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地域の魅力を再発見できるプロジェクト「地元カタン」

「カタン」というボードゲームを知っていますか?

株式会社GP公式サイトより

無人島を舞台に、サイコロの目に応じて得た資源をやりくりして開拓地を増やしていく陣取りゲーム。世界で4500万個以上売れている人気ボードゲームです。小学生から大人まで幅広く楽しめ、日本大会や世界大会も開催されています。

そんなゲームとしても素晴らしい「カタン」ですが、実は販売する株式会社ジーピーが教育活用版のパッケージも制作しています。

今回はこの地元カタンを使用し、長野県の富士見町で地元の子どもたちと「富士見町カタン」を制作した流れをご紹介します。

地元カタンに関するご相談をJampopoに多数いただいていますが、地元カタンは株式会社ジーピー様のコンテンツであり、この記事はあくまで地元カタンの素晴らしさを紹介する目的で執筆しています。

地元カタンを実践するのにJampopoを仲介しなければならないなどの制約は一切ありません。


フェーズ1:計画

はじめに、ジーピーさんに相談しつつ自分たちでもどのようなプロジェクトが行われてきていたのか調べました。小学校は5年生〜高校生と幅広い年代で挑戦されていることがわかりました。

過去の事例リサーチ

その多くが学校の総合学習や探求学習の一環として行われたものでした。私たちは学校関係者ではないため、このアプローチをそのまま実践することが難しい。

ただ、ここ数年のボードゲームを通した地域活動のなかで、地元の事業者さんとの連携や地域の小学生との繋がりができてきたこともあり、少人数制で大人もガッツリ協力しつつ、全5回の中で作っていくミニマルなプロジェクトとして計画することになりました。

フェーズ2:集客

配布したチラシの一部

教育委員会の後援もとり、地域の近隣小学校へ配布しました。結果、地域の複数学校から8名の小学生が集まりました。

最年少は3年生。
全員カタン経験者で家にもあるという、カタンが好きでなんか面白そう、と思ってくれた子が集まった印象でした。

ジーピーさんには販促物の相談など全面的に協力いただき、子どもたちも非常に喜んでいました。ありがとうございました!

フェーズ3:実践

メンバーが決まり、いよいよ地元カタンプロジェクトがスタートしました。

第1回:アイデア出し

観光地図を広げながらどんな施設や場所があるかを共有し合う

初回はチーム分けをしつつ、カタンをプレイしながらこのゲームにはどんな要素があるのかを考えます。そして資源に合う地元のものはなにか?を探していきました。

とあるメンバーのアイデア一覧(テンプレートはジーピー様提供)

町内にある大手企業やアルパカ牧場などがあがり、騎士は富士見町で言うと「消防団」(地区によってかなり活発)といったアイデアがでました。
他にも特産品であるルバーブや地元のお祭り、この地域は縄文時代の出土品がわんさかでることもあり、縄文関連のアイデアもでてきて非常に多彩な資源リストになりました。

そして、その中から取材したいと思う場所を選んでもらいました。


取材

事業者さんにもご協力いただき和やかに取材できたそう

親御さんにご協力いただき、約1ヶ月の間に親子で地域の事業者さんに取材をしていただきました。
どの事業者さんも快く取材OKいただき、丁寧に回答いただきありがとうございました。

第2回:調査のまとめ

取材した結果どんなことがわかったのか一人一人発表

取材した内容を発表してもらいながら、富士見町にどんな魅力が見つかったのかを共有しました。

何気なく利用していた町の和菓子屋さんが創業100年以上の老舗だったり、アルパカ牧場のアルパカの多くが富士見町生まれだったり、取材してみないとわからなかったことも多くありました。

ここで改めて地元カタンの中に組み込む資材の内容をグループで決めました。

第3回:カタン作成

海のない富士見町。360°山で囲まれているから山を描こうとなりました

いよいよカタン作り!真っ白なフィールドにみんなで図柄を書いていきます。実は、地元カタンは六角形のフィールド以外にも作る必要がある素材が結構あります。

カタンルール説明書より

今回カタン作りに用意している時間が3回目と4回目の半分、3時間だけでしたので、フィールド作り以外は運営側である程度準備することになりました。全部自作するとなったら方法にもよりますが6時間ほどはとっておいた方がよかったです。

