空が閉じる前に
飛行機雲が
浅黄色の空に尾を引いていた
空が閉じる前に
視えない空の路を通って
風が新しい物語を運んできた
ひとつの物語ができるまで
夕暮れは
じっと待っていた
後悔はしていないと
君に言って見せた後悔の背中を
夕日が照らしている
濡れた心のなかに
海岸線ができている
風はすばやく吹き去っていった
あとには
明日の時刻が残されていた
新しい物語を読むには
記憶の中に隠した記憶がいる
新しい物語のページをめくるには
条件がある
約束を破らないこと
秘密を守ること
本当のことを言うこと
諦めないこと
前のページには戻らないこと
今いちばん読みたい物語が分かったら
空の掲示板に
貼り付けておくこと
まだ間に合うから
