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【リカルド式 戦術分析2.0】「柏レイソル2025 傾向と対策 Update Tool」

【リカルド式 戦術分析2.0】

「柏レイソル2025 傾向と対策 Update Tool」


Ⅰ.「はじめに」

 本記事は、多くの方にご購入頂いている『【リカルド式 戦術分析】「柏レイソル2025 傾向と対策」』(以下ベース記事)の「アップデートツール」となります。

 ベース記事は、主に「シーズン前半戦」の戦術分析となっておりますが、28節終了現在、リカルド式に明確な変化・進化が起きているため、その点に関して、今回、追加で分析・解説させて頂きます。

 なお、本記事は「アップデートツール」ということで「無料記事」と致します。
 また、本記事だけでもお楽しみ頂ける内容を意識しておりますので、是非、一度、目を通して頂けると嬉しく思います。

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Ⅱ.「“右肩上がり”と“左肩上がり”の共存」

“シーズン前半戦”攻撃の基本形

※ 5:26~参照

 シーズン前半戦、ビルドアップ・アタッキングサードでの崩しの場面では、右サイドCB原田選手が高い位置を取る、いわゆる「右肩上がり」の形を採用していました。
 その高い位置を取る原田選手と「右WB久保選手」「右シャドー小泉選手」がユニットとなり、数的優位を確保し、そこにCF垣田選手やボランチの選手が絡みながらゴールに迫る形は、シーズン前半戦における、レイソルの代表的な攻撃パターン(リカルド式)となっていました。

 対して左サイドでは、主に左WB小屋松選手の単独突破が目立っており、左サイドCBに入っていた、杉岡・田中選手が高い位置(左肩上がり)を取ることは、基本的にはなかったと思われます。
 但し、シーズン前半戦終盤、原田選手が欠場していた試合に限り、三丸選手が左サイドCBに入って「左肩上がり」の形を採用することはありました。


“シーズン後半戦”攻撃の基本形

※ 1:03~参照

 それがシーズン後半戦に入ると、原田選手と三丸選手が同時にピッチに立つことで、左右両サイドからユニットでの前進・崩しが確認できる様になっており、この「右肩上がり」「左肩上がり」の共存は、リカルド式の明確な変化・進化のひとつと言えるかと思います。

 なお、右肩上がりの場合、左サイドCBは後方で守備のリスク管理(左肩上がりの場合はその逆)という形が基本となりますが、時に左右両サイドのCBが高い位置を取り、攻撃を仕掛けるシーンも確認できています。

 また、シーズン前半戦の怪我から復帰した、杉岡選手が左サイドCBに入る様になってからも「左肩上がり」の攻撃は継続しているため、個人に依存した戦術ではなく、チームの形として採用しているとみて、問題ないかと思います。

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Ⅲ.「瀬川選手の加入」

瀬川選手のプレースタイル

 夏の移籍市場でレイソルに再加入することとなった瀬川選手。
 フロンターレで「止める・蹴る」の基本技術を鍛えられたことは間違いなく、その点と、彼の元からの武器である「裏への動き出し(DFとの駆け引き)」「シュート意識の高さ」が相まって、再加入後、公式戦10試合で4得点を記録(9月7日現在)。

 「裏への動き出し(DFとの駆け引き)」「シュート意識の高さ」は、正にシーズン前半戦のレイソルに欠けていた要素であり、そんな瀬川選手の存在は、攻撃の新たなオプションとして、間違いなくチームに変化を起こし、進化を促しています。

