【トレイン・ドリームズ】あらすじ・感想(三幕構成で読み解く)
一言感想:めちゃ好みの映画でした!
結末まで語るので、本編を未見の方にはブラウザバックを推奨します。
登場人物
ロバート(ジョエル・エガートン):主人公の男
グラディス(フェリシティ・ジョーンズ):ロバートの妻
アルン(ウィリアム・H・マーシー):老練な木こり
クレア(ケリー・コンドン):森林調査官

2025年製作/103分/アメリカ
原題または英題:Train Dreams
配信:Netflix
配信開始日:2025年11月21日
まずは、物語を三幕8場構成に分解します。
一幕
一場:状況説明
二場:目的の設定
二幕
三場:一番低い障害
四場:二番目に低い障害
五場:状況の再整備
六場:一番高い障害
三幕
七場:真のクライマックス
八場:すべての結末
一幕
1-1:状況:20世紀初頭のアメリカ北西部アイダホ州で日雇い労働者として大陸横断鉄道の線路工事に従事するロバートは孤児出身で身寄りもなく、生きる目的もなく単調な暮らしをしていたが、グラディスという初めて自分を肯定してくれる娘と出会い、恋に落ちて、町から少し離れた森の奥のモイエ川のほとりにログハウスを建てて結婚し、娘ケイトが生まれる。
1-2:目的:ある日、工事現場でチャイナから出稼ぎに来ていた男が殺されるのを目撃してから、ロバートは夜な夜な男と機関車が出てくる悪夢を見るようになる。ロバートは森林伐採の日雇いに転職するが、これは仕事の季節のたびにロバートは出稼ぎで妻子と数ヶ月間離れて生活することを意味した。
二幕
2-3:障害:当時の林業には危険がつきもので、ロバートはいくつかの不幸を目撃する。特に親交が深かった老練の木こりアルンの事故死はロバートの心の深い傷となる。
2-4:障害:ロバートとグラディスは貯金を使って自宅の横に木材加工施設を建設してロバートの出稼ぎを止めることを決意する。しかし直後に出掛けた木こり業務(=これで最後にしようと思っていた)から帰ってきた日に山火事で自宅が燃えてしまい、ロバートは妻子を失う。
2-5:状況:絶望に打ちひしがれるロバートだったが、周囲の友人達の援助もありログハウスを建て直す。ロバートは数年後に再び林業の現場に戻るが、近代化が進んでいて、もはや自分の居場所はここではないと悟る。
2-6:障害:町で馬車使いに転職したロバートは静かな暮らしを続けていたが、ある日に政府から派遣されて来た森林調査官クレアと友人になり、クレアから生き方を肯定されるが、それはまたグラディス(=人生で最初にロバートを肯定してくれた女性)とケイトの記憶を蘇らせるという意味で辛いものでもあった。ロバートは今でもクレアとケイトに会える気がするから森を散策しているのだと辛い心境を吐露する。
三幕
3-7:佳境:ある晩に、ロバートは家の前で倒れていたケイトを救出する。これまでずっと山奥で逃げながら暮らしていたのか。しかし朝になるとそれは忽然と消えていて、おそらく幻覚を見たのだろうとロバートは思ったが、ケイトがいつ帰ってきても良いようにずっとログハウスに住み続けることを決意する。
3-8:結末:時が流れ、70歳を超えたロバートはかつて自身が敷設に携わった鉄道に乗り都市まで出掛ける。街頭の電気屋でロバートはジョン・グレンの有人宇宙飛行のテレビ中継を見る。1968年にロバートは人知れずログハウスで静かに息を引き取る。いわゆる孤独死ではあるが、ロバートの心は安らかだった。なぜならロバートは、晩年にプロペラ飛行機の体験搭乗で曲芸飛行で逆さ吊りになって全ての感覚がわけわからなくなった時に、これまでの人生の記憶が呼び起こされて、まるで全てが繋がったような満たされた気持ちになっていたからであった。
FIN

▼解説・感想:
●構成
1-1:状況:不幸な生い立ちからの一発逆転
1-2:目的:鉄道業から林業へ転職
2-3:障害:林業の危険で心休まらない日々
2-4:障害:林業からの転身を決意した矢先の不幸
2-5:状況:仕事に復帰できるまでの療養期間
2-6:障害:馬車使いになるも、心の傷は癒えず
3-7:佳境:娘の幻を見て、待ち続けると決意
3-8:結末:時は流れ、心安らかに永眠
すごく静かにゆったりと時間が流れる映画ですが、大枠では綺麗なハリウッド三幕構成を取っていました。
●感想

#トレイン・ドリームズ
Netflix新作。ある男の激動の人生を描いた小説の映画化。森林開拓と近代化が進む20世紀前半のアメリカの日雇い労働者ロバートは、美しい娘グラディスと恋に落ちて人生に希望を見出し森に一軒家を建てて娘を持つ。しかし時代と運命がロバートを翻弄する。必見の映像美。
とにかく画面が美しいです。
自然光で撮影したんじゃないかなー。(←違ったら恥ずかしいけどw)

なんとなく『レヴェナント』とも雰囲気が似てますね。あちらもアラスカの大自然を舞台に、重すぎる運命と対峙する男の物語でした。時代設定と全体を占めるビジュアルがよく似ています。瀕死の主人公をアメリカ原住民が救う展開もそっくりですね。
一方で、あちらは短期集中で息子の仇に復讐する物語でしたが、こちらは妻と娘を失ったことに対する具体的な復讐対象はなく長期にわたって心の傷(やり場のない怒り)と向き合い続ける物語、という意味で好対照だと思います。

予告映像を見ていたたければ判ると思いますが、画面アスペクトがIMAXと同じ1.43:1になっていて、それも良い味を出してました。
アメリカではIMAXシアターでも上映されたのかな〜。…だとしたら羨ましい限りです。
(了)
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