一部の物語創作者に与えられる祝福=呪いの話。
何だか体力がじわじわしか戻ってこなくて、年齢を感じていますよ…。もう若くはない…ふへへ。暑さも相まってダラダラしています。NOTEの記事書くの久々な気がする。アイスとか食いたい。
ダラダラしていると取り留めもない思考がホワホワと脳裏を過っていくわけですが、そんなものたちの中から、今日は「単純な作者の好みとか興味だけではなさそうな、一部の物語を書く人間を強めに突き動かしている謎のソレ」についてピックアップしてみようと思います。
書くのが楽しいから~とか書いてるネタが好きだから~とかコミュニケーションしたいから~仕事として向いてるから~みたいな分かりやすい聞こえがいい理由以外でも、突き動かされる個人的な理由というのが、一部の書き手にはおそらくあってですね。
それは物語が神や悪魔や妖怪みたいに祝福したり呪ったり取り憑いているから「それを書くしかない、いや楽しいけど、でも…!」みたいになってるような、逃れられない作者固有の宿命的なやつのことです。
それが、とても可哀想かつ羨ましい。だって、それは書く世界で渡っていくための武器がその人にあるってことじゃん。そういう話でもあります。
ずっと「同じ属性」を作るあの方々は、おそらく。
音楽を聞くと、大体そのアーティスト様特有の表現が入っています。歌詞の感じとか音の組み合わせとか「このアーティスト様ならではだな」と感じるわけで、それこそがマーケティングだなと思うわけです。「そのアーティストらしさ」みたいなものを求めて人は音楽を聞いているんだなと。
で、物語についても、そういう「作者性や制作グループ・会社性(?)」みたいなものを、見る側はジャッジしているのかなと。小説でも漫画でもアニメでもドラマでも舞台でも、そういうものがカテゴリとして明確化しているとブランドとして確立しやすくて訴求力が高くなるなと。
なので、「ああ~、マジで書き手として欲しいよぉ、そういう、誰が見ても『私の刻印入り』って分かるみたいな、刻印作りてえええ~!!つまり才能だよなあ、欲っしいよおぉぉい~!!!!」とか思うわけですけども。
こう、デキる人(プロデューサーとか周囲のスタッフ陣)が作り上げたマーケティングの結果、それに従う形でやっていますというのではなくて。「もう元々の作者であるこの人のあり方自体が、動かしがたくこうなんやな…」みたいな状態が先にあって、それを当人の努力と周囲が何とかサポートして「人様の前に出せるようにと調整するしかない」、みたいな方もいらっしゃいますね。
で、今回語るのは主にこの後者の作り手についての話です。「そう存在するしかない書き手」についてですね。そういう人は、大体、物語やその属性に祝福されているか、呪われています。
「それ以外の方法での物語の創出」ができないので、いくら実績がある敏腕プロデューサーが「ああした方がいい、こうした方がいい」と横から親身にアドバイスしたとしても、やすやすと違うルートに従うことはできないのです。例えそれが確実に有用だと分かっていても。
作者と、作者の人生と、キャラたちと、特有の作風的なものと、物語の中身自体が、ぐちゃぐちゃに混ざっているので、外部からの矯正も強制も不可能ですね。可哀想なキメラみたいになっているので。簡単には切り分けられない。
なので、そういう書き手は物語を作る場合、単純に「物語を執筆する」以外に、することがひとつ多くなります。
自分の中のやべぇキメラの管理と育成です。
コイツを浄化して、ある程度「人様に受け入れられる状態」にしない限り、何を書いてもポジティブな形では人様に届かない。そういう可能性があります。
たぶん「祝福」を上手く制御してるっぽい成功者。
で、世間にはその「自分の中のキメラの制御」を上手くやり遂げた方もいらっしゃるなと感じていて。いや、実際のところはどうか御本人に伺ったわけでもないし伺えるような立場にいないので分からないんですが。
個人的に「この方々はそうかもな」と強く思うのが、新海誠様とCLAMP様ですね。
新海監督はずーっと「童貞と処女的なボーイミーツガール(そして喪失)」をやり続けて、CLAMP様は「厨二病展開」をやり続けています。
本来、そういう「若い子がより好むやつ」を長年同じクオリティで作り続けるっていうのは、めちゃくちゃ難しいことなんですよね。
少年・少女向けでデビューした書き手が、年齢が上がるに従って大人向け作品を書くようになっていったり、その時の興味の変化で違うテーマに取り組んだり。そういう「何らかの変化」があるのが、本来普通なんですよ。長年書いている書き手なら、ましてそうなるのが普通なんですよ。
でも、両者共にずっと同じことやり続けてるんですよ。これは、もう、ここから動けない・動く気がないんですね。ご本人たちが。
