⏳️「一ノ瀬結衣の『氷の微笑』観測日記」 ⏳️Vol.26 5つ星ホテルの裏側で、今日もコンビニ食
皆様こんにちは‼️ 柊紅葉です。
一流ホテルのフロントに勤める一ノ瀬結衣。
毎日多忙で、足がパンパンになる。
楽しみといえば、コンビニでデザート、揚げ物、麺類、
そうです。食べることです。
もう一つは、毎日書き留めている、日記。
これから、毎日。彼女には、内緒でご紹介させて頂きます。うふふ♥️
一流は、それなりに苦労するのでしょう。💦
皆さん、彼女の愚痴を是非、聞いてあげて下さい。😅
♥️ 柊紅葉 ♥️
✨プロフィール✨
名前: 一ノ瀬 結衣(いちのせ ゆい)
年齢: 28歳
職業: 都内外資系 5つ星ホテル「ザ・ロイヤル・オーキッド東京」
フロントクラーク(勤務4年目)
外見: 身長172cm。すらりとした長身で、
制服のタイトスカートを颯爽と着こなす。
同僚からは「モデル並みのプロポーション」と羨まれるが、
本人は「肩幅が広くて可愛げがない」と
少しコンプレックスに思っている。
髪は夜会巻きで隙ひとつないが、
家ではボサボサのまとめ髪にスウェット。
性格: 表(仕事): 冷静沈着、完璧な敬語、常に微笑みを絶やさない
「氷の微笑(アイス・ビューティー)」。
裏(日記): 毒舌、庶民派、実はかなりの食いしん坊。
理不尽なゲストへの愚痴を日記に叩きつけることで
精神の均衡を保っている。

2026年1月17日(土)重力への反逆と「仮面」の装着
午前6:30
スマホのアラームが鳴る。

スヌーズ機能との攻防戦は3回目で敗北。
布団から出るのが物理的に苦痛なほどの寒さだ。
今日は大安。
一年で最もホテルが
「戦場」と化す日の一つだと分かっているからこそ、
体が重力に逆らうのを拒否している。

洗面台の鏡に向かい、
死んだような目の自分と対峙する。

化粧水で肌を叩き起こし、
ファンデーションで
「一ノ瀬結衣」という名の仮面を丁寧に塗り固める。

これは身だしなみではない、
武装だ。
午前8:00
戦場への入場 従業員通用口をくぐる。
タイムカードを通した瞬間、
私の中のスイッチが強制的に切り替わる。

ロッカールームで制服に着替え、
髪を夜会巻きにセット。

スプレーで固めた髪は、
強風が吹いても、
客に怒鳴られても、
1ミリも崩れない。
パンプスに足を突っ込み、
カツカツと廊下を歩く。

よし、行ける。
午前11:00
予想通り、
ロビーは幸せの供給過多で窒息寸前だった。
チャペルから響く鐘の音、
フラワーシャワーの歓声。
新郎新婦もゲストも、
この世の春を謳歌している。

けれど、
インカムのイヤホンから聞こえるのは地獄の釜の底のような声だ。
『披露宴会場B、お色直し巻きで!あと5分!』
『配膳、スープが冷めるわよ!ランナー走って!』
私はロビーの定位置で、
いつもの「涼しい顔」を貼り付けて立つ。

マイクのスイッチを切り替え、
低めのトーンで裏方へ指示を飛ばす。
「3階エレベーター、新郎新婦移動のため、
今から2分間一般利用をストップ。確保します」
優雅に泳ぐ白鳥の水面下の足掻き。
誰にも気づかれてはいけない、
私たちの秘密のダンス。

午後14:30
ようやく休憩。
といっても20分しかない。
バックヤードの休憩室は、
死屍累々の有様だ。

皆、スマホを見る気力もなく、
虚空を見つめて栄養補助食品を吸っている。
私もおにぎりを一つ、
味もわからず胃に流し込む。
これは食事ではない、
午後の戦闘のための燃料補給だ。
足のむくみが限界を超え始めている。

午後16:00
トラブル発生。
披露宴で酔っ払った親族がロビーで大声を出し始めた。
「お客様、お水をお持ちしました」 笑顔で近づき、
他のゲストの視線を遮るように誘導する。
丁寧かつ迅速に、しかし威圧感はゼロで。

「君、気が利くねえ」と肩を叩かれそうになるのを、
マトリックスのような動きで華麗にかわす。
作り笑いで頬の筋肉が痙攣しそうだ。

午後21:45
業務終了。
外はすっかり夜の闇に包まれている。
ロッカールームに戻り、
パンプスを脱いだ瞬間、
「ふあぁ」と声にならない声が漏れた。

足の裏がジンジンと熱を持っている。
制服を脱ぎ、夜会巻きを解くと、
頭皮が一気に呼吸を始めた気がした。
鏡の中の私は、
朝よりも幾分やつれているが、
目には「終わった」という安堵の光がある。

午後22:15
冷たい夜風が火照った頬に心地いい。
今の私に、
丁寧な暮らしをする資格はないし、
気力もない。
帰り道、吸い寄せられるようにコンビニへ入る。

明るい蛍光灯の下、
棚に並ぶ商品をぼんやり眺め、
手に取ったのは「ブリトー(ハム&チーズ)」。
これだ。
今の私が求めているのは、
このジャンクで、
濃くて、わかりやすい味だ。
ついでにビールもカゴに入れる。

午後22:40
帰宅。
ブリトーを電子レンジに放り込む。
静まり返った部屋に響く「チン」という音。
それが、今日一日の終了を告げる救いの鐘に聞こえた。

熱々のチーズを頬張り、
ビールを一気に煽る。
「くぅ……」 喉鳴りと共に、
張り詰めていた緊張の糸が溶け出す。
今日のどの花嫁の輝きよりも、
今の私にはこのチーズの塩気が尊い。

一ノ瀬結衣、28歳。
お風呂に入り、
今夜は深く安らかな眠りに身を委ね、
明日という新たな舞台の幕開けに備えよう。

今日の自分、お疲れ様。

お休み。 私。
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