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足切りは何点-直前1ヶ月の潰し方

はじめまして。社労士試験の学習サポート「合格伴走」を運営している、tetsu(てつ)と申します。

第58回(令和8年度)の試験日は8月23日です。この記事を書いている7月24日から数えて、残り30日。

直前期は「何を捨てて何を残すか」で迷う時期です。判断の材料になる数字を、先に1つ出します。
令和7年度の選択式、合格基準は総得点22点でした。そして選択式全体の平均点は20.3点。平均を取れた人でも、総得点の時点で基準に届いていません。

ただ、この記事で本当に見てほしいのはその先です。総得点より怖いのは、科目ごとの足切りの方だからです。
数字はすべて厚生労働省と試験オフィシャルサイトの公表資料から取りました。出典は記事の最後にまとめてあります。

社労士試験の足切りは何点か

先に答えを書きます。ただし「毎年同じ点ではない」というのが、正確な答えになります。

令和7年度(第57回)の合格基準は、公表資料の原文でこうです。

「選択式試験は、総得点22点以上かつ各科目3点以上(ただし、労働者災害補償保険法、労務管理その他の労働に関する一般常識及び社会保険に関する一般常識は2点以上)である者」
「択一式試験は、総得点42点以上かつ各科目4点以上(ただし、雇用保険法は3点以上)である者」

配点は、選択式が1科目5点満点で合計40点満点。択一式が1科目10点満点で合計70点満点です。

つまり原則は、選択式が各科目3点、択一式が各科目4点。カッコの中に並んでいるのが、その年に基準を下げられた科目です。

基準点は毎年動く。しかも決まるのは試験が終わったあと

同じ資料に、こう書いてあります。

「上記合格基準は、試験の難易度に差が生じたことから、昨年度試験の合格基準を補正したものである。」

いわゆる救済です。実績を3年分並べると、動き方が見えます。


令和5年度は選択式26点で、補正なし。全科目3点でした。
令和6年度は25点に下がり、労働に関する一般常識(労一)だけが2点。
令和7年度は22点まで落ちて、労災・労一・社会保険に関する一般常識(社一)の3科目が2点。択一式でも雇用保険法が4点から3点に下がりました。

ここで押さえておきたいのは、この補正が決まるのは受験が終わったあとだということです。
準備の段階では「全科目3点(択一は4点)を取る」以外に立てようがない。補正はあてにできません。

実際に、何割の人が足切りにかかったのか

ここからが本題です。厚生労働省は、科目ごとの得点分布まで公表しています。
令和7年度の選択式を、基準点で切ってみました。母数は、得点状況表に載っている解答者42,602人です(発表されている受験者数43,421人とは集計が違います)。

読み方はこうです。

健康保険法は基準3点。3点に届かなかった人が31.4%。この31.4%は、健保という1科目だけで不合格が確定しています。総得点がどれだけあってもです。
国民年金法は44.2%、厚生年金保険法は42.2%、労働基準法および労働安全衛生法は39.5%、雇用保険法は37.3%。

補正の入った3科目は、もっと厳しい姿をしています。


補正後の基準(2点)で切れば、労災32.0%、労一35.4%、社一39.3%。
それでも原則どおりの3点で切ると、労災65.8%、労一68.9%、社一71.3%。社一は7割以上が3点に届いていません。

どの科目を見ても、3割から4割は基準点に届いていない。そして選択式を通過するには、この8科目を同時にくぐり抜ける必要があります。
令和7年度の合格率は5.5%でした(受験43,421人・合格2,376人)。前年の6.9%から下がっています。

総得点を伸ばす勉強では、足切りは防げない

択一式と選択式は、点の守り方が違います。

択一式は1科目10問で、全部で70問。総得点の基準42点は6割です。択一式にも各科目4点という基準はありますが、10問のうちの1問なので、1問の重みは10%。落としても取り返す余地があります。
選択式は1科目5問しかありません。1問の重みが20%です。3問取れなければ、他の7科目が満点でも終わります。

だから直前期にやるべきなのは、平均点を上げる勉強ではなく、いちばん低い科目の底を上げる勉強です。

やっかいなのは、自分のいちばん低い科目がどれかを、正確に知っている人が意外と少ないことです。
模試の判定は総合で出ますし、「苦手だと感じている科目」と「実際に基準点を割る科目」はしばしば一致しません。手応えのある科目ほど、確認を後回しにするからです。

ここから先は、残り1ヶ月で穴を1つずつ潰す手順を書きます。

僕が作っている「合格伴走」の画面を例に進めますが、やることの順番自体はどの教材でも同じです。順番だけ持ち帰ってもらえれば十分です。

手順1 いま割れる科目を測る

合格伴走に「足切り診断」を置いています。本試験と同じ基準、つまり選択式は各科目5問中3点、択一式は各群10問中4点で、いまどの科目が割れるかだけを見る診断です。登録不要で、成績にも記録されません。

