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“正しさ”は一つじゃない──立場が変われば結論も変わる理由

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「正しいのに伝わらない」経験

会社員時代、私は企画会議で「絶対にこれが正しい」と思える提案をしたことがあります。
データも揃え、論理的にも間違いはない。
ところが、上層部の反応は冷たく、現場からも反発が起きました。

当時は「なぜ分かってもらえないんだ」と苛立ちましたが、今振り返れば理由は明確です。

正しさは一つではなく、立場が変われば結論も変わる。

私は自分の立場だけから「正しい」と思い込み、他者の正しさを理解しようとしていなかったのです。


正しさは立場によって変わる

同じ事実でも、立場が違えば「正解」は変わります。

  • 経営者にとっての正しさ:利益を守り、事業を継続すること

  • 現場社員にとっての正しさ:顧客に寄り添い、働きやすさを確保すること

  • 顧客にとっての正しさ:安く、早く、安心できるサービスを受けること

どれも合理的であり、どれも「正しい」のです。
しかし、それぞれの正しさがぶつかると、衝突や摩擦が生まれます。


データが示す「多様な正しさ」の価値

ハーバード・ビジネス・レビューの調査によると、
「多様な視点を取り入れたチームは、単一視点のチームより意思決定の精度が30%以上高い」 と報告されています。

また、マッキンゼーの分析では、ダイバーシティの高い企業は収益性が35%高い という結果が出ています。

つまり「正しさが一つではない」ことを前提にした組織の方が、成果を出せるということです。


行動心理が生む「正しさの罠」

人間には「自分が正しいと思いたい」という強い心理があります。
これは 確証バイアス と呼ばれ、自分の考えに都合の良い情報だけを集めてしまう傾向です。

  • 会議で相手の意見を否定してしまう

  • ネットで「自分の考えを裏付ける記事」だけを読む

  • 異なる意見を「間違い」と切り捨ててしまう

しかし、それでは成長も成果も生まれません。
「自分以外の正しさ」に気づけるかどうかが勝負なのです。


立場で変わる正解

ケース1:価格戦略

  • 営業部 → 値下げすべき(顧客を増やせる)

  • 経営層 → 値下げすべきでない(利益率が下がる)

  • 顧客 → 少し高くても信頼できる方を選びたい

どれも正しく、どれも間違っていません。

ケース2:働き方改革

  • 現場社員 → 残業削減が正しい

  • 管理職 → 納期を守るには残業が必要

  • 経営層 → 生産性を高める仕組みが正しい

立場によって「正しさ」が変わるからこそ、すり合わせが必要になるのです。


「複数の正しさ」を掛け合わせる

大切なのは、正しさを一つに絞ることではなく、掛け合わせることです。

  • 顧客の正しさ × 会社の正しさ

  • 現場の正しさ × 経営の正しさ

「どちらが正しいか」を競うのではなく、「どうすれば両方の正しさを活かせるか」を考える。
そこに、新しい答えが生まれます。


50代から「正しさ」を問い直す意味

50代になると、経験が積み重なったぶん「自分の正解」に固執しがちです。
「私はこうやって成功してきた」という思いが強くなるからです。

しかし、社会も市場も価値観も変化します。
過去の正しさが未来の正しさとは限りません。

だからこそ50代からは、

  • 他者の正しさを聞く耳を持つ

  • 自分の正しさを一度手放す勇気を持つ

  • 複数の正しさを組み合わせて未来を描く

これが「再挑戦世代」に求められる姿勢なのです。


年代を超えて共通する真理

20代でも、30代でも、70代でも、正しさに固執すれば成長は止まります。
逆に、異なる正しさを受け入れられる人は、いつでも前進できます。

正しさは一つではなく、立場によって変わるもの。
そして複数の正しさを掛け合わせたとき、最も強い答えが生まれる。

これは世代を超えて普遍的な真理です。


おわりに

  • 正しさは立場や価値観によって変わる

  • 「正しさは一つ」と思うこと自体が対立を生む

  • 複数の正しさを掛け合わせれば、新しい答えが生まれる

  • 50代からは「自分の正解を手放す勇気」が必要

  • 世代を超えて「正しさは相対的」という原則は普遍的


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