BHPグループ 2025年度 決算まとめ (メモ用)
BHPグループは、2025年6月30日に終了した会計年度(2025年度)において、世界的な政策の不確実性やインフレに見舞われたまだら模様の商品価格環境を乗り越え、堅実な基礎的業績を報告しました。当社は鉄鉱石と銅の両方で過去最高の生産量を達成し、強力なコスト管理を示しました。これにより、鉄鉱石と石炭の実現価格低下による大幅なマイナス影響を部分的に相殺しました。この業績は、53%という健全な基礎的EBITDAマージンと21%の投下資本利益率(ROCE)を支えました。
財務実績:商品価格の影響
BHPの収益性低下の主な要因は、特に主要なバルク商品の商品価格の低下でした。
収益の減少: 2025年度の総収益は、2024年度の556億5800万米ドルから44億米ドル(8%)減の512億6200万米ドルに減少しました。
基礎的EBITDAの減少: グループの基礎的EBITDAは10%減の259億7800万米ドルに減少しました。この30億3800万米ドルの減少は「完全に商品価格によるもの」であると、当社は明確に述べています。差異分析では、「価格」によるマイナス37億米ドルの影響が、収益に影響を与えた単一で最大の要因でした。
基礎的利益: 基礎的帰属利益は、2024年度の136億6000万米ドルから2025年度には101億5700万米ドルに減少しました。
鉄鉱石と石炭の大幅な価格下落が主な原因でした。鉄鉱石の基礎的EBITDAは45億米ドル減の144億米ドルに、石炭セグメントのEBITDAは17億米ドル減の6億米ドルに減少しました。
しかし、当社の多角化戦略は効果的でした。銅セグメントが重要な緩衝材として機能し、その基礎的EBITDAは価格上昇と記録的な生産量の両方により38億米ドル増の123億米ドルとなりました。グループEBITDAに占める銅の貢献度は2024年度の29%から2025年度には45%へと急増し、ポートフォリオにおけるその重要性の高まりを浮き彫りにしました。
実現商品価格
BHPの主要商品の実現価格は、銅価格が上昇する一方でバルク商品の価格が大幅に下落するなど、著しい乖離を示しました。
商品2025年度 実現価格2024年度 実現価格前年比変動銅4.25米ドル/ポンド3.98米ドル/ポンド+6.8%鉄鉱石82.13米ドル/wmt101.04米ドル/wmt-18.7%原料炭193.82米ドル/トン266.06米ドル/トン-27.2%一般炭107.80米ドル/トン121.52米ドル/トン-11.3%
商品および市場見通し
BHPの経営陣は、マクロ経済状況、需給ダイナミクス、および世界的なメガトレンドを統合し、商品市場に関するの視点を提供しています。
銅 📈
短期見通し(2026年度): 市場は**「概ね均衡」**すると予想されます。
需要: 中国の需要の伸びは、関税や景気刺激策の影響が緩和されるにつれて、現在の高い水準から減速すると予測されます。
供給: この需要の鈍化は、米州、欧州、東南アジアにおける鉱山供給の減少や遅延によって相殺されると予想されます。
その他要因: 貿易障壁の増大による銅スクラップ貿易の潜在的な混乱は、一次(採掘)銅の需要を増加させる可能性があります。
長期見通し: ファンダメンタルズは引き続き**「魅力的」**です。
需要成長: 需要は、従来の経済成長、エネルギー転換(再生可能エネルギー、EV)、デジタル化(AI、データセンター)に牽引され、現在の約3,300万トンから2050年までには5,000万トン以上に成長すると予測されています。
価格設定: BHPは、銅価格が**10年間の終わりまでには「持続的なアウトパフォーム」**の段階に入ると予測しています。
供給制約: 2020年代後半には、まだコミットされていない新規鉱山供給が不可欠となります。経営陣は、新規鉱山のコストカーブが操業上および開発上の課題により急勾配になるため、必要な投資を奨励するには現在の水準から価格が上昇する必要があると考えています。
鉄鉱石 ⚖️
短期見通し: 2025年度下期に平均約100米ドル/dmtであったベンチマーク価格は、安定した需要に支えられています。
需要: 中国の強靭な需要は、不動産セクターの持続的な弱さを相殺する形で、インフラおよび製造業(特にエネルギー転換関連セクター)によって牽引されています。増大する貿易保護主義が世界の需要に重くのしかかる可能性があります。
