Linux赤ちゃん、中古FMVをMint化した話

10月に、Windows10のサポートが終了した。

3年前に中古で買ったノートPCは、CPUがCore i5の第7世代で、Windows11のシステム要件をギリ満たしていない。
仕方ないので、新しいノートPCを買った。

とはいえ、3年前に買ったばかりのノートPCは今でもサクサク動く。
このまま放置したり捨てたりするのは、どうにも忍びない。

そういえば最近、ネットで「Windows10のサポート終了でOSを乗り換えよう」って話を見かける。

じゃあ、私もこのタイミングでOSを乗り換えてみるか――
そんな軽い気持ちで始めたのが今回の話。


まずはOS選びから。

新しいWindows11PCはもうあるから、このFMVの用途としてはブラウジングができれば十分だろう。

できれば、使い勝手はWindowsに近いほうがいい。

それともう一つ。
このFMV、ドスパラ中古で買った時からすでにWi-Fiが壊れてて、USBのWi-Fiアダプタ(Realtek8811CU)が付属していた。
だから、このアダプタが使えないと話にならない。

調べてみると、「Linux Mint(Cinnamon版)」はWindowsユーザーが違和感なく移行できて、しかも8811CUのドライバーも比較的入れやすいらしい。

――というわけで、新しいOSは「Linux Mint」に決定した。


■ USB インストールメディアを作る



まずは Linux Mint を入れるための USB を作るところから。

Mint の公式サイトから ISO イメージをダウンロードして、Windows 側で Rufus を使って書き込む。
ここまではよくある手順なんだけど、実際にやってみると細かいところでちょっと迷う。

Rufus で ISO を選ぶと、
「このまま書き込むと USB の中身が全部消えます」
みたいな警告が出る。
まあ空の USB を使っているので問題はないんだけど、やっぱり少し緊張した。

書き込みが終わったら、USB の中身を一応チェック。
フォルダ構成が Mint の公式ドキュメントと同じかどうか確認して、
「大丈夫だろう」と自分に言い聞かせる。

次は FMV に USB を挿して電源オン。
F12 を連打してブートメニューを開くと、ちゃんと USB が認識されていた。
Mint のロゴが出て、ライブ環境が立ち上がる。
黒い背景の左上に「Install Linux Mint」のアイコンが一つだけ。
いい感じに進んでいる。

---

■ Linux Mint を本体にインストールする



ライブ環境が立ち上がったら、いよいよ本番のインストール作業に入る。

Mint のデスクトップにある「Install Linux Mint」をクリックすると、
言語選択 → キーボード → インストール方法…と淡々と進んでいく。
このあたりは Windows のセットアップよりもシンプルで、迷うところはほとんどない。

ストレージのパーティションも、この FMV は Mint 専用にするつもりだったので、迷わず
「ディスクを削除して Linux Mint をインストール」 を選択。

インストールが始まると、Mint の紹介スライドが流れ始める。
“軽い”“シンプル”“初心者に優しい” といった文言が並んでいて、
「まあ確かに、ここまでの流れはすごく分かりやすいな」と思いながら眺めていた。

進行バーがゆっくり進んでいく。

20分ほどでインストールが完了し、
「インストールが完了しました。再起動してください。」
というメッセージが表示される。

USB を抜いて再起動すると、Mint のロゴが表示され、
そのまま Cinnamon デスクトップが立ち上がった。

「おお、ちゃんと入った。ここまでは意外と順調だな」

微妙に違うけれど、「Windows ユーザーでも違和感なく」と言われるだけあって、デスクトップの見た目はやはり Windows に近い。
殺風景な Mint のデスクトップを見て、久しぶりに“クリーンインストール感”を味わった。
しばらくすると、必要なパッケージがずらっと並んでインストールされていく。
Windows の“インストールバー”とは違う、
淡々と文字が流れていく感じ、これが”Linux”か--。

■ build-essential と dkms をインストールする



Mint のデスクトップが立ち上がったら、次にすべきは Wi‑Fi ドライバーのインストール。
これを調べるのがなかなか大変だった。「linux mint 8821cu ドライバー」で検索すると色々ヒットはするんだが、やり方がサイトによってバラバラで、どれを使って良いのやら分からない。

とりあえず、直感で自分の環境と似ていそうな書き込みを参考に進めてみる。

Mint は標準で 8811CU をサポートしていないので、
GitHub のドライバーを入れる必要があるらしい。

が、その前に、ドライバーをビルドするためのツールを揃えないといけないらしい。

……気が遠くなる。

Mint のメニューから「端末」を開いて、
まずは build-essential と dkms をインストールする。


sudo apt install build-essential dkms 


と入力して Enter。
Linux ではおなじみのコマンドらしいが、Linux 赤ちゃんの私は、大丈夫かどうかすら分からない。

インストールが終わると、端末が静かになる。

どうやら、ドライバーを入れる準備は整ったようだ。

この、説明書(今はネットだけど)頼りの、不安だらけのセットアップ。
本当に久しぶりの感覚だ。
この時点でもう、だいぶ楽しくなっていた。

■ GitHub の 8811CU ドライバーを dkms でインストールする



build-essential と dkms を入れたら、次はいよいよ本命の
Realtek 8811CU ドライバーの導入に挑む。

ここが今回のセットアップで一番の難所だった。

まず、Mint は標準で 8811CU をサポートしていない。
だから、GitHub にある有志のドライバーを拾ってきて、自分でビルドして入れる必要がある。

……といっても、Linux ビギナーの自分には「ビルド」という言葉だけで不安になる。

検索すると、

• 8811CU
• 8821CU
• 88x2bu


など似たような数字のドライバーが大量に出てきて、ピタリ一致するものを探すのがしんどい。

Mint のバージョンと自分の USB アダプタの型番が一致していそうなリポジトリを選んで、思い切って clone してみる。

端末で:

git clone https://github.com/morrownr/8821cu-20210916.git

これで"git"がつかえるはず。

cd 8821cu-20210916
sudo ./install-driver.sh
sudo reboot



……と、ネットの情報を頼りに順番に実行していく。

誤入力を何度か挟んでようやく出来た
……のか?

