」

「う、嘘だろ?」

「ど、どうしたの?」

「不倫謝罪会見を控えた知事が現実逃避で作った雪だるまと、ガチの中年マザコン男がママに見せる為に作った雪だるまと、Uber Eatsで配達員をしてる体育大学生を沼らせた団地に住む未亡人が戯れで作った雪だるまだったよ」

「全部ハズレの雪だるまだったのね・・・
私が読み取らせちゃったから、ほっこりした気分を台無しにしちゃったね」

「能力者になって知らない方が幸せな事もあるって改めて気付いたよ。
でも、今回みたいに役に立つ事もあるんだ。
警察に行こう。下着泥棒は捕まえてもらわなきゃ」

「うん、でもその前に私達も雪だるま作ろ」

「そうだね、雪だるま作ろうか」



19.コント文学『カラダ目当ての女』

え?今の彼女とは真剣に付き合ってないよ。

完全にカラダ目当て。

地味系で顔は普通なんだけど、めちゃくちゃスタイル良いんだよね♡

基本的に何でも言う事聞いてくれるから完全に都合の良い彼女。

会いたくなったら深夜でも会ってくれるしね!

ん〜・・・

こっちが遊びで付き合ってるのは向こうも何となく察してると思うけどなぁ・・・

他に女がいるのも薄々感付いてるんじゃないかなぁ・・・

え?真剣に付き合う?

将来の事?

今は全く考えてない!

20代のうちは色んな女の子と遊びたい。

とりあえず目標100人斬りかなw

え?最低だって?

まぁ、最低かもね〜。

え?女の敵?

私が男だったらね〜。

え?女性同士のカップルの話だと思えない?

よく言われる〜♡



20.コントな文学『タメ口』

こっちは敬語なのに、

40過ぎてるのに、

年齢に関係無く社会人同士だから敬語に徹しているのに・・・

年下の若い男からタメ口を利かれた。

半分敬語、半分タメ口の割合で年下の若い男から、フレンドリーな感じでタメ口を利かれたのだ。

年下の若い女性からもタメ口を利かれた。

でも年下の若い女性からのタメ口は許せた。

フレンドリーな感じで接してくれた年下の若い女性からのタメ口は全然嫌じゃなかった。

割合的には同じ半分敬語、半分タメ口だったけど、年下の若い女性からのタメ口は嬉しかった。

夜空を見上げると満天に輝く星々が美しく広がっていた。

僕は心の中で、

タメ口を利いてくるこの世の全ての年下の若い男が・・・

凄く痛い目に遭いますようにと星に願った。



21.コントな文学『オープンカー運転してる日本人でカッコイイ人マジで0人説』

ボクの名前は町田翔太。

小学3年生です。

ボクは車が大好きで特にオープンカーがカッコイイと思っています。
 

ボクは走っているオープンカーを人生で100回以上見た事があると思う。

でも、カッコイイオープンカーを運転しているカッコイイ運転手を見た事は一度も無かった。

もしかしたらオープンカーがカッコ良過ぎるから、ギャップで運転手がカッコ良く見えないのかなって思った時期もあった。

でもね、ボクも小学3年生になって少しずつ世の中の事が分かるようになってきた。

オープンカーとか外車とか国産車とか、どんな車に乗っているのかなんて関係無かったんだ。

少なくとも日本人でオープンカーに乗っているカッコイイ人なんて、この世に存在しないという残酷な現実にボクは気付いてしまった。

だからボクは今後、オープンカーに乗っている運転手を見かけた時には、なるべく優しくて温かい目を向けてあげようと思う。

この夏、ボクは少しだけ大人になったような気がした。



22.コントな文学『絶対に♡マークを付けたら不適切な言葉達』

喪中♡

住所不定無職♡

熊出没注意♡

トミー・ジョン手術♡

増税♡

毎月投げ銭してる40代独身の非正規社員の男性♡

運転手さん、前の車追って♡

ED♡

Uターンラッシュ♡

自分で前髪切って失敗♡

便秘にはボラギノール♡

密室殺人♡

犯人は・・・この中にいます♡

今季最強の寒波♡

劣等感♡

北朝鮮♡

隠れキリシタン♡

根性焼き♡

バスガス大爆発♡バスガス大爆発♡バスガス大爆発♡

ホワイト案件の闇バイト♡

比叡山延暦寺♡

失禁♡

ロマンス詐欺♡

タコ足配線♡

・・・できちゃったみたい♡

沖縄の成人式♡

熟年離婚♡

誤審♡

本能寺の変♡

「炭水化物に炭水化物!?」と得意気に指摘してくる人♡

バトル・ロワイヤル♡

給料未払い♡

同調圧力♡

ケツの穴から手突っ込んで奥歯ガタガタ言わせたろかい♡

天涯孤独の一匹狼♡

人の上に立つべき器じゃない上司♡

スマホ依存症♡

絶対に♡マークを付けたら不適切な言葉達を考案して書いた人♡♡♡



23.コントな文学『初めてのパターン』

自販機を見かけたらコイン返却口に小銭が残ってないか手を入れてチェックしている。
(67歳男性)

2泊3日で香川県に旅行に行ったのに間違った反抗期で一度もうどんを食べなかった。
(16歳女性)

サブスクでいつでも観れるようになり余裕が生まれたせいで、気になってる映画が未だに観れてないと嘆いてる。
(44歳男性)

自動ドアが開ききる前に入ってしまったから肩をぶつけた事が何度かあります。
(31歳女性)

基本的にツナを混ぜたら何でも美味しくなると思っている。
(27歳男性)

前髪がキマらなかったから、キマるまで粘って何度か学校に遅刻した経験あり。
(19歳女性)