いや、当然外部からの「またこういうの頼みますよ!これ売れるんで!それこそが先生の売りなんでね!」という要請自体は普通にあると思うんですよ。でも、それがもし強制や矯正含むものだったら、スタッフ相手に揉めたり、ゆるゆると「書き手がしたい方」にテーマが引きずられたり、内容に無理が生じたり、表記揺れが大量に出てきたり、色々してしまうんですよ。
でもそれがほぼない。ずっと同じテーマで長年クオリティを確保し続けているんですね。
つまり、あの方々は該当ジャンルの神に祝福されていらっしゃるんですよ。もう宣託を伝える神官やら巫女みたいになっていらっしゃるんですね。そしてジャンルに愛された以上は他には行けないので、呪いのようでもあるんですよ。でもたぶん神に愛し愛されていてあのクオリティなんで、やってて幸せでもあるんですよ、きっと。
ただ、どちらも「最初から難なくそれができていた」わけではないと思うんですよね。
CLAMP様なんて複数人ユニットですし、それをひとつの意思にまとめて動けるようにする、しかも何年も継続してとなると、そこにとてつもない不断の努力と苦労があるはずなんですよ。全く表には出ないわけですけど。
深海監督も、明らかに「君の名は。」の前と後に違いがあって「ああ、この辺りでキメラの完全制御が成ったんやな」と感じているんですね。単純に予算や周辺スタッフの人員が整った、みたいなことだけでなく(それもあるかもしれませんが)。
というわけで、ジャンルに祝福or呪われている人間は「単純にいいものを書く」以外にやらないといけないことがあるらしい。
そのように書いた理由は、もうお分かり頂けたと思います。で。結局この後問題になるのは、「じゃあ具体的にはどうすればいいのか」ですわな。
ジャンルの「祝福」を受けるための方法とは。
書き手→ジャンルに関して言うなら、これは、もう、書いていて全く苦じゃない楽しすぎてヤバいとか、他のことをやっていてもこればっか考えちゃうとか、そういうところから自覚するんだと思われます。つい、自分が執着を持ってしまう部分ですね。あとは感覚的なところです。
で、ずっとやっていると、こう、自分の思考になかったけどジャンルや作品が後押ししてくれることで到達する表現、という場面があって、それを繰り返すことでジャンルとの交流が成っている気がする、という感覚を得る場合があります。それがジャンル→書き手への還元なんだと思います。
そして、それを繰り返すことで神官や巫女レベルまで次第に感覚が過敏になって、よりジャンルの表現ができるようになっていく、と。そういうイメージです。
で、そういう確固としたジャンルを表現者として見つけられるか。もし見つけられない場合には、他人のプロデュースに乗っかり「何を言われても応える存在」として自分を割りきれるか。プロの表現者としてやっていくには、このどちらかが必要なのかもしれないな、と今は感じています。
私個人はどうなのかというと、もしかしたら「エロとか身体的表現」みたいなものが、私の執着なのかもしれない…と何となく感じていて、とりわけ味覚とか食感のあたりですかね、まあなかなか掘るのをためらうところではあるんですけども。
たまに物語に味とか食感を感じる時があるんですよね。比喩というか、たぶん文字に色を感じるという共感覚的なやつと同じ方向性なんですけど、もう狂人扱いになるからよそでは言えないなと思っていたんですが。
私の場合はひとつの単語自体に、というより「一連の物語」に味と食感を感じるというか。毎回これはこの料理!とかこの食材!と言えるわけでもないんですが、たまにドンピシャな時が来たり。まとまってる作品は表現がボケてないからか味もきまってるように感じます。
直近では、創作大賞2024で読ませて頂いた作品。まずはマナリ様作のこちらですね。私には「高野豆腐の煮物」でした。とても優しいお味でじゅわ感が美味しかったです。ごちそうさまでした。
あとはたおたお様のこちらは、プールぎわで飲むレモン+桃のスカッシュですね。スッキリ爽やか強炭酸で、夏気分。めっちゃ冷えてて外気温は暑くて、コップに水滴できてポタポタ垂れてるシズル感も込みで。
作中にその食べ物がテーマとか小道具などの要素として出てきたわけでもないのに、というやつです。レモンと桃についてはキャラたちの名前で出てるんですが、どちらかというと炭酸の食感が強めですね。パチパチ弾ける感がまず来る。味だけじゃなく食感も、なんですよね。不思議と。
私特有の身体感覚。そういう私の中の謎のキメラの存在のひとつひとつを今後どうしていくのか、というところでもあるんですよね。うまいこと乗りこなせるといいな、と考えています。
物語の味覚の呪いとか、そんなもんが書くための武器のひとつとして使いもんになるかは全く預かり知らんけども。他にもっと使い勝手いいやつ、なかったんかい。
なので、そういう意味で私と相性がいいジャンルは、料理・食事を扱うものとか口を使うエロ系描写なんでしょうな…。おそらく。

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