裏お題 好き化粧

ある年のバレンタイン、瑞稀は手鏡片手になにか悩んでいた。

「今日くらいちゃんとしたい…」

「朝比奈は朝から何してるの?」

生徒会室で資料にハンコを押しながら悠人が話しかける。

「前髪が決まんなくて」

「朝比奈は今のままで充分だと思うよ」

ハンコのインクが紙に濃く滲む。

「え?何それ…」

悠人の屈託のない言葉に瑞稀は口こもる。

「あ、あのさ、あんたって誰かからチョコ貰うの?」

瑞稀はショートの髪を少しいじり手鏡をしまう。

「ないよ…椿先輩くれないかな」

ハンコのインクが薄く滲む

「あっそ‥今日生徒会くる?」

「いくよ」

放課後になり瑞稀はまた前髪をいじりやっと納得したのか、生徒会室の扉を開ける。

「皆には内緒だよ‥」

扉を開けると、椿と悠人と目が合う。

「ってバレちゃったね」

椿が悠人に可愛く包装されたチョコレートを手渡していた。

「ありがとうございます!」

包装を見つめ、椿に視線を返す悠人

瑞稀はわざと前髪を崩し、自分の持つ包装の中の複数のチョコから形の良い一つ取り出した。

「悠人、これ義理だけどあげる」

「朝比奈も?ありがとう」

自分の気持ちがバレないように、精一杯繕う。
瑞稀は包装に封をして、バッグにしまった。

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ご愛読ありがとうございます!化粧って大体装い飾るってことだそうです。今回は瑞稀ちゃんが気持ちに化粧するお話にしました。
次回も良ければ是非!

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