供給: 海上供給は正常化すると予想され、これにより中国の港湾在庫が再構築されるはずです。
長期見通し: 見通しは**「より強靭」**と見なされています。
中国: 鉄鋼生産は2020年代後半まで10億トンレベルで停滞し、鉄スクラップの使用が増加するにつれて銑鉄生産は減少すると予想されます。
世界需要: 特にインドと東南アジアで需要が拡大するにつれて、海上貿易は多様化すると予想されます。
供給制約: 主要供給業者は、品位の低下と資源の枯渇により、生産を維持するための投資が必要となります。Wood Mackenzieは、2025年から2035年の間に海上市場で約2億5000万トンの稼働供給が枯渇すると推定しています。
原料炭 📉
短期見通し: 特に欧州と先進アジアからの海上需要の弱さにより、価格は下落しました。
需要: 中国国外の鉄鋼マージンの低迷により、製鉄所はプレミアム石炭の使用を減らしました。インドの銑鉄生産の増加が部分的に相殺しました。
供給: オーストラリアの供給回復は続くと予想されます。
長期見通し: BHPが生産するような高品質の石炭は、高炉の温室効果ガス排出量を削減する役割から、ますます高く評価されると予想されます。
需要: 今後数十年にわたり、インドと東南アジアで堅調な需要の伸びが予測されています。
供給制約: ほとんどの新規プロジェクトは中品質または低品質の等級であり、クイーンズランド州のロイヤリティ制度は「長期的な設備投資に適していない」ため、高品質石炭の希少性が増す可能性があります。
カリウム 🌱
短期見通し: 2025年度下期には、旺盛な需要と良好な手頃さから価格が上昇しました。市場は2026年度にはより均衡に近づくと予想されます。
長期見通し: 人口増加、食生活の変化、持続可能な農業の必要性といった世界的なメガトレンドから需要が恩恵を受けると予想されます。カリウムは**「他の商品よりも経済成長との相関が低い」**と見なされ、ポートフォリオの強靭性を提供します。
ニッケルとウラン
ニッケル: インドネシアからの強力な供給とOECD諸国での予想を下回るEV普及により、市場は短期的に供給過剰が続くと予想され、価格は下落傾向にあります。
ウラン(副産物): 市場は**短期的に「概ね均衡」**すると予想されます。核燃料バリューチェーンの非効率性(例:ロシア産燃料に対する米国の輸入制限)により、価格の上方変動が顕著になる可能性があり、これにより価格は高止まりし、BHPの銅事業の副産物収益を支えるはずです。
操業実績:生産量とユニットコスト
BHPは、主要商品全体で生産ガイダンスを達成または上回り、大幅なコスト削減を達成するなど、強力な操業実績を上げました。
生産量 vs ガイダンス
商品2025年度 生産量ガイダンス実績2026年度 ガイダンス銅2,016.7 kt(過去最高)ガイダンス達成1,800 - 2,000 kt鉄鉱石(WAIO)257 Mt(過去最高)ガイダンス達成251 - 262 Mt原料炭(BMA)18 Mtガイダンス達成18 - 20 Mt一般炭(NSWEC)15.04 Mtガイダンス超過14 - 16 Mtニッケル(WAN)30 kt該当なし(操業停止中)操業停止中
銅: 記録的な生産量は、17年ぶりの最高生産量(前年比+16%)を達成したエスコンディーダによって牽引されました。
鉄鉱石: **西オーストラリア鉄鉱石(WAIO)**は3年連続で記録的な生産量を達成しました。
ユニットコストとコストリーダーシップ
継続的なインフレにもかかわらず、BHPは主要資産全体のユニットコストを前年比でほぼ5%削減しました。この実績は、業界のコストリーダーとしての地位を強化するものです。
エスコンディーダ(銅): 18%という驚異的なユニットコスト削減を達成し、1.19米ドル/ポンドとなりました。
WAIO(鉄鉱石): 6年連続で世界最低コストの主要鉄鉱石生産者としての地位を維持し、C1コストは17.29米ドル/トンでした。
BMA(石炭): 生産性の向上はあったものの、天候や地質工学的な課題により、ユニットコストは127.50米ドル/トンに上昇しました。
