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ケラリーノ・サンドロヴィッチ ミューヂック・アワー 2025 “LONG VACATION again!” 感想文

ケラさんからこんなニュースが放たれたのは、五月病真っ盛りの5/14。そこからは上へ下への大騒ぎ。
折しもロンバケ活動休止から30年。活動休止報告のキーボードスペシャルも本屋で買ったし、休止中に熱烈なファンの中から何度も何度も活動再開の声が(なかば諦めも交えて)上がってたのを横目でチラ見してたか。

近年では2年前のケラさん還暦ライブでも集った3人とは言え、クアトロの狭いスタンディングスペースで演るなんて、それはもう特別でしょ。居ても立っても居られないじゃないすか。
おいらだってロンバケ・キッズだい。

しかも対バンがケラ&ブロークン・フラワーズ。
前身のシンセサイザーズ時代を含めても、数えて20年は観ていない。どれだけ縁遠かったんだ。観たい観たいとは後ろ髪引かれつつ思いながら過ごしてた。
こんなチャンスはなかなか来ない。絶対行ったる。


7/23 水曜日。
夏はとっくにやってきて干からびる太陽の下の渋谷センター街。
「どれくらい入るんだろねー」「そりゃ大入り満員モッシュ大荒れっすよー」と軽口を叩いてから入場してみれば、スペースは見事に大入りすし詰め。(モッシュは起こりませんでした)
客席を観察してみれば、うん、ロンバケと共に歳を重ねた顔立ちのレディース・アンド・ジェントルメンだ。70~80年代の、シナロケとかヴァン・ヘイレンとかミカ・バンドとか、やんちゃ気味のサウンドが客入れでかかるなか、定刻になり場内暗転。

【KERA & Broken Flowers】

上手から、ギター:田渕ひさ子 サックス他:ハラナツコ ボーカル:KERA キーボード:杉山ケイティ
バックポジション ドラムス:REIKO ベース:かわいしのぶ
改めて書き連ねても凄腕ミュージシャンが集う、手練れ揃いのニューウェイヴ・ロックバンド。
1曲2曲3曲とシンセサイザーズのレパートリーをこなしてから、そこから初めて聞く曲ばかりなり。アレンジもこなれてる。アルバム作ってくれ~と歯噛みしてたらMCでライブ盤の予定ありだとケラさんから。楽しみ~。

個人的な話をするとシンセですら、わたしが最後に観たのは2004年 下北沢Cue2Daysで、その頃に出たか出ないかのアルバムが2nd「ナイト・サーフ」。地方在住とは言えども、どんだけ足が遠のいてたか赤面する次第。
それからのアレコレそれこれを経てブロークン・フラワーズと相成ったのもネット越しに触れてましたが、今の布陣がかっこいいなー円熟だなー、など口を半開きにしてリズム取ってました。

さらに超個人的な話だと、ケイティちゃんの熱演を初めて(ものすっごく久しぶりに)観れて、心底うれしい。麗しい御姿が何よりです。ガールズバンドで一番のアイドルポジションってどういうことよ。あやかりたい。

白眉なのが、ハラナツコさんの存在感。いわゆる4ピースバンドに管楽器が入る構成は最高に色っぽいです。しかもサックスをメインに奏でつつ、フルートやアコーディオンまで! バンドの幅が広がるなー。
白状しときます、この編成で「スカーレットの誓い」のカバーを聴きたいと強く感じました。

そんな想いに耽ってると後半の知ってる曲パートに再び突入。バンドの宿命とも言える「BROKEN FLOWERS」で〆め。枯れたままで生き延びろ。

【本日休演】

僕たちは本日休演、京都でバンド活動をしています
ロック、サイケ、パンク、ポップ、レゲエ、呪術、ジャズ、カントリー、
暗黒舞踏、ラグタイム、アンビエント、テクノ、ダブ、童謡などなど……
色々な音楽を聞いては色々なことをしています。

(公式サイト「本日休演について」より引用)

