1次独立と1次従属
線形代数の基本的な概念として 1次独立 と 1次従属 があります。
まずは2次元平面上のベクトルを例にして考えましょう。
2次元平面の場合
2つのベクトルを
$$
\mathbf{a},
\mathbf{b}
$$
とします。
1次独立
$${\mathbf{a}}$$ を $${\mathbf{b}}$$ の実数倍で表すことができない場合、
この2つのベクトルは 1次独立 といいます。
1次従属
逆に、もし $${\mathbf{a}}$$ と $${\mathbf{b}}$$ が平行で、
$$
\mathbf{a} = k\mathbf{b}
$$
となるような実数 $${k}$$ が存在すれば、2つのベクトルは 1次従属 です。
3つのベクトルを考える
平面上に $${\mathbf{a}, \mathbf{b}}$$ が1次独立に存在するとします。
ここに第3のベクトル $${\mathbf{c}}$$ を置きます。
このとき、
$$
\mathbf{c} = \alpha \mathbf{a} + \beta \mathbf{b}
$$
と表せるので、$${\mathbf{c}}$$ は $${\mathbf{a},\mathbf{b}}$$ の 1次結合 で表されています。
したがって、3つのベクトル $${\mathbf{a},\mathbf{b},\mathbf{c}}$$ は 1次従属 です。
3次元空間の場合
次に、3次元空間を考えます。
2つのベクトル
$$
\mathbf{a}, \mathbf{b} \in \mathbb{R}^3
$$
が1次独立であるとします。
ここで第3のベクトル $${\mathbf{c}}$$ を考えましょう。
もし $${\mathbf{c}}$$ が $${\mathbf{a},\mathbf{b}}$$ の張る平面内に存在するならば
$$
\mathbf{c} = \alpha \mathbf{a} + \beta \mathbf{b}
$$
と書けるので、3つのベクトルは 1次従属。
逆に $${\mathbf{c}}$$ がその平面上にないなら、3つのベクトルは 1次独立 です。

一般の定義
$${n}$$ 次元空間で、$${m}$$ 個のベクトル
$$
\mathbf{v}_1, \mathbf{v}_2, \dots, \mathbf{v}_m
$$
を考えます。
1次従属
もし0でない係数 $${c_1, c_2, \dots, c_m}$$ が存在して
$$
c_1 \mathbf{v}_1 + c_2 \mathbf{v}_2 + \cdots + c_m \mathbf{v}_m = \mathbf{0}
$$
となるならば、これらのベクトルは 1次従属 です。
このとき、いくつかのベクトルは他のベクトルの1次結合で表せます。
1次独立
逆に、もし上式を満たす係数が
$$
c_1=c_2=\cdots=c_m=0
$$
のときに限られるなら、これらのベクトルは 1次独立 です。
まとめ
1次独立:どのベクトルも他のベクトルの1次結合で表せない
1次従属:少なくとも1つのベクトルが他のベクトルの1次結合で表せる
2次元では「平行かどうか」、3次元では「同一平面上にあるかどうか」が直感的な基準になります。
