日本人の物語01402【アイヌ神話】チワシペツとの戦い
ポイヤウンペについて検索すると、「公共財団法人 アイヌ民族文化財団」のHPが出てくるのですが、そこで描かれているポイヤウンペの話が私の読んだ参考文献の話と大きく異なるので驚きました。やはりユーカラは異説がかなり多く、バリエーションに富んでいるようです。
チワシペツの兄との戦いで死んでしまったポイヤウンペは、巫女の霊力によって復活すると
「チワシペツの弟は勇者だと聞いた。戦わねばならないだろう」
と言って自らチワシペツの村に出かけ、弟と対決しようとします。ひどく好戦的なヒーローですね。
チワシペツの村は大いに栄えており、多くの人通りがありました。ポイヤウンペが観察していると、先程戦った兄が歩いているのを見つけます(もう生き返ったのでしょう)。追いかけていくとその兄は大きな家に入っていき、その家の中では弟が大きな鍋で飯を炊いていました。
兄弟は
「敵の死体は切り刻むべきだった。でなければすぐ生き返ってしまう」
などと話し合っていました。これを聞いたポイヤウンペの名刀クドネシリカは光り出し、狼神や龍神が実体化して鍋の中の飯を全て食べてしまいました。どうやらポイヤウンペが怒ると連動してクドネシリカが動き出すようです。
招かれざる客の存在に気付いたチワシペツの兄弟は怒り、決闘が始まりました。やがてその兄弟の妹(この妹もなかなかの霊力を持った巫女のようです)やら、チワシペツの村の人々たちも加勢し、ポイヤウンペ一人と村人全員との戦いになりました。しかし名刀クドネシリカから飛び出した狼神や龍神が次々と敵をやっつけ、見事に村を全滅させました。
チワシペツの弟は、死ぬ間際に
「俺が死んでもメナシサムの里では多くの首領が集まってお前を討とうと準備している。お前は決して生き残れないだろう」
と語り、息を引き取りました。
メナシサムの里とは、ポイヤウンペの住むシヌタプカの東に位置する隣町でした。そこに自分の命を狙う敵が多数集結していると知ったポイヤウンペは、
「臆病にも逃げたなどと言われたくない」
と言って、何と自分から乗り込んで敵を一掃しようと思い立ちます。ポイヤウンペは自ら敵の前に飛び出していくスタイルのヒーローらしく、その好戦ぶりには眉をひそめてしまいますが、次のメナシサム戦こそが最後の戦闘となります。
「見事に村を全滅させました」と軽く済ませたのですが、この戦いは『ユーカラ』ではそこそこ長い尺を取って描かれています。
