壬申の乱だヨ!全員集合
本作は、壬申の乱を題材に、実在した大分恵尺と稚臣の視点から激動の時代を描いた歴史群像劇です。東アジアを揺るがせた「白村江の戦い」で一族を失いながらも、若き二人はやがて大海人皇子に従い、日本史上屈指の内乱に身を投じていきます。尚、大分恵尺と稚臣の二人は兄弟という設定で物語を展開していきます。
史実に基づきながらも、軽妙な語りと現代的なユーモアを交え、歴史に馴染みのない読者にも親しみやすい語り口で展開。
戦乱のただ中で交錯する忠義と裏切り、勇気と絶望そして、命を賭して未来を切り開こうとする若者たちの姿を、時に笑いを交えながらも丁寧に描いています。
戦が終わり、豊国へと帰っていく大分兄弟。
そして現在もなお、大分市には大分君恵尺の墓が静かに佇み、語られざる歴史を今に伝えています。
第1話:出張気分で歴史の渦へ
その頃の倭国は斉明天皇が崩御して天皇位が空位だった。ので息子の中大兄皇子が”称制”して倭国のトップ・オブ・リーダーとして君臨していた。
そんな時代の豊の国(今の大分県)に、地味に有名な豪族がありました。
名門・大分(おおきだ)一族!そしてその末裔が……
大分恵尺(えさか 27才、趣味:梅酒作り)
兄。生真面目、やたら命令に忠実。だけどちょっと空気読めない。会議ではメモ係。理想は「部下に慕われる上司」。
大分稚臣(わかみ 25才、趣味:素振り)
弟。荒くれ者。言われたことはだいたい斬ってから考える派。口癖は「兄貴が言うならやるけどさ~」。
そんな兄弟にある日、都からお達しが──
「ちょっと近江(おうみ)の朝廷まで来てくれるかな?出張ね!うん、軽いやつ!」
まるで近場の研修みたいなノリだが、兄弟は直感した。これは……ただの出張ではないッ!
◆ 時をさかのぼること5年前。
恵尺くん:「さーて、663年の大騒動!今日は伝説の東アジアバトルロイヤル”こと、"白村江戦"いをゆるっと解説しまーす☆」
百済・王族の鬼室福信:「えー、唐と新羅が百済をフルボッコにしてるんで中大兄皇子さん、お願い、今すぐ助けてくださーい!!」
中大兄皇子:「よーし、うちの精鋭送るで!オラァァ!!」
と全国に命じた!「あ、豊の国、君らメインアタッカーね♡」
豊の国:「は!?急に!?無茶ぶり過ぎん??」
【戦場:白村江】
唐・新羅連合軍:「はーい、白村江で包囲完了〜☆」
倭軍:「えっ!?川でそんな上手く包囲できる!?」
→ 完全なるフルボッコ
稚臣くん(当時):(水中でバタバタしながら)「えっ…何コレ…チュートリアルじゃなかったの!?」
【結果】
叔父さん、行ったっきり帰らず。いとこは船ごと沈んで、父ちゃんは気合入れたら矢が飛んできた。
◆ 奇跡的に生き残ったのが、恵尺くんと弟・稚臣くん!!
稚臣くん:「てか、うちの家系、被害率99%やん!?ポケモンだったら “ほろびのうた” 状態やぞ!!」
恵尺くん:「命令だし…仕方なかったんだよね…」
稚臣くん:「いや、絶対あいつ(白村江行きを命令した中大兄皇子)許さんからな?」
恵尺くん:「うちの家、まじで“戦国ガチャ”外れ枠すぎるんよ……」
でも奇跡的に兄弟で生き残る。
稚臣くん:「生き残ったからには、いずれ仇を討つ!!!」(←後の瀬田橋無双へつながる)
【教訓】
・中大兄皇子の命令は基本ムチャぶり
・家族が多いと悲劇も多い
・奇跡的に生き残ると、たまに主人公になる
恵尺くん:「というわけで、我らが白村江の生存者枠、兄弟だけってどういうこと!?」
それ以来、稚臣くんの心は復讐RPGモード突入。職業、狂戦士。目的、ラスボス討伐。
さて、そんなトラウマ満載の兄弟が、ついに近江の都へやってきた。
稚臣くん:「お土産何にする?」
恵尺くん:「この辺、湖の昆布が名物らしいぞ」
稚臣くん:「観光して帰れたら神展開」
恵尺くん:「てか都すげーな、人が多いな、俺ちょっと緊張するな…」
そんな中――
第2話:天智即位!弟が皇太弟で、世界もザワつく!?
