「120以上の業務アプリの“入口”を再設計する」JPTのUI/UXエンジニアの仕事
こんにちは、日揮パラレルテクノロジーズ(以下JPT)でUI/UX設計を担当しているMRです。(25年10月入社)
現在は、社内業務アプリのUI/UX改修や、研修プロジェクトでのプロダクト設計を中心に、設計から実装までを一気通貫で担当しています。
単なる見た目の改善ではなく、
「人が迷わず、自然に使える体験」を構造から再設計することが仕事です。
本記事では、JPTで実際に行っているUI/UX設計のリアルを紹介します。
(執筆者:MR)
120以上の業務アプリのプラットフォームUI/UX再設計
現在携わっているのは、日揮グループ内で日常的に利用されている業務効率化アプリプラットフォーム「PipHub」のUI/UX改修プロジェクトです。

「PipHub」には、120以上の業務アプリが存在しており、ユーザーが目的のアプリを見つける検索性や、アプリ自体の体験設計の一貫性(ブランディング)の面で課題がありました。
そこで求められたのは、
ユーザーにとって迷わない導線
JPTへの相談を増やせるような、親しみやすさと信頼感の演出
これらを同時に満たすUI/UX設計です。
本プロジェクトは、副社長兼CTOの長尾さん、PipHub管理者兼テックリードのAさんと連携しながら進めており、私は、ブランディング設計、UI/UX設計、ディレクション、実装までを一気通貫で担当しています。
JPTの業務紹介として、その流れをご紹介します!
「DXの入り口」を設計する - ブランディング設計
ブランディング設計にあたり、まずは調査から始めます。PipHubの誕生背景や、JPT内での立ち位置、意図などをお伺いし、それらを踏まえて、このPipHubの立ち位置を「JPTへのDX依頼の入口となる体験」として再定義しました。
そのために設計した体験の軸は以下です。
気軽さ(誰でも使えてわかりやすい)
楽しさ(使いたくなる)
フラットさ(専門知識が無くても使える)
多様さ(JPTらしさ)

これらのブランディング設計を言葉でチーム内に共有すると同時に、ブランディングに合わせたサービス紹介資料を同時に設計・作成することで、社内で共通認識を持ちやすくなります。
初めに設計を行うことで、議論の軸が生まれ、プロジェクトの進行もスムーズに進むようになり、プロダクトとしての一貫した体験設計が行えるようになります。
エンジニアと「UI」をつなぐ
このPipHubアプリ開発には、現在10名以上のエンジニアが関わっています。
JPTではこれまで専任のデザイナーがいなかったため、単に「なんとなくいいデザイン」を提案するのではなく、「なぜこの設計なのか」を言語化して共有することを強く重視しています。
例えば、
なぜここにこのボタンを配置する必要があるのか(新規相談への導線を作るため)
この色の選定にはどういう意味があるのか(JPTのロゴから同じトーンで選択)
なぜカード型レイアウトにする必要があるのか(プラットフォームとして統一感のある見せ方や、情報の優先順位)
など、これらを定例会議で共有し、
UIを「見た目」ではなく「設計」として扱う文化を推進しています。
また、アプリのアイコンや色を各エンジニアが好きに選定できるようにするなど、エンジニア自身が楽しく関われるような設計も取り入れることで、全員が納得して改善に参加できる状態を目指しています。

分析ツール(Microsoft Clarity)の導入
これらのコンセプト設計と合わせ、現在のユーザー行動を把握するため、Microsoft Clarityの導入を提案し、プロジェクト内での活用を推進しました。
現在は、ヒートマップや操作ログの分析を通じて、
どのアプリがどれくらい使われているのか
どれくらいのアクセス数や利用数があるか
想定した導線通りに動いているか
といった「実際の使われ方」を可視化できる状態になり、UI改善の根拠として設計に反映できる基盤を整えています。

感覚ではなく、データに基づいてUIを改善する仕組みを整えたことも、
このプロジェクトにおける重要な取り組みの一つです。
研修でも「プロダクトとして設計する」

現在社内研修の一環にて、スマートフォン向けのTODOアプリを制作しています。
研修ではあるけれど、「せっかくならちゃんとプロダクトとして設計しよう」という思いで、実案件を想定し、ペルソナ設計、業務理解・調査、情報設計・データモデル設計、UI設計までを一貫して行っています。
ペルソナ(架空のユーザー像)の設定・調査
TODO管理アプリを設計するにあたって、まず老人ホームで働く40代女性の介護職員をペルソナとして設定し、
「どのようなコンセプトの老人ホームか?」
「施設の規模や、雰囲気、利用者層はどのようなものか?」
「日々どのような業務やタスクが発生するか?」
といった条件をひとつひとつ調査・仮定しながら整理していきました。

そこから、「老眼が気になる年代ではないか」「忙しい中片手で操作できた方が良いのではないか」などの仮説を立て、最小フォントサイズの決定やボタンサイズなどの方針を決めていくなど、視認性や操作性を重視したUI設計を行っています。

利用場面やフローをイメージできるよう、ひとつひとつの操作を想定し、ボタンの大きさや動き、認知負荷や通知設計なども行っています。
社内でも「ここまで設計されていると実装しやすい」といった声をいただいています。
このような取り組みをもとに、社内全体への体験設計の価値の浸透も推進しています。
UI/UXは、「人を理解すること」
私にとってUI/UXとは、単に見た目を整えることではありません。
人がどう感じ、どう考え、どう動くかを理解・設計することです。
情報の構造を整理する → 心地よさにつながる
視線の流れを設計する → ストーリーを作れる
認知負荷を下げる → 安心感につながる
こうした設計を積み重ねることで、意識しなくても自然に使える体験をつくることが、私の考えるUI/UXです。
私はASD・ADHDの傾向があり、人の気持ちを直感的に理解することが得意ではありませんでした。「人の気持ちがわからないなら、構造で理解したい」。その欲求が「使われるシステムを設計する」ことへと形を変えて、今も私の設計の軸になっていると思います。
JPTでUI/UXの第一人者を担うこと
良いシステムかどうかを決めるのは、作り手ではなく使う人です。
JPTは設立6年目で、まだ完成された組織ではありません。
だからこそ、UI/UXの価値をゼロから作れる環境があります。
多様な人が集まるJPTという環境で、これからも「使われること」を出発点に、構造から体験まで設計できるプロダクトを作り続けていきます。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました!