 そこで本章では、その変化・進化に関して、「CF垣田選手との違い」にも触れながら、分析・解説させて頂きます。


垣田選手とパスワーク

※ 5:26~参照

図Ⅰ.垣田選手とパスワーク

 瀬川選手が加入するまで、CF争いにおいて絶対的な存在であった垣田選手は、ポストプレーでシャドーを中心に、周囲の選手を活かすことに長けたプレーヤーであります。
 また、得点シーンに関しては、28節終了時点で上げている5ゴール全て、パスワークの仕上げ役として、BOX内で仕留める形(ワンタッチゴール)となっています。
 以上の点から、総じて、垣田選手は「周囲を活かすことで自分も活きる」タイプの選手とも言えるかと思います。
 このスタイルは「リカルド式パスワーク」に非常に適しており、パスワークを実現させるためには、もはや欠かすことの出来ない選手と言っても過言ではありません。

 図Ⅰは、そんな垣田選手の良さが詰まったシーンの具体例であり、リカルド式におけるレイソルの典型的な崩しのパターン(再現性のある攻撃)となっています。

 具体的な流れは以下の通りです(対「4-4-2」想定)。
① CB古賀選手から位置的優位を取るサイドCB原田選手にパス(右肩上がり)
② 右WB久保選手が裏に抜ける素振りを見せてから立ち止まる(パスコースの確保)
③ CF垣田選手が原田選手から斜めのボールを受ける

 本章の本筋ではありませんが、②に関して補足説明をしておくと、まず「裏に抜ける素振り」を見せることで、久保選手サイドの相手CB・SBを引き付けることが出来ます。
 そうして、垣田選手へのパスコースを作った上で立ち止まることで、相手CB・SB(特にSB)は「久保選手への足元へのボール」を警戒する様になります。
 しかし、実際は、原田選手から久保選手にパスが入ることはなく(久保選手も受ける気はない)、それに相手SBが気付いた時には、久保選手が目の前に壁の様に立ちはだかっているため、パスカットに入ることも出来ず、垣田選手まで綺麗にボールが通ってしまうという仕組みになっています。

 話を本筋に戻すと、垣田選手はこの様なシーンで、ボールを受けるタイミングも位置も、そこからシャドー他への落としも非常に上手く、綺麗にパスワークの中に溶け込むことが出来ています。
 これは彼のひとつの良さであり、リカルド式のパスワークに欠かすことの出来ない所以となっています。

 ただ、どれだけ綺麗にパスを繋いでも、シュートシーンまで結びつけることが出来ないと、当然のことながら肝心な得点は生まれないわけであり、この点は特にシーズン前半戦の課題にもなっていました。


瀬川選手と裏抜け

※ 3:31~

図Ⅱ.瀬川選手と裏抜け

 対して、図Ⅰと同じ局面でも、瀬川選手は「裏への抜け出し」がファーストチョイスであると思われるため、図Ⅱの様にDFラインの背後を突いて来る傾向にあります。
 そして、こういった局面での相手選手との駆け引き・抜け出すタイミング、総じて動き出しが上手いため、出し手が見ていてくれれば、好機に繋がる可能性は十分にあると言えるかと思います。

 その“出し手が見ていてくれれば”の点に関しては、レイソル復帰後、得点を積み重ねる中で確実に信頼を得ているため、日に日にボールが出て来る様になっている印象を持っています。
 この様に「裏抜け」は出し手と受け手のタイミングが合えば、一発でゴールに直結するシーンまで持って行くことが出来るため、やはり「得点の可能性」は高まると考えて良いかと思います。

 その一方で、特にシャドーの選手が、前を向いてボールを受ける機会が減少してしまうため、彼らの役割・攻撃での関りが難しくなってしまう側面があります。
 また、直近の試合からピックアップすると「27節vsレッズ」(2点目アシスト)「28節vsアビスパ」(2点目PK獲得シーン)の様に、パスワークの中で決定的な役割を果たすことも出来ますが、この分野においては、中でもそこまでの繋ぎ・作りの部分においては、CFでは垣田選手、シャドーでは小泉・渡井選手の方に分があると思われます。

図Ⅲ.裏抜けとリカルド式の進化

 あと、瀬川選手に限らず「裏抜け」タイプの選手がいると、解説の方はよく「FWが裏抜けをすれば、相手の最終ラインが下がり、中盤にスペースが生まれる。そして、そこを中盤の選手が活用できる」という様なことを仰っているかと思います。