時は、668年1月3日。
世間はまだ正月気分で浮かれており、近江宮(おうみのみや)にも鏡餅の香りがほのかに残る、そんな中で、まさかのビッグニュースがっ!!!
「本日、中大兄皇子が……天皇に即位いたしました――!!」
え?いま!?今日!?
初売り行く気分だったのに、即位!?しかも前触れナシ!!?
恵尺くん:「うそぉ!?今日なの!?もっと…なんかこう…カウントダウンとかさ…でも、まぁ…なると思ってたし…いっか。お雑煮冷めるし。」
一方、弟の稚臣はというと、
稚臣くん:「即位ねぇ……ま、オレのリベンジ相手、ランクアップしたってことだな!!」
【ラスボス:中大兄皇子 → 天智天皇 に進化】
◆ そして2月、またザワつく朝廷!
「今度は弟が指名された――!!」
そう、天智天皇の弟・大海人皇子が、「皇太弟(こうたいてい)」に正式指名されたのだ!!
恵尺くん:「え、大海人皇子が?あのちょっと陰のある感じの人…」
稚臣くん:「なんか、気が合いそうな気がする……いや、知らんけど」
なぜかこの兄弟、大海人皇子にめちゃくちゃシンパシーを感じている。(この伏線、あとで効いてきます)
ところが世界情勢が荒れてきた!10月、朝廷にさらなる衝撃が!
「唐と新羅が、高句麗を完全制圧したぞー!!」
「百済も滅びたし、これってつまり……」
「次は“倭”がターゲットじゃね??」
豪族A:「マジでヤバいやん!盾とか作っとこ!」
豪族B:「おれん家、急に武器鍛冶に転職したからな!」
恵尺くん:「えーっと……うちは戦より、米作りが得意なので……外交と防衛は、そっちでお願いしてもいいですか?」
恵尺くん、あくまで農耕民族代表のスタンス。
稚臣くんはすでに斬りたくてウズウズしているが、ここは兄の顔を立てておとなしくしていた。
【いよいよ怪しくなる宮中の空気】
ところで、大海人皇子の「皇太弟」指名には、ちょっとした闇があった。
天智天皇:「まあ、弟には継がせるけど……オレの息子・大友皇子(おおとものみこ)もよろしくな~♪」
豪族たち:「え、それって…どっちを次の天皇にするの?」
天智天皇:「…………(答えずに笑顔)」
恵尺くん:「なんか……この空気、良くないぞ……」
稚臣くん:「いや、これ絶対、揉めるやつやん!!!!」
稚臣くんの予言、当たりすぎ。
この曖昧な継承問題が、後の大乱へとつながることに……
※この物語はコミカルに脚色されたフィクションです。
※大分兄弟のテンションは史料にありません。たぶん。
第3話:名字ができて栗ご飯も炊ける、政変スレスレ!
時は、669年10月15日。
歴史の中心・近江宮にまたもや激震が走る──
「速報!中臣鎌足に、新しい名字が与えられました!」
「その名も──藤原!!」
恵尺くん:「えっ、名字って、そんな感じで配るものだったん!?なんかお年玉感あるな……」
稚臣くん:「ちょっと待って、そんな突然“藤原鎌足”とか言われても、こっちの脳が追いつかん!」
が、その翌日──
「藤原鎌足、まさかのご臨終!!」
恵尺くん:「タイミング――ッ!!」
稚臣くん:「名字つけて一日で!?え、ボケなの?ギャグなの?」
時の大政治家、中臣改め藤原鎌足さん、まさかの「命名即・退場」。
残された11歳の息子・中臣史(のちの藤原不比等)は、
「お父ちゃん……(ズビッ)」と泣きながらも、しっかり後年、超・出世するフラグを立てていたのであった。
◆ そして670年。時代はさらに動くッ!
