【山歩日記】大霧山・彩の国ふれあい牧場・天空のポピー
台風明けの曇り空の下で
大霧山は、埼玉県東秩父村と小川町にまたがる標高約767メートルの山。 登山道はよく整備され、斜度も緩やかで、植林帯と雑木林が交互に現れる、歩きやすい里山のコースです。
台風一過とはいかず、空はまだ曇りがち。 湿り気を帯びた森の中を進むと、斜面にはかつて薪炭林として利用されたスギやヒノキの植林帯が広がり、規則正しく並ぶ木々の静けさに、どこか厳粛な気持ちが湧いてきます。

植林帯を抜けると、ふっと明るさが戻り、雑木林の柔らかな光が迎えてくれました。 コナラやクヌギの葉は光を透かし、淡い色を揺らしています。 あちこちに大木のエゴノキが立ち、白い花が満開で、はらはらと舞い落ちる花びらが登山道を白く染めていました。 足元には枯葉やヒノキの球果の上に、白い花が静かに積もっています。 途中、カラカサタケの姿にも出会い、森の湿り気が育む命の気配を感じました。


やがて頂上が近づくと、草原が広がり、視界が急に開けます。 曇り空の下でも、秩父の山並みは幾重にも重なり、大きなパノラマが静かに息づいていました。 山頂に立つと、雲が多い空を惜しみつつも、広がる景色の奥行きにしばし見入ります。


惜しむらくは雲多めの空です

彩の国ふれあい牧場ののどかさ
大霧山の麓には牧草地が点在し、彩の国ふれあい牧場(秩父高原牧場)では、放牧された牛たちがゆったりと草を食んでいました。 乳製品の販売所や展望スペースもあり、ソフトクリームを味わいながら遠くの山並みを眺めていると、時間がゆっくりと溶けていくような幸福感が広がります。


天空のポピー ~真っ赤な赤い花の絨毯
大霧山の北側、秩父高原牧場の一角に広がる「天空のポピー」。 標高500〜600メートルの高原に、約1,500万本もの真紅のポピーが風に揺れています。 赤の中に淡いピンクの花がところどころ混じり、その揺らぎは、遠い国の草原を思わせるようでした。 トルコの赤いポピーの野原も、きっとこんな風に風をまとっているのだろうと、想像が静かに広がります。 花はやや盛りを過ぎていましたが、風に透ける花びらの軽やかさは際立っていました。

赤い絨毯が揺れているようでした


天空のポピーを楽しんだ後、ふと空を見上げると青空が広がっていました。
今日も楽しい山歩きでした。
