【詩】透き通る青色サイダー|||#風まかせ文芸部「夏の音」
8月のカレンダー
うだる夏の倦怠
今日はプールに遊びに行く日
目覚めのサイダー
一息に飲み干した
急行電車は走り行く
いつも降りる駅過ぎて
夏の景色は流れ行く
終点はまだ遠くて
プールサイドの肌色雑踏
クジラの浮き輪の真っ黒な目
トロピカルに濁ったジュース
僕は目眩でクラクラ
戻れない残像
波紋を描く
1年前に仲良くしてたあいつとは
もう喋ってない
最後のセリフは「また、遊ぼうぜ」
ああ、永遠なんて無いんだね
囲まれていても
間引かれた線が見えてしまう
いつか来る別れが怖くて
一歩踏み出すのを躊躇いがち
それでも
滑り行くウォータースライダー
変わり行く景色も全て僕のものにしたいから
目は最後まで開けていよう
そうして
飛び込む青色サイダー
氷が溶けて音が鳴る
それは透き通る音
優しい泡が僕を包む
夢のように弾けて消えてしまう前に
喉を鳴らして
全部飲み干して
何度でも踏み出す
夏の一歩
※こちらの企画に参加させていただいております!