BHPは、そのコストリーダーシップをBHPオペレーティングシステム(BOS)、生産性への絶え間ない注力、戦略的調達(チリでの100%再生可能電力の確保を含む)、規律あるプロジェクト実行に帰しています。労働力やプロジェクト資材に対するインフレ圧力は続いていますが、同社の内部対策はそれらを相殺する上で非常に効果的でした。
資本配分、キャッシュフロー、株主還元
BHPの財務戦略は、強固なバランスシート、高リターンの成長への投資、株主還元を優先する、規律ある資本配分フレームワーク(CAF)によって導かれています。
フリーキャッシュフローと純負債
フリーキャッシュフロー(FCF): 当社は2025年度に53億4200万米ドルのフリーキャッシュフローを生み出しましたが、これは2024年度の119億300万米ドルから減少しました。FCFは、事業運営、成長プロジェクトへの資金供給、および配当を支えるのに十分でした。
純負債: 純負債は2024年度の91億米ドルから2025年度末には129億米ドルに増加しました。これは、設備投資、ビクーニャ・プロジェクトの株式取得、および配当支払いが要因です。
新負債目標: 当社は純負債目標範囲を50億~150億米ドルから100億~200億米ドルに上方修正しました。これは、特に銅からの収益増加など、事業のファンダメンタルズが改善し、債務返済能力が向上したことを反映しています。現在の負債水準はこの新しい範囲内に十分に収まっています。
設備投資(Capex)
BHPは、未来志向の商品への焦点を強めながら、プロジェクトパイプラインを戦略的に再編成しています。
見通し: 設備投資は、2026年度および2027年度に約110億米ドルと見込まれています。中期予測(2028~2030年度)は、プロジェクトの再編成や一部の脱炭素化技術の遅れを主因として、年間10億米ドル削減され、約100億米ドルになります。
成長への焦点: 中期的な削減にもかかわらず、成長投資の割合は約40%に増加し、そのうち70%が銅プロジェクトに充てられます。
主要プロジェクト:
ジャンセン・カリウム(カナダ): ステージ1は68%完了し、初生産は2027年半ばに予定されています。しかし、インフレと生産性の課題により、資本見積もりは57億米ドルから70億~74億米ドルに増加しました。ステージ2は資本配分を最適化するため、2年間延長され2031年度となりました。
銅の成長: BHPはチリ(エスコンディーダ、パンパノルテ)と南オーストラリアで重要なプロジェクトパイプラインを有しており、2030年代を通じて年間約0.5 Mtpaの銅生産を追加することを目指しています。
鉄鉱石の強靭性: 計画的な更新期間中の生産の強靭性を維持するため、ポートヘドランドに6番目のカーダンパーへの9億米ドルの投資が承認されました。これは即時の増産を目的としたものではありません。
配当
方針: BHPは、基礎的帰属利益の最低50%を配当する方針を維持しています。
2025年度配当: 取締役会は、1株あたり110米セントの年間配当を決定し、株主に56億米ドルを分配しました。
配当性向: これは55%の配当性向に相当し、最低方針コミットメントを上回っています。この決定は、強力な操業実績と予想を上回る市場見通しに基づいています。
アナリストの懸念と経営陣の回答
決算説明会では、アナリストはプロジェクトのコストとスケジュール、資本配分、ポートフォリオ戦略について経営陣に質問しました。
ジャンセン・カリウム・プロジェクトの予算超過について
アナリストの懸念(RBC Kaan Peker氏、バンク・オブ・アメリカ Jason Fairclough氏): アナリストは、ジャンセン・ステージ1の大幅なコスト超過と遅延に深い失望を表明しました。彼らは、インフレによるものか設計変更によるものか、原因の詳細を求め、BHPの請負業者管理のアプローチについて問いただしました。
経営陣の回答(マイク・ヘンリーCEO): ヘンリー氏は、このプロジェクトが**「苛立たしく、残念」**であり、BHPの高い基準を満たしていないことを率直に認めました。彼は資本の増加を主に次の2点に帰しました:
インフレ: 「COVID後にコストがかなり急速に上昇した」こと。
生産性: 地上建設作業における生産性に関する「当初の過度な楽観主義」。
彼は、問題が大幅な設計変更に関連するものではないと明確にしました。経営陣は、長期的な操業コスト(Opex)ガイダンスである105~120米ドル/トンに自信を示し、ステージ1からの学びがステージ2の実行改善に体系的に適用されていると保証しました。