 これ自体は理論上、間違っていないのですが、少なくとも現在のレイソルにおいては、中盤の選手が上手く活用して決定機に結びつけたという様なシーンは、確認できておりません。
 故に図Ⅲの様な形で、瀬川選手の裏抜けに中盤の選手が連動できる様になると、リカルド式の更なる進化に繋がると思われます。

 なお、図Ⅲの具体的な流れは以下の通りです。
① 右サイドCB原田選手を見てCF瀬川選手が裏抜け
② ①に因って「最終ライン(及び中盤)」が下がる
③ ②に因って出来た中盤のスペースで、シャドー小泉選手がパスを受ける
④ 小泉選手から左WB小屋松選手にサイドチェンジ
⑤ ④でサイドに振ったことに因り、相手選手はボールウォッチャー(になる傾向)
⑥ 小屋松選手のクロスに「(①から)動き直した瀬川選手」「右WB久保選手」が反応

 瀬川選手は「何度も動き直せるタイプ」であり、また、久保選手は「WBの幅を使ったクロスに合わせることを得意」としているため、十分に実現可能な形と言えるかと思います。


垣田・瀬川選手の使い分け

① パスワーク(垣田選手)→裏抜け(瀬川選手)

 28節終了時点での瀬川選手の起用法の中で、最も相手にとって脅威となっているのは、
前半:リカルド式パスワーク(CF垣田選手)
後半:リカルド式パスワーク+裏抜け(垣田選手OUT→瀬川選手IN)
 
という流れになるかと思います。
※ 後半途中交代も含む

 そして、この交代策が完璧に嵌まったのが「27節vsレッズ」(瀬川選手:1得点1アシスト)であり、次点は「24節vsアントラーズ」(同:1得点)となるかと思います。
 これは瀬川選手の動きが素晴らしいことは間違いありませんが、瀬川選手が投入されるまで、CF垣田選手も絡みながらパスを回し続け、相手選手を疲弊させていたという下地があってこその脅威となっています。

 また、プロ選手である以上、更には優勝争い中である以上「勝利が最優先」であることは間違いありませんが、この展開は、パスワークの中で活きるタイプである、垣田選手や小泉選手にとっては、1人のプロサッカー選手として、120%で歓迎できるものではないと思います。
 そういった意味で、瀬川選手や細谷選手の活躍が刺激となり、垣田選手や小泉選手がパスワークから目に見える結果をコンスタントに残せる様になると、これまた、リカルド式の更なる進化に繋がると思われます。

② 瀬川選手とミラーゲーム

 リーグ戦に限ると、瀬川選手がレイソル再加入後、スタメン出場した試合は「26節vsファジアーノ」「28節vsアビスパ」となっています。
 この2試合の共通項は「ミラーゲーム」(3-4-2-1)であり、瀬川選手がベンチスタートの試合で同じく「ミラーゲーム」であったのは、再加入“直後”の「20節vs東京V」のみとなっています。

 この点から「初期配置のまま組み合ってしまうと崩すことは難しい“ミラーゲーム”」「5バック化されるとパスワークだけでは崩し難い“3-4-2-1(5-4-1)”」に対して、動き出しで相手の陣形を乱すことが期待できる瀬川選手を、スタメン起用している可能性はあると思います。
 最もこの点に関してはデータが少ないため、今後の起用法にも引き続き、注目して行きたいと思います。

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 他には「被カウンター対策(CB古賀選手の立ち位置の修正)」「原川・熊坂選手と山田・中川選手の違い」なども、ベース記事からの変化・進化ではありますが、その辺りに関しては『分析レポート』もしくは、別の特集記事で取り扱い出来ればと考えております。

 【リカルド式 戦術分析2.0】「柏レイソル2025 傾向と対策 Update Tool」は以上なります。
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