見出し画像

育児が理由で仕事を取られ続けたワーママが、異動願いを出すまで

4年前、育児を理由に、長年担当していた仕事を外された。

「仕方ないよね、子どもが病気だったら休まなきゃいけないもんね」と自分を説得したけど、全然納得できなかった。
あの日から、わたしの中に溶けない氷ができたように思う。

それでも、やる気を出して別の業務に取り組んだ。
限られた時間のなかで効率化を進め、手順書を整え、みんなが使いやすい仕組みをつくった。
ようやく軌道に乗った1年前——またその仕事も、同じ若い子に渡された。
「あの仕事やったことないのでやってみたいです!」という理由で。

わたしは気づいた。
「わたしは、軌道に乗せるまでの人なんだ」と。

やる気を失っても、また頑張れる仕事を探す自分がいた。
でも心の奥では、やっぱり大きな氷ができていた。

わたしは決して「やる気がない人」じゃなかった。
むしろ、やる気はありすぎた。
限られた時間で育児と両立するために、誰よりも効率を考え、共有化して、無駄を減らしてきた。
本当はひとりでやりたいタイプだけど、チームがまとまるようにコミュニケーションも頑張ってきたし、
たくさん勉強して、システム部門と連携したり、オートメーション化だってしてきた。
属人化している業務があれば、時間をかけて懐に入り込んでヒアリングをし、みんなが納得する形でマニュアル化するのが得意だった。

それがいつのまにか「引き継ぎやすい人」という評価になっていた。
成果を出しても、そのたびに若い子にバトンを渡す役割になっていたのだ。

「育児中だから仕方ないよね」。

育児中だから若い子に譲らなきゃいけないよね。
何度も言い聞かせた。
けど、納得できなかった。

2回目に仕事を取られたときは、それはそれは深い落ち込みだった。
なぜなら、その仕事はわたしの入社動機の仕事だったからだ。
若い子が「それやってみたい」みたいなノリだったのも余計心が軋んだ。

正直、まだ落ち込んでいる。
ずっとトンネルの中で彷徨っている気持ちだ。

前の業務をクビになってから、1年かけて頑張ってきた、大きなプロジェクトがある。デスマーチすぎて何人も退職者が出て、とても苦心したプロジェクトだ。
それが来週、一段落つく。
ということは、わたしはまたお役御免となりそうなのだ。

こわい。
心の中の氷がぎしぎしと音を立てている。

やさぐれたわたしに、他部署の先輩が言ってくれた。
「あなたはモチベーション高く、たくさんのものを積み上げてきた」
直属の上司より上の上司も言ってくれた。
「限られた時間の中で創意工夫してきたこと自体が立派なキャリアだから誇っていいんだよ」

わたしは保育園へお迎えに行く車の中で泣いた。
やっと認めてもらえたという安堵と、それでもどうしても悔しいという気持ちで泣いた。
目の周りが真っ黒になるほど泣いた。

そして昨日、
入社動機だった業務のために勉強してきた自分の資料を、全部捨てた。
デスクの奥から出てきた書類は、全部で10センチほどの厚さだったと思う。高いお金を出して買った本も捨てた。
もう戻ってこない仕事。憧れだったけど、もう終わり。
シュレッダーをかけた瞬間は、気分が晴れた。
氷ごと捨ててやった気分だ。

でも、家に帰ったらまた暗い気持ちになって、noteも書けなかった。

夜は、眠れなかった。

今日は、異動希望を出してきた。
通るかはわからない。わたしはまだ今の部署では便利で、使い勝手があると思うから。

今日も、保育園へ迎えに行く車の中で泣いた。
金曜日、前の業務チームの人たちと飲みに行く予定だった。もちろん、仕事を引き継いだ若い子も一緒に。
わたしが知らない、今とりかかっている仕事の話をするんだろう。
その業務やチームの人を嫌いになったわけじゃないから、笑ってお酒を飲むつもりだったけど、無理だと悟った。
わたしがいたかった場所に、あの子がいる。

隣のデスクなのに、いつも遠いところから見ている気分だった。

みにくい嫉妬をしている。
本当に滑稽だ。

明日の朝には、飲み会を断ろうと思う。
子どもたちには悪いけど、「育児」を理由にして。

嫉妬はまだ手放せていないけど、
ひとつの夢は捨てた。

また新しくやりたいことを見つけなきゃ。


そんな再出発の話。

いいなと思ったら応援しよう!

こはる|3人育児ワーママ@マミートラック中 いただいたチップは、インプットのために使い、みなさんに知識と経験で還元します!