診断はこちら↓

結果は科目ごとの信号で出ます。基準点を下回った科目が赤、ちょうど同点が黄色、超えていれば緑です。
この黄色が曲者で、本番なら1問落とすと割れる位置にいます。「解けている感覚はあるのに、実は1問で崩れる科目」がここに出てきます。

クイックコースでは、1問ごとに「自信あり」か「勘」かも聞いています。自信ありで外した問題の数が、そのまま出ます。
できているつもりの科目は、復習の対象から真っ先に外れる。直前期にいちばん危ないのは、この取りこぼしです。

手順2 赤が出た科目だけを埋める

穴の場所がわかったら、そこだけを解きます。全科目を均等に回す時間は、もう残っていません。

合格伴走では、条文が根拠になる問題の答え合わせで、その条文の該当箇所を原文のまま出しています。「この問題に効く条文」として法令名と条番号が出て、その下に該当箇所の逐語、さらに全文とe-Govへのリンクが続きます。
直前期に効くのは「なんとなく覚え直す」ではなく「どの条文のどの文言で間違えたか」を1回で潰すことです。同じ条文の問題だけを続けて解けるボタンも、その場に置いてあります。

手順3 労一・社一は、統計と法改正に的を絞る

さきほどの3年の表で、2年続けて基準を下げられた科目がひとつだけあります。労働に関する一般常識です。令和6年度は労一だけが2点になり、令和7年度は労一と社一の両方が2点になりました。

理由ははっきりしていて、範囲が広すぎるからです。
ここを直前期に「広く」やるのは、いちばん報われない使い方になります。的を絞るなら、出どころのはっきりしている統計と、その年の法改正です。

統計については、本試験で問われた指標を検証して一覧にした記事を別に書いたので、そちらを見てください。

法改正のほうは、図解ライブラリに「法改正」の絞り込みを置いています。改正が図に反映されている論点だけが残り、どこが変わったかは各カードに施行時期つきで書いてあります。

同じ画面の上にある「焼き付け」も、この時期のための機能です。解かずに「次へ」でめくるだけのモードで、これだけは落とせないというカードを直前に流し込むために置いています。1問ずつ考える時間がもう無い日は、こちらのほうが向いています。

手順4 残り30日を、切らさずに使い切る

最後は精神論に近い話ですが、直前期は勉強量より継続の方が崩れます。

合格伴走には「検印帳」という台帳があります。学習した日に印が貯まっていく、それだけのものです。
ただ、この時期だけは形が変わります。試験日で終わる42マスの出席カードになる。無限に続く連続記録ではなく、終わりの見えるマス目です。

右下の「試」が本試験の日です。7月24日の時点で、残っているのは30マス。
埋まらなかった日はそのまま空きます。あとから足すこともできません。実際の学習記録からしか印を押さない作りにしているからです。

連続記録の類は、途切れた瞬間にやる気ごと持っていかれることがあります。この頁はそうならないように、1日欠けても死なない作りにしました。今日の1問で、今日のマスに印が入ります。

最後に、2つだけ注意

1つ目。この診断は本試験ではありません。出題はランダムなので、回によって結果は動きます。赤が出た科目を1回で信じ切らず、日を変えてもう一度測ってください。逆に、2回続けて赤なら本物です。

2つ目。補正はあてにしないでください。この記事で見たとおり、令和5年度は補正ゼロでした。全科目3点を取りにいく前提で組み立てて、結果として救済に助けられた、という順番以外にありません。

残りのひと月、全科目を均等に回す必要はありません。いちばん低い1科目を見つけて、そこを3点の上に乗せる。優先順位はそこからでいいと思います。

どのアプリをどう選ぶかを、価格と無料範囲まで全部ストアで確かめて比べた記事も別にあります。教材選びで迷っていたらどうぞ。

(出典)※すべて2026年7月24日に原文を確認

第57回(令和7年度)社会保険労務士試験の合格基準及び正答(社会保険労務士試験オフィシャルサイト)。合格基準の原文・配点・補正の但し書き。
https://www.sharosi-siken.or.jp/wp-content/uploads/2025/09/社会保険労務士試験の合格基準及び正答について_R7.pdf

第57回(令和7年度)社会保険労務士試験の合格基準について(厚生労働省)。選択式・択一式の平均点。
https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/001570042.pdf

第57回(令和7年度)社会保険労務士試験科目得点状況表(厚生労働省)。科目別の得点分布・解答者数。
https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/001570043.pdf

第57回社会保険労務士試験の合格者発表(厚生労働省)。受験者数・合格者数・合格率。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_63952.html

第56回(令和6年度)社会保険労務士試験の合格基準について(厚生労働省)。
https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/001307411.pdf

第55回(令和5年度)社会保険労務士試験の合格基準について(厚生労働省)。
https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/001152949.pdf

第58回(令和8年度)社会保険労務士試験について(社会保険労務士試験オフィシャルサイト)。試験日の記載。
https://www.sharosi-siken.or.jp/

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ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
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