特例承認乱発への危惧について

中外製薬がロナプリーブを予防投与、無症状感染者への適応拡大を申請した、という。抗インフル薬と同じパターンだ。

予防薬、および無症状の感染者に対する治療薬への適応拡大申請
・皮下投与の用法追加を申請
・新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の濃厚接触者を対象とした海外第III相臨床試験成績、投与量・投与方法の検討を目的とした海外第II相臨床試験成績および日本人を対象とした国内第I相臨床試験成績に基づく申請
・特例承認の適用を希望した申請

皮下投与か、痛そうだな・・・いまだに「無症状」の「感染者」という言葉に違和感しか感じないな・・・

それにしても、特例承認ですか。まあ、ワクチンと違って治療薬なので、有症状患者に対する特例承認に関してはやむを得ないと思う。私自身も、治療選択肢が増えるという点で、むしろ早急な承認は有難いと感じることはある。当然、その分リスク評価は甘いし、製薬会社の動機はあくまでも「利潤追求」なので、乱発すべきでないのは言うまでもない。文字通り「特例」であるべき。なので今回のように、予防や無症状患者まで使用を認めるとなると、少しタガが外れて過ぎやしませんかね?と感じてしまう。

そもそも特例承認とは何か?「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」を今更だが再確認しておく。長く回りくどいので、一部略したり、太字で協調したりしている。全文は👇

特例承認については「第十四条第三項・・・・次の各号のいずれにも該当する医薬品として政令で定めるものである場合には、厚生労働大臣は、同条第二項、第六項、第七項及び第十一項の規定にかかわらず、薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて、その品目に係る同条の承認を与えることができる。
一 国民の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがある疾病のまん延その他の健康被害の拡大を防止するため緊急に使用されることが必要な医薬品であり、かつ、当該医薬品の使用以外に適当な方法がないこと。
二 その用途に関し、外国(医薬品の品質、有効性及び安全性を確保する上で我が国と同等の水準にあると認められる医薬品の製造販売の承認の制度・・・を有している国として政令で定めるものに限る。)において、販売し、授与・・・することが認められている医薬品であること。」とのこと。では、その第十四条第二、六、七、十一項とは何か?

第十四条の第二項「次の各号のいずれかに該当するときは、・・・承認は、与えない。・・・・第三号 申請に係る医薬品・・・の名称、成分、分量、用法、用量、効能、効果、副作用その他の品質、有効性及び安全性に関する事項の審査の結果、その物が次のイからハまでのいずれかに該当するとき。イ 申請に係る医薬品・・・が、その申請に係る効能又は効果を有すると認められないとき。ロ 申請に係る医薬品・・・が、その効能又は効果に比して著しく有害な作用を有することにより、医薬品・・・として使用価値がないと認められるとき。(ハは略)」

第三項「・・・承認を受けようとする者は・・・、申請書に臨床試験の試験成績に関する資料その他の資料を添付して申請しなければならない。・・・当該資料は、厚生労働省令で定める基準に従つて収集され、かつ、作成されたものでなければならない。」

第六項「・・・審査においては、当該品目に係る申請内容及び第三項前段に規定する資料(筆者注 臨床試験の試験成績に関する資料のこと)に基づき、当該品目の品質、有効性及び安全性に関する調査・・・を行うものとする。・・・あらかじめ、当該品目に係る資料が同項後段の規定に適合するかどうかについての書面による調査又は実地の調査を行うものとする。」

第七項は製造、品質管理に関する規定なので略

第十一項「厚生労働大臣は、・・・申請に係る医薬品・・・が、既に・・・承認を与えられている医薬品・・・と有効成分、分量、用法、用量、効能、効果等が明らかに異なるときは、・・・薬事・食品衛生審議会の意見を聴かなければならない。」

要するに、特例承認は「緊急性と必要性が高くて他の先進国でも使用されている薬なら、臨床試験のデータがそろってなくても、承認しますよ。その際は、ある程度の考え得るリスクについても目をつぶりますよ。」という理解でよさそうだ。うーん、これは重症患者及び重症化リスクの極めて高い患者や、難治性疾患に罹患した患者に対してのみ認められるべきもの、と考えるのが常識と思うのだがな・・・でも、どうせ承認されるのだろう。もし保険適応されたら、タミフル等の予防投与(保険適応外)以上の扱いになる訳か。

まあ、そもそもワクチンで「特例」を認めてしまった時点で、既にタガは外れ切ってユルユルになっていたのだ。だから、もう何でもありだわな。ほら、製薬会社がどんどん暴走し始めてるよ。もう止めれないよ、どうするの?


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