資本配分と配当について
アナリストの懸念(Drummond Knight Lindsay Taylor氏、Berenberg Richard Hatch氏): アナリストは、修正されたより高い純負債目標範囲(100億~200億米ドル)の意味合いについて質問しました。彼らは、これが最低配当を上回る配当のための余剰資本を示唆するのか、また2025年度の配当が同年度のフリーキャッシュフローを上回ったことへの懸念を表明しました。
経営陣の回答(マイク・ヘンリーCEO): ヘンリー氏は、配当が単にバランスシートの余力によるものではなく、**「非常に強力な基礎的操業実績」と良好な市場見通しによって推進されたものであると断言しました。彼は、BHPが「最低配当を上回る配当を支払うために借り入れをすることはない」**と断固として述べました。修正された負債範囲は、事業の能力向上を反映しており、サイクルを通じて成長プロジェクトに投資するための柔軟性を提供します。
WAIOの6番目のカーダンパーと拡張について
アナリストの懸念(ゴールドマン・サックス Paul Young氏、モルガン・スタンレー Rahul Anand氏): アナリストは、新しいカーダンパーが主に強靭性のためのものであるにもかかわらず、その高い内部収益率(IRR)(30%)について質問し、この投資が330 Mtpaへの即時拡張を意味するのか尋ねました。
経営陣の回答(マイク・ヘンリーCEO): 高いIRRは、新しいダンパーがなければ、2029年から始まる既存ダンパーの大規模な計画的改修中にシステムが大幅な生産打撃を受けるため、正当化されると説明しました。この投資は、305 Mtpaの生産率を確実に維持するために不可欠です。330 Mtpaへの拡張オプションは依然として魅力的ですが、最終決定は急がれておらず、Simandouからの新規供給を含む市場の見通しに依存します。
BMA石炭資産の将来について
アナリストの懸念(マッコーリー Rob Stein氏、バンク・オブ・アメリカ Jason Fairclough氏): アナリストは、BMA石炭資産の低い投下資本利益率(ROCE)と困難なクイーンズランド州の税制を考慮した将来について質問し、BHPがAngloの入手可能な原料炭資産を取得することを検討するかどうか尋ねました。
経営陣の回答(マイク・ヘンリーCEO): ヘンリー氏は、高品質の原料炭が脱炭素化に役割を果たすとの見方を繰り返しました。しかし、彼は重要な戦略的声明を行いました:「BHPは、コストとリスクの両面から、クイーンズランド州に成長投資は一切行わない。」 彼は、最近の生産減少は、高コストのピットへのエクスポージャーを減らすための意図的な「ポートフォリオ形成」の一環であり、BHPはこれ以上の石炭資産の取得に関心がないと説明しました。
CEOの将来の目標について
アナリストの懸念(Liam氏): あるアナリストが、マイク・ヘンリーCEOに、退任する可能性のある前に主要な目標は何かと尋ねました。
経営陣の回答(マイク・ヘンリーCEO): ヘンリー氏は、BHPオペレーティングシステム(BOS)を通じて運用規律を浸透させ、強力な成長オプションのポートフォリオを構築したことに満足感を表明しました。彼は、特に銅とカリウムにおけるこの成長の価値を解き放つ上で、「楽しいことの多くはこれからだ」と述べ、これが10年間の後半に強力なキャッシュフローと株主還元につながるとの期待を示しました。
注意事項
このまとめは参考用資料として、NotebookLMとGeminiより生成した物です。
おまけ
雑談なんだけど、正直言って、NotebookLMで抽出した資料は半分も使ってないんだよね。 ざっくりした「まとめ」にはなるけど、元の資料をしっかり読みたい身からすると、どうしても物足りなく感じるかな。
今回、2年ぶりにBHPの資料を読んでみたら、これがめちゃくちゃ面白かった。資源株の業績って資源価格に左右されるし、設備投資(CapEx)の回収に時間がかかるから、株式投資には向いてないって言われるけどね(笑)。
分からないところをAIに質問して、すぐに解説してもらえるのが、前回読んだ時と比べて一番大きな変化だったよ。

