相続した空き家と2つの「3年」|相続登記と3,000万円控除【これは専門家の個別助言ではなく、公的情報を整理した記事です】
① 「実家、どうしよう」を放置しているのは、あなただけじゃない
親が住んでいた家。誰も住まなくなって、もうずいぶん経つ。そのことが、頭の片隅にずっと引っかかっている。「そろそろ何とかしないと」とは思っている。でも、何から手をつければいいのか分からない。役所に行けばいいのか、不動産屋に相談すればいいのか、それとも税理士さんにお願いするべきなのか。調べようとネットで検索してみても、専門用語ばかりが並んでいて、途中で疲れてしまって画面を閉じてしまう。そうしているうちに、また数ヶ月が過ぎていく。
実は、こうした状況にいる方は、決して少なくありません。総務省の調査によれば、全国の空き家の総数は900万戸を超え、過去最多を更新しているそうです。その中でも、賃貸や売却の予定もなく、ただそこにある「使われていない空き家」は385万戸にのぼるといいます。あなたの実家も、そのうちの一軒なのかもしれません。
さらに言えば、兄弟姉妹で相続した実家の場合、名義がそのままになっていることで、いざ売ろうとしたときや解体しようとしたときに、相続人全員の合意が必要になり、手続きが思うように進まない——というケースもよく聞かれます。「うちだけが特別に面倒な状況にある」わけではなく、多くの家庭が同じところでつまずいているのです。
② 調べても答えにたどり着けなかった理由——実は2つある「3年」
ここまで読んで、「まさに自分のことだ」と感じた方もいらっしゃるかもしれません。
では、なぜこれだけ多くの方が同じ悩みを抱えているのに、自分で調べてもなかなか答えにたどり着けないのでしょうか。
実はその理由のひとつは、まったく別の2つの制度に関する注意事項の中の「3年」というキーワードが、混同されたまま語られているせいで、混乱を招いているからです。片方は名義変更にまつわる話、もう片方は売却したときの税金にまつわる話。窓口も違えば、期限の数え方も違います。それなのに、どちらも同じ「3年」という言葉で語られてしまうために、調べれば調べるほど、自分がいったいどちらの話を読んでいるのか分からなくなってしまう。これは、あなたの調べ方が悪かったわけでは決してありません。
もうひとつの理由は、この2つの制度が、法務局・市区町村・税務署という、それぞれ別の窓口にまたがっていることです。1つのサイトや1つの記事だけでは、全体の流れがどうしても見えてこない。しかも、「遠方に住んでいて、実家まで頻繁に足を運べない」という方にとっては、どこまでが現地に行かなくても進められる手続きなのかも、なかなか分かりません。
この記事では、この「2つの3年」をきちんと切り分けたうえで、遺産分割から相続登記、必要書類の取得、売却、確定申告まで、実際にどの順番で、何を、いつまでにやればいいのかを、ひとつの時系列としてまとめています。読み終える頃には、今のあなたの実家がどの段階にあり、次に何をすればいいのかが、はっきり見えているはずです。
それでは、ここから先で、その中身を順番にお話ししていきます。
※本記事は、法務局・国税庁・国土交通省などの公開情報をもとに調べてまとめたものです。税理士・司法書士としての助言ではありません。実際に手続きを進める際は、最終的に法務局・税務署、または専門家に個別の状況をご確認ください。
※個別のケース(建物の状態・相続人の関係・自治体ごとの運用差など)によって、結果が変わる可能性がございます。予めご了承ください。
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