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【十一人の賊軍】あらすじ・感想(三幕構成で読み解く)

#ネタバレ

結末まで語るので、本編を未見の方にはブラウザバックを推奨します。

登場人物
政(山田孝之):新潟灘に住む籠人足
鷲尾兵士郎(仲野太賀):新発田藩剣術道場主
ノロ(佐久本宝):新発田藩の花火師の息子
なつ(鞘師里保):新発田藩の女郎で放火犯
溝口内匠(阿部サダヲ):新発田藩城代家老


まずは、物語を三幕8場構成に分解します。

一幕

1-1:状況:政は新発田の藩士を殺して逮捕される。
1-2:目的:10人の死刑囚は数日間の砦の防衛を命じられる。

二幕

2-3:障害:官軍と一度目の衝突;政は新発田藩の謀略を知る。
2-4:障害:官軍と二度目の衝突;賊軍は吊り橋を爆破する。
2-5:状況:官軍が進路を変えて砦を守る必要性がなくなる。
2-6:障害:賊軍は油田を爆破して官軍を蹴散らす。

三幕

3-7:佳境:鷲尾が11人目の賊軍を名乗り、溝口に叛逆して殉死する。
3-8:結末:新発田藩は無血開城;なつとノロは政の妻に金を届ける。

FIN

2024年製作/155分/PG12/日本
配給:東映
劇場公開日:2024年11月1日

一幕
 一場:状況説明
 二場:目的の設定
二幕
 三場:一番低い障害
 四場:二番目に低い障害
 五場:状況の再整備
 六場:一番高い障害
三幕
 七場:真のクライマックス
 八場:すべての結末

参考:ハリウッド式三幕八場構成

▼解説・感想:

●撮影・美術・音響

この写真に顕著ですけど、黒澤明の『七人の侍』を意識してますよね?

個人的にも、ここで橋を爆破するまでが面白さのピークでした。

逆に言えば、後半はちょっとビジュアル的に一辺倒で、観ていて集中力が切れてしまったかな。

山田孝之は黒澤映画の三船敏郎を目指したのかな、と思えるワイルドさ。

鞘師里保は紅一点だから、もう少し男女で揉める場面が欲しかったですかね。別に脱がなくて良いので、もっと泥臭い展開を。山田孝之を優しく抱きしめる場面はなんというか所属事務所からストップが掛かって、あんな中途半端な感じになったのではないかと勘繰ってしまいました。(笑)

物語や描写のリアリティには少し文句を言いたくなる部分はありつつも、映像と音響を楽しむ作品としては非常に優れた作品だと思います。私はNetflixで視聴したのですが、映画館で観覧しなかったことを少し後悔しました。

映画賞でも技術部門で結果を残しています。

#毎日映画コンクール 受賞決定🎉
◤ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 🏆撮影賞:池田直矢さん 🎥
 🏆録音賞:浦田和治さん 🎧
______________◢

公式Twitter - 2025年1月17日 08時01分

#第48回日本アカデミー賞 授賞式でした🏆
優秀録音賞・浦田和治さん
優秀美術賞・沖原正純さん

公式Twitter - 2025年3月14日 23時08分

●脚本

本作は昭和の任侠映画を令和にもう一度作ってみた、というコンセプトのようです。

江戸幕府から明治政府へと政権が移りかわる中で起こった戊辰戦争を背景に、罪人たちが藩の命令により決死の任に就く姿を描いた時代劇アクション。「日本侠客伝」「仁義なき戦い」シリーズなどで知られる名脚本家の笠原和夫が残した幻のプロットを、「孤狼の血」「碁盤斬り」の白石和彌が監督、山田孝之と仲野太賀が主演を務めて映画化した。

十一人の賊軍 - 映画.com

たしかに、官軍の総大将・山縣(玉木宏)が新発田藩の謀略に気付き利害が一致すると知った後に、なお賊軍が官軍を全滅させてしまい、溝口は砦の賊軍を全員殺害するしか手段がなくなった流れなど、いかにも「仁義なき」任侠映画らしい物語展開でした。

とにかく悪いヤツとして描かれる溝口でしたが、最後には義を重んじた娘が自刃してしまい天罰を受けた形になったのも良いバランスでした。阿部サダヲの「許してくれ、国と民を守るためには、こうするしかなかった」という台詞は、まさにその通りだと思います。これもまた、スパイダーマンシリーズの有名な格言『大いなる力には大いなる責任が伴う』と同じですね。

常に誰かの犠牲の上に平和が保たれているんですね〜。翻って私たちが住む現実でも、色々物騒な世界情勢ですが、とりあえず日本ではそこそこ平和に生きていられることに感謝したいです。

(了)

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