また、コマはジーピーさんで販売している木ゴマを使用しました。

第4回:盗賊づくりとテストプレイ

3Dプリンターを使って盗賊役の猿と熊を作成。テストプレイは無事終了。

次回が発表会ということで出来上がった地元カタンを使い、テストプレイを行いました。薄い紙で番号マーカーを用意すると飛んで行ったりして使いづらいことが判明。急遽コインを調達して代替えしたり、最後までプレイできるかを確認しました。

第5回:発表会

完成した地元カタン。プレイ中のゲーム説明も子どもたちが行います

最終回は保護者の方を招いた発表&ゲーム会を行いました。(もっとたくさん声をかけたかったのですが感染症が流行っていたため断念…)

当日は長野日報さんも取材にお越しいただきました。

長野日報公式サイト

地元カタン参加者の感想を抜粋

一部ですが、参加者と保護者の方の感想を共有します。

糸尻考古館に取材に行った時、展示されているものはほんの一部で何千と発掘されていることを知って驚きました。自分たちが作った地元カタンももっと普及させたい

小学5年生

子供たちも達成できた喜びや楽しみながら学びに繋がったことが今後も財産になると思います。郷土資料として保存されるとのことでとても素晴しく光栄なことだと思います✨
子供たちの毎回の取り組み、Jampopoさんのご協力あってのことだと思います!家族一同感謝しきれない思いでございます。

小学5年生保護者の方

資源に当てはまるものを何にするか話し合うのが大変だった。全員の意見をまとめることができてよかった

小学5年生

ワークショップが楽しいらしく、家でも地元カタンのことについて楽しそうに話していました。ありがとうございます。

小学4年生保護者の方

発表会後の動き

長野県立図書館の富士見町の郷土資料として寄贈が決定

そして、さらに嬉しいサプライズがありました。長野日報の記事を見たという長野県立図書館の担当者の方から、「富士見カタンを富士見町の郷土資料としてほしい」とご連絡をいただけたのです。

これには子どもたちも喜んでいました。


振り返り:地元カタンプロジェクトをやってみて

初めての取り組みで反省点もたくさんありますが、振り返ってみて大きく2つの気づきがありました。

子どもと地域の方々との接点になる

取材以降、おかみさんとは息子にとって気軽に話しかけられる存在に

今回、取材というプロセスを入れたことにより、参加者と取材先の地域の方さんとのつながりが生まれたこと、地域の方との新しいつながりが子どもたちとできたことが大きな得られたことでした。

個人企画としての大変さも

今回個人で企画から集客、運営まで全て個人で行ったため、地域の事業者さんへ地元カタンの説明を1件1件行い、取材のアポイントまで行いました。
ワークショップが始まる1ヶ月前から地元の企業や事業者さんの元を訪れ、許可どりを行ったことで子どもたちの取材がスムーズにできました。


地元カタンのプロジェクトに挑戦する人が増えて欲しい

今回、カタンというゲームの面白さに、ゲームの中身を分析しながら地域の魅力と掛け合わせていく、関わる多くの方が地元の魅力を再発見できた素晴らしい機会になりました。

実際にできあがった地元カタンをプレイしてみると「特産だったなんて知らなかった」「確かにここは困った土地だよね」など地元を中心に話も広がるテーブルがありました。また、地元カタンをプレイしていると通常盤のカタンがやりたくなるという不思議な効果も。

私たちはそんなボードゲームを使った教育、交流プロジェクトを応援していますので、図書館や学校の総合学習、地域交流のプロジェクトをお考えの方はお気軽にメッセージをいただけたら嬉しいです。


実践者:Jampopo ノブ
おもちゃインストラクター|ごみゼロゲーム認定ファシリテーター
カンジモンスターズ認定ファシリテーター|SNSフォロワー2万人
子どもの知育目的で集めたボードゲームの魅力に取り憑かれ、ボードゲームの知育・教育活用やゲームシーンを広げるためにボードゲーム会を主催。
現在は経産省こどもデーでごみゼロゲームのファシリテーションを担当の他、中学校教員向けにボードゲームを使った研修も行う。


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