日本人の物語00099【神代】神代総括
さて、ここまでで神代(神の時代)が終了したことになります。
古事記は上・中・下の全3巻で構成されており、
・上巻: 天地初発から神武天皇誕生まで
・中巻: 神武東征から応神天皇まで
・下巻: 仁徳天皇から推古天皇まで
をそれぞれ描いています。よって、ここまでで古事記上巻を終えたこととなります。
最高神アマテラスから神武天皇に至るまでの系譜は、
・アマテラス
・アメノオシホミミ
・ニニギ
・ホオリ
・ウガヤフキアエズ
・神武天皇
という順でした。アメノオシホミミとウガヤフキアエズについては大したエピソードがありませんでしたが、ニニギとホオリについては長々としたストーリーがありました。
神代のストーリーは、そっくりそのまま史実として捉えることはできませんが、国譲りの話は伊勢系と出雲系の戦乱を描いたものと考えられますし、ヤマタノオロチ退治についても斐伊川の治水工事を描いたものと考えられるなど、何らかの史実を反映したものと捉えることができます。
戦前においては小学校での歴史教育は「国史」と呼ばれ、天地初発から始まって天の岩戸、因幡の素兎、国譲り、神武東征などが教えられていました。今は旧石器時代から始まり、縄文、弥生を考古学的に俯瞰してから『漢書地理志』『後漢書東夷伝』『魏志倭人伝』といった文献に進みます。神話は一切登場しません。教育課程に神話を取り入れてしまうと、神道という特定の宗教を教育してしまうこととなり、憲法に抵触してしまうようです。戦前期に国家神道を強制したことで様々な人権侵害が行われたことへの反省から生まれた規定だと思われますが、日本史や日本文化と密接な関係にある日本神話を学ばないというのは非常に残念ですね。キリスト教やイスラム教の神話も紹介した上で、様々な神話の中の1つとして学べば良いと思うのですが。
本稿では、神代を書くに当たって枝葉末節を省き、登場する神の名前も最小限に絞り込みました。実際に古事記を紐解くと、メインストーリーとは関係のない神の名前が次々と出てきて、非常に読みにくく感じます。
しかし、これらの神々を細かく見ていくことで初めて見えてくる世界もあります。どの氏族の祖先がどの神かが決まっていたり、旅行先でふと見つけた神社が古事記にちらりと登場する神を祀っていたりするのです。それを知れば歴史をもっと楽しめるようになります。