試しに USB アダプタを挿し直し、Firefox を起動してみる。

「……おお、つながった!」

Mint のセットアップで一番心配していた部分が、ようやくクリアできた。

最近の Windows では味わえない “自分で積み上げていく感じ”。
この大変さと達成感が、楽しくてしょうがない。



■ 日本語入力(Mozc)の設定


Firefox で検索しようとしたら、日本語が打てない。
「日本語入力も入れないといけないのか……」

仕方なく「linux mint 日本語入力」で検索する。
ibus、fcitx5、mozc……など、見慣れない単語がずらっと並ぶ。

うむ、わからん。

Mint の日本語入力は、Windows のように最初から“普通に使える”わけではないらしい。
どうやら Fcitx5 + Mozc を入れるのが今の主流っぽい。

とりあえず、Mint のメニューから「言語サポート」を開いてみる。
すると、画面の上のほうに小さく

「キーボード入力メソッドが設定されていません」

と出ている。
なるほど、これが原因か。

sudo apt install -y fcitx5 fcitx5-mozc fcitx5-configtool


と入力してインストール。

しばらくすると、ツールバーの右に小さなキーボードのアイコンが現れた。
どうやら Fcitx5 が入ったらしい。

次に、Fcitx5 の設定画面を開いて「入力メソッドの追加」を押す。
一覧の中から mozc を選んで追加。

これで日本語入力が使えるようになる……はず。

試しに Firefox を開いて、検索窓にカーソルを置き、
半角/全角キーを押してみる。

「あ、打てる」

ようやく日本語が入力できるようになった。
Windows では当たり前すぎて意識すらしなかった“日本語入力”が、
Linux ではこうして自分で整えていく必要があるのか。

Mint のデスクトップに、ようやく自分の言葉が打ち込めた。


◾️Firefoxの翻訳ポップアップを無効化


ウキウキしながらFirefoxでネットを徘徊してたら、毎回、ポップアップが出てきて、
“Translate this page?”
って聞いてくる。
「なんで日本語設定にしたのに、日本語のサイトを英語に訳すか聞いてくんだよ」と苦笑しながら「Firefox 翻訳ポップアップ 消す」で検索。

検索してみると、どうやら Firefox には 「組み込みの翻訳機能」 があり、
アドオンが無くても ページを翻訳するかどうかのポップアップが出ることがあるらしい。

つまり:

• アドオン → 無い
• 組み込み翻訳 → 有効
• だから毎回「翻訳しますか?」が出る


という状態のようだ。

しかも、私のMint 版 Firefox では、
設定画面に「翻訳の提案をオフ」が出ないっぽい。

なので
1. アドレスバーに入力

about:config
Enter→「危険性を承知の上で進む」を押す。



2.検索欄に入力

browser.tranlations




3. 次の2つを “false” に変更

• browser.translations.enable → false
• browser.translations.automaticallyPopup → false


の方法を試してみる。
「危険性を承知の上で進む」のワードにビビったが、「やれ」って書いてあるんだからやるしかないし、最悪でも半日かかった労力が無に帰すだけ(涙)と割り切って、やった。

ようやく翻訳ポップアップは完全に出なくなった。



◾️Thunderbirdを日本語設定にしたい


最後はメールだ。
Thunderbird を起動して、メールアドレスとパスワードを入力して……って、あれ?

「これも英語かよ!?」

「会社の Thunderbird は日本語なんだがなあ」などと無意味な疑問を抱きながら、
「Thunderbird 日本語設定」で検索。

無茶苦茶見つけるのに苦労しつつ、ようやく
「Thunderbird の言語パックは apt で入れる」
という情報に辿り着く。

sudo apt install thunderbird-locale-ja

このコマンドを入力して、Thunderbird を再起動。

「おお。みれた!」


・・・気づけばもう夕方 6 時。晩飯の時間だ。とりあえず、明日からは普通に使えるはず。



■ まとめ:Mint を一日かけて育てた日



こうして振り返ってみると、今日はほぼ一日中 Linux Mint と向き合っていた。

USB の作成から始まり、
Mint のインストール、
Wi‑Fi ドライバーの導入、
日本語入力の設定、
Firefox の翻訳ポップアップ退治、
Thunderbird の日本語化まで。

どれも Windows ではまず遭遇しない作業ばかりで、
そのたびに検索して、試して、ちょっと不安になって、
でも最後にはちゃんと動く。

この “自分で環境を積み上げていく感じ” が、なんとも心地いい。

Mint は派手さこそないけれど、
必要なものを一つずつ揃えていくと、
ちゃんと自分の道具になっていく。

Windows10サポート終了のアナウンスと11機の購入で一旦現役を退いた、中古で買ったFMV のノートが、
今日からまた現役に戻った。

Linux Mintが使えるのかどうかは、今の私にはまだわからない
でも、こうやって“手間をかけて使えるようにしたもの”のほうが、毎日使ってみようと思えるのかもしれない。

――なんてことを、今、このLinux MintのPCで書いている。

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