関東エリアだけの居酒屋チェーン店だとは知らずに「隠れ家的な良い店を見つけた」と人にオススメしてしまう恥ずかしい地方出身者。
(21歳男性)

「こんな年齢なのに申し訳ないです・・・」
苦手なグリンピースは中年になっても絶対残す。
(54歳男性)

「恥ずかしながら円高と円安の仕組みがいつも混乱してます」
(46歳女性)

散々SNSで有名人を誹謗中傷してきたのに「年のせいか最近涙もろくなってきたんだよね」と遠くを見ながらほざいている。
(41歳男性)

ドMの豚野郎。
(38歳男性)

ONE PIECEが一番面白いと思ってるクセにカッコつけて青年誌で掲載してるエッジの効いた作品を一番好きなマンガだと言ってしまう。
(29歳男性)

「こんな夜はね、無性に誰か優しい男に抱かれたくなるの・・・」っていう夜が割と多い。
(36歳女性)

長年、精神科医をやってきたけど・・・

主人格以外の人格が全員ザコの多重人格者は初めてのパターンだなぁ・・・



24.コントな文学『平和な国に生まれて生きている』

男女の友情は成立するのか、しないのか本気で考えてみた。
僕は平和な国に生まれて生きている。

半年は通ってるカフェで注文の際「いつものにしますか?」って店員さんの方から言ってくれて嬉しいような、でも何だか恥ずかしいような・・・
僕は平和な国に生まれて生きている。

1人カラオケにハマった。
僕は平和な国に生まれて生きている。

一度でいいから金髪にしてみたい。
でも、金髪にする度胸が無いんだよなぁ・・・
僕は平和な国に生まれて生きている。

売店で買った食べ物を映画の上映中に食べてる音が昔から許せない。
映画館内の食事は全面禁止にしてほしいとか願っていられる。
僕は平和な国に生まれて生きている。

ノーパンしゃぶしゃぶかぁ・・・
そんな時代があったんだなぁ・・・
僕は平和な国に生まれて生きている。

こっそり生えてる薄っすら胸毛がコンプレックスなので週1で剃っている。
僕は平和な国に生まれて生きている。

推してるアイドルの熱愛が発覚した。
僕を形成する全ての細胞が活動を停止したような感覚に陥った。
僕は平和な国に生まれて生きている。

古畑任三郎のDVDをTSUTAYAでレンタルして全シリーズ制覇した。
僕は平和な国に生まれて生きている。

明日何着て行こうかなぁ・・
昼間は暑そうだけど、夕方からは肌寒くなりそうなんだよなぁ・・
悩むなぁ・・・
僕は平和な国に生まれて生きている。

一度でいいから金髪美女を抱いてみたい。
でも、金髪美女にアタックする度胸が無いんだよなぁ・・・
僕は平和な国に生まれて生きている。

数多ある名曲の中から厳選して厳選して厳選して選んだ20曲でミスチルのマイ・ベスト・オブ・プレイリストをAmazonMusicで作成して満足した。
僕は平和な国に生まれて生きている。

iDeCoを始めた。
当たり前のように長生きする予定だから。
僕は平和な国に生まれて生きている。

古畑のモノマネを極めていた。
僕は平和な国に生まれて生きている。

公園でTikTokの撮影をしている女子高生2人組を見かけた。
改めて思った。
僕は平和な国に生まれて生きている・・・

そんな平和な国に生まれて生きてきた僕が自問自答を繰り返した結果、今では途上国でNGOの海外派遣スタッフとして国際協力活動に従事している。



25.コントな文学『僕は仔猫の動画を見て、心を癒してから眠った』

同じ大学に通うバンダナ巻いたチェックのシャツの撮り鉄に腕相撲で負けた。

圧勝できると思ってたら瞬殺された。

僕は仔猫の動画を見て、心を癒してから眠った。

髪型と服装でイケてる雰囲気を装っているだけで、顔は中の下だと周囲の人間にバレ始めた・・・

僕は仔猫の動画を見て、心を癒してから眠った。

10年ぶりに会った母方の婆ちゃんが、

優しくて大好きだった婆ちゃんが、

僕の事をとても可愛がってくれた婆ちゃんが、

爺さんか婆さんか見た目で性別が判断できないお年寄りになっていた。

僕は仔猫の動画を見て、心を癒してから眠った。

父さんが勤める会社の社長が、腕相撲で負けたバンダナとチェックのシャツの撮り鉄の父親だった。

僕は仔猫の動画を見て、心を癒してから眠った。

高校時代に同じクラスになって2週間経ち、そこそこ会話するようになった男子に、そろそろ大丈夫だろと思い「さとるっぴ」って、そいつのあだ名で呼んだら「ん?」って顔されたのをまた思い出した夜・・・

僕は仔猫の動画を見て、心を癒してから眠った。

二十歳になって、初めて父さんと2人で飲みに行った。

「夢が叶った」と嬉しそうに酒が進む父さん。

僕が小学生の時に通っていたスイミングスクールのコーチと母さんが不倫して離婚したという衝撃の事実を酩酊した父さんから初めて聞かされた。

僕は仔猫の動画を見て、心を癒してから眠った。

僕の事、初めての彼氏だって言ってたのに、

 
僕だって初めての彼女だったのに、

彼女の初めての男は僕じゃなかった。

僕は仔猫の動画を見て、心を癒してから眠った。

ある日、家で飲み潰れた父さんが、「何の為に生きてるのか分からなくなった」「年を取れば取る程、生きていてもつまらないし楽しい事が無くなっていく」と言って涙していた。

僕は仔猫の動画を見て、心を癒してから眠った。

翌日、父さんと相談して仔猫の保護猫の里親になる事を決めた。

そして2ヶ月後。

新しい家族を迎えて、幸せそうにしている父さんの顔を思い出しながら僕は眠った。


いいなと思ったら応援しよう!