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オバマ発言とトランプ文書公開——宇宙人より面白い“人類の物語”


オバマ発言で再燃した“宇宙人”論争
——ラベルの外側で、人類を考える


「宇宙人」という言葉が、またトレンドに上がった。

きっかけは、
Barack Obamaの発言。

ポッドキャストで “They’re real.” と語った。

だがその真意は、宇宙の広さを思えば生命が存在する可能性を否定できない、という文脈だった。
地球に来ている証拠はない、とも明言している。

統計的に考えれば、宇宙のどこかに生命があっても不思議ではない。
しかしそれは「地球に来ている」という話とは別です。

T
TotalNewsWorld • @turningpointj...引用
ライブドアニュース引用


この発言は、
Donald TrumpによるUFO関連文書公開の話題とも重なり、さらに拡散された。

それでもSNSでは、
「宇宙人はいる」と断定したかのように広がった。


けれど私は、少し引いて考えてしまう。

宇宙人よりも、人類のほうが不思議ではないのでしょうか?

本当に不思議なのは、宇宙人がいるかどうかよりも、
なぜ私たちは“宇宙人”という物語を作り、そこまで盛り上がるのかということです。


まず地球の話を整えましょう。


地球は約46億年前に誕生した。
初期はマグマの海。強烈な紫外線と隕石の雨。酸素もほぼない。

その後、海ができ、化学反応の積み重ねから最初の生命が生まれたと考えられています。
最古級の痕跡は微生物。
プランクトンの祖先のような単細胞生物です。

太陽は重要だった。
ハビタブルゾーン(液体の水が存在できる距離)に地球があり、
恒星として安定していたこと。
それが長期進化を可能にした。

ここまでは科学の射程。


さて、宇宙人。


オバマ氏が語ったのは「説明できない現象がある」という話であって、「宇宙人確定」ではない。
『地球に存在する』とも言っていない。
けれど人はすぐ“地球に宇宙人が存在する”と言いたがる。

なぜか。

言葉の中に「人」が入っているからだ。

宇宙+人。

私たちは未知の存在を想像するとき、
無意識に“人型”にしてしまう。

これは人間中心主義(anthropocentrism)。
人間を基準に世界を考える癖だ。

だが冷静に考えれば、
宇宙のどこかに生命がいるとしても、それが人類型である確率はむしろ低い。

地球の生命の99%以上は微生物。
知的生命ホモ・サピエンスが生まれるまでに40億年かかっている。

そして銀河は広い。
天の川銀河だけで数千億の恒星。

物理的距離を考えれば、
わざわざ地球を訪れるコストは天文学的な規模になる。

生命の歴史のほとんどは小さな存在。
知的生命は、ほんの一瞬の奇跡だ。

それでも私たちは、未知を「人」の形にする。

宇宙人。

その言葉自体が、私たちの思考の癖を映している。


私たちは宇宙の話をしているようで、
実は人類の輪郭をなぞっている。

外部を想像した瞬間、内部の違いは小さくなる。


国籍も、立場も、ラベルも。
宇宙というスケールの前では、私たちはただの「人類」になる。

ラベルは、ときに救いであり、ときに檻でもある。

けれど宇宙を想像するとき、
そのラベルは一段引いて見える。

宇宙人がいるかどうかは、まだわからない。
科学は保留を選ぶ。


人はなぜ物語を作るのか。


科学は慎重だ。
証拠がなければ断定しない。

一方で人間は、証拠がなくても物語を作る。

物語は、世界を理解可能な形に変える装置だからだ。

広大で無機質な宇宙を、
「誰かがいるかもしれない場所」に変える。

恐怖をドラマに変える。
未知を意味に変える。

焚き火の周りで語られた神話も、
都市伝説も、
宇宙人の話も、本質は同じ。

「世界は無意味ではない」と感じたい衝動。

曖昧さのままではいられない。
意味を与えずにはいられない。

もしかすると、宇宙人という物語は、
人類共通のアイデンティティを思い出すための装置なのかもしれない。

未知を前にしたとき、
私たちは分断ではなく、「人類」という言葉を選ぶ。

宇宙のどこかに生命がいるかもしれない。
けれどそれ以上に確かなのは、
こうして宇宙を想像し、言葉にし、物語を編み続ける私たちの存在だ。

宇宙人よりも不思議なのは、宇宙を語る人類。


ラベルの外側へ


私たちは常にラベルを作る。
安心するために。理解するために。

けれど宇宙規模で考えたとき、そのラベルはどれほどの意味を持つのだろう。

宇宙人がいるかどうかは、まだわからない。
けれど確かなのは、私たちが物語を作り続ける存在だということ。

未知を前にしても、沈黙せず、語る。

それが人類。


そしてそのとき、
ラベルの呪縛は少しだけ緩む。

トレンドの大通りから一歩入ると、そこには静かな問いがある。

私たちはなぜ、物語をやめられないのだろう。


それはきっと、私たちがホモ・サピエンスだからだ。


ホモ・サピエンスが他の人類種(ネアンデルタール人など)を圧倒し、地球の生態系の頂点に立てた最大の要因は、「虚構(物語)を信じ、共有する能力」にあると言われています。これは、歴史学者ユヴァル・ノア・ハラリが『サピエンス全史』で提示した「認知革命」の核心的な概念です

宇宙人の物語も、その延長線上にある。


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