ギター・ベース・ドラム、の、真面目な編成の3ピースバンド。なのに、生み出す音はねじれてる。
パートごとのリズムパターンが細かく変遷して凝りに凝ってて、上に乗っかるギターはカッティングからひねくれた音まで変幻自在。ボーカルは癖があって味が濃くて、それでいてどこか甘い声で。
ケラさんが惹かれる理由も勝手に想像しちゃうような音の舞台でした。
オープニングでケラさんがバンド紹介をして、そのまま一曲ゲストボーカルで参加。
来月わたしの地元でもライブあるのか。

ケラさんが持つ、若手の方にもしっかりアンテナを伸ばして貪欲に電波をキャッチする情報の集め方と、忙中の中でも難なくライブをチェックしに赴くフットワークの軽さは見習いたい。
わたしの目標の一つでもあります。好きなものに対してはいつまでも好きなように追っかけたい。

【KERA SOLO UNIT featuring 中野テルヲ、みのすけ】

東京の夜は8時。
否が応でも充満する場内の期待感、暗転したとたんに爆音で鳴る、馴染み深い出囃子。
ミニアルバム:LONG VACATION'S TOUCH Vol.3 より 「Introduction」!!
打ち鳴る手拍子、登場するユニットメンバー。
上手から、ギター:伏見蛍 ドラムス:佐久間亮 ベース:坂出雅海 エレクトリックピアノ:佐藤真也
下手に一列のホーンセクション、トランペット:上石統 トロンボーン:湯浅佳代子 サックス:ハラナツコ
トリでお出ましなのがボーカル:ケラリーノ・サンドロヴィッチ。
マイクを抱きしめ歌いだす「ブルー・スカイラーキング」。レッミーゴー!

そしてそのまま「FOOLS ON THE MOON」。オリジナルアルバム最後のナンバー。この歌の声はケラさんのヒトタラシ加減を味わえて、今もいつでも大好きです。サビ前のエフェクトボイスの正体をようやく知れて嬉しい。
「いつか聴いた歌」んあうー、好きな歌ばかり目の前で歌ってる……。
でもまだふたり足りません。誰でしょう。

ここでユニットミュージシャンが一旦はけてケラさん一人に。
シンプルなシークエンスサウンドが流れるなか二人が登場、みのすけ、中野テルヲ。二人ともアコースティックギターを抱えて、シークエンスに合わせてつまびかれる「エノラ・ゲイの悲劇」。

なんだろう。中野テルヲというアーティストを30年近く見てきましたが、こんなニッコニコにはじけてる中野さんを見たの、初めてなのを告白します。うぉおぉぉぉぉぉ。
あまりにも夢見心地だったので記憶間違いあったらゴメンナサイですが、バラード「雲」「君について」を歌いあげ、君についての後半でユニット再登場、アウトロで演奏に加わってハードアレンジに早変わり。

ここからはビッグバンド編成となり、みのすけMCを挟みながら人気ナンバー「SUNDAY LOVE」「マダム・エピステーメーの消息」(それぞれみのすけと中野曲ですね)を合奏。幸せ感最高潮。

MCを再び挟み、「ボーカルみのすけ!」と紹介され始まったのは、やっぱりこれだよね「僕のソプラノ」。
わたしはこの歌を聞くのは二度目で、あれは2000年のシンセのライブだったか。みのすけ犬山犬子ゲスト参加でシンセメンバーを従えて持ちネタのごとく僕のソプラノを朗々と歌ってた姿を、昨日のことみたいに思い出します。

せっかくなのでこの余談、もうちょっと続けます。あの日のシンセは6人編成で、ケラ・三浦・チャコ・FIRE・中井に加えて、この日が初参加のキーボード杉山。メンバーが登場するも楽器構成がみんなパートチェンジして、ドラム中井、キーボード三浦、あとは自信ないけどギターチャコ、あとはFIREキーボード、杉山ギターだったっけ。とにかくそんな布陣で、うちらがよく知ってる曲を演奏はじめるんすよ。P-MODELのエコーズ。スーパーマーケッシンポジゥーム。三浦があのフレーズをピロピロ弾くのにグッと来て。
呆気にとられてステージ見上げてたら、本来のパート配置に戻り、チャコさんのドラムが激しく打ち鳴らされて始まるニュース。
ほーらガッタガッタなニュースだ!ってAメロ終わりBメロに突入した途端、会場全体圧縮してーの大モッシュ! みんなでバカバカバカバカ大合唱!! そっから曲間なくベジタブルに繋がってってステージも客も大盛り上がりだったの、ほんと忘れられないんす。

そんな記憶と紐づいてる僕のソプラノ。うん、みのすけ好き。
そしてみのすけボーカルがあったら、期待も高まる中野ボーカル。
打ち鳴らされるダダン!ダダン!のビート。今日のケラさんは客席も煽らず、そりゃこれだよねって斜に構えるポーズかまして、イントロ始まる「LEGS」。

中野テルヲソロではアレンジが年を追うごとに変化を繰り返して、現役レパートリーに連ねる大切なナンバーですが、このメンバーで演るLEGSはひと味もふた味も違う。
うーんスペシャルだ。そもそもステージの上が楽しそう。
拳を突き上げあしあしあしあし大合唱。

ロンバケではオリジナルアルバムに未収録の、箱装ライブ盤と売れなかったシングル盤カップリングで、解散発表後のベスト盤に入ってるだけなのに。
なんでこんな重要レパートリー扱いまで存在が大きくなったんでしょうね。考えてみれば不思議で、そして力が漲る歌です。

「最後2曲です」と句読点打たれて「BEACH TIME」「シェリーに口づけ」。BEACH TIMEのヒューマンビートボックス的なスキャットは中野の生歌で。シェリーのトゥートゥープマシェリーマシェーリーのフレーズは思わず歌っちゃいそう。

あっという間にアンコール。また3人のボーカル+ダブルアコースティックギター+シークエンス編成で支配階級。うあー嬉しい。これが生で聞けたのホント嬉しい。
ラストはユニット全員出てきてお別れソングの「BABY GO ROUND」。ケラさんがイントロメロディで手拍子を煽り、みんなで楽しくパンパパ・ンパとハンドクラップで演奏参加。

………あー!だらだら書き殴っても、楽しかったしか出てこないよ!! すげー楽しかった!
「同窓会って雰囲気イヤじゃん」「2年前の還暦ライブでそれは味わった」「今日は中野くんが新規に打ち込みパート作って持ってきてくれて同窓会を脱した」とのケラさんの弁はまさに的を射ており、なんだか不思議なバンド演奏でした。あのまま活動休止せずにロンバケ続いてたら案外こんな感じの編成でまったりやってたりとかね。それでいて5年連続毎月リリースしてたりね。そりゃないか。

冗談めかして「暑くなったら虫のように出てくるから」とかケラさん茶化してたけど、木枯らし吹くころ冬の訪れを告げる雪虫でも構いませんってば。
そんな寒くなってるだろう12月にブロークン・フラワーズのワンマンがあると告知されたのでカレンダーに入れます。あー楽しいライブ楽しい。ケラさん大好き。

同窓会は勝手に観客の方であちこちやったりしており、わたしはかつてバンドの追っかけしてた頃の友達にたくさん会えました。茶谷さんに会うの何年ぶりだろう……。それと、我々から見て若手のシャウワウのお二人に初めて挨拶できた。

こっそり書き残すならば、自分にとって LONG VACATION というバンドは、音楽に対する興味の視野を広げてくれた存在でした。
YMOとP-MODELしか知らなかった子どもに「こんなのもあるぜ」と次から次に教えたうえに、ヒナでも飲みやすいようにお洒落なアレンジへと噛み砕いてくれる、余所のお兄ちゃん。
大瀧詠一やムーンライダーズ、ミッシェル・ポルナレフにバグルズやOMD、映画音楽からフォークやテクノポップまで。音楽の文脈のいろんな紐を垂らしてくれた存在でした。今もそれが根っこになってる。
同世代だと「電気グルーヴのテクノ専門学校」で世間の広さを学んだ人もいらっしゃるでしょう、それが自分にとってはロンバケ。時間が経つほどに、そんな思いがよぎります。

それと、もしもこの文を最後まで読んでくださった、奇特なロンバケファンやケラさん好きの皆様におかれましては、ソロミュージシャンとしての中野テルヲも精力的に活動してます。
最新情報はこちらをチェックイットアウト。
8/12はバースデーライブ!

中野テルヲ Official info


また待ってます。

ケラリーノ・サンドロヴィッチ

中野テルヲ

みのすけ

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