《庚午年籍スタート!》 → 要するに「初めての全国戸籍制度、始めました」。
《ちょっとだけ公地公民制、導入!》 → 「土地も人民も、ぜーんぶ国家のものだよ♪」というパワーワード。
恵尺くん:「うちの田んぼ……貸出中ってこと?ややこしーわ!!」
稚臣くん:「もう田んぼのことは任せて、オレは戦の準備するわ!!」
恵尺くん:「準備って言うな。」
そして極めつけがこちら:
《大友皇子、太政大臣に就任!》
「え?大臣ってそんな上の役職あったん?いきなりラスボスっぽくなったぞ?」
《皇太子じゃないのに、なぜか最強ポジションへ…!?》
大分兄弟、温泉で湯けむりにつかりながらびっくり仰天。
恵尺くん:「これ、完全に次期天皇ムーブやん……」
稚臣くん:「オレの天敵が育ってきた感じする……」
恵尺くん:「ちょっと待て、それはお前の勝手な妄想だろ。」
秋風が吹く近江の地。恵尺くんは栗ご飯を炊きながら季節の移ろいに浸っていた──
「今年の栗も甘いなあ…ほくほくして……え?」
《速報!天智天皇、突如の病により倒れる!!》
恵尺くん:「えぇぇぇえ!?このタイミングで!?」
稚臣くん:「来たか……ついに来たか、乱の気配……!」
恵尺くん:「違う違う違う!今は栗ご飯のターンだから!!」
全国に衝撃が走る中、「後継は?」「弟の大海人皇子は?」「大友皇子の動きは?」と、次なる政変の空気がムンムンし始める。
※フィクションです。栗ご飯と政争の関係は確認されていません。
◆ 671年10月17日、天智天皇、まさかの“後継指名モード”発動!
栗ご飯の香りと共に漂う不穏な空気。突如、寝床の天智天皇がつぶやく。
「……弟に……譲りたい……(ゴホゴホ)」
ええっ!?弟って、あの大海人のプリンス!?
緊急招集されたのは、皇太弟・大海人皇子。そのときのリアクションがこちら、
大海人:「あ、兄上、いやちょっと待ってください。オレ……出家するんで」
突然のスピリチュアル展開。唐突すぎて空気がフリーズ!
中臣金(なかとみのかね):「………………マジかよ(心の声)」
(でも顔は笑顔、プロ官僚だから)
恵尺くん:「え?じゃあ、天皇やらないってこと?そんな軽いノリで!?」
その日のうちに大海人皇子、バッサリ断髪&ガチ出家!!しかも翌日には「吉野行くわ」宣言!場の空気、一瞬フリーズ。
もう荷造り始めてる家臣もいる。
そのとき、静かに鸕野讃良皇女(うののさららのひめみこ)が歩み出る。
まるで月明かりに照らされたような神々しさで、皇子の前に立つ。
恵尺くん:「現れました〜! 我らが大和のプリンセス!! その名も讃良(さらら)姫!!出自ヨシ! 血筋ヨシ! 才覚ヨシ! さらに皇太弟・大海人皇子と結婚済み!!……って、え、皇族同士!?貴族の世界、濃いな!!
でもこのお姫さま、ただの箱入りじゃないのよ。歌も詠むし、戦略も分かるし、いざという時は、『ワタクシも行きます』って自ら危地に同行!
愛する大海人皇子とともに、生きると決めたその覚悟!そのまま未来の女帝・持統天皇へと一直線!!
この人いなかったら、天武天皇だけじゃ王朝続いてなかった説、あるぞ……?」
(才女で賢くて、しかも恋に一直線!それが、讃良姫なのであった!!!)
そして――
讃良姫:「もしあなたが草を枕に眠るなら、私はその枕になりましょう。もしあなたが風にさらされるなら、私はその風よけになりましょう。あなたが歩むなら、私もともに歩みます。それが山でも、谷でも、吉野でも。」
一同:「……(しん……)」
大海人皇子:「さらら……」
家臣たち:「よし、俺たちも準備だーーー!!」
こうして、“愛と覚悟の脱出行”は始まったのであった!!
稚臣くん:「展開早すぎてついていけん!!」
恵尺くん:「この“話の速さ”、絶対なんかあるやつだ……陰謀のにおい、クンクンする……たぶん気のせいだけど」
◆ 10月19日、出家皇子、旅立つ!
荷造りもそこそこに、吉野行きが決まった大海人皇子。その出発の場で、一人の豪族が運命に巻き込まれる。
大海人皇子、見送りに来ていた恵尺くんを見つけて:「おっ、恵尺くん、君も一緒に来たまえ!」
恵尺くん:「はい!?あ、はいっ!合点承知の助!(え、えええ!俺!?)」
兄の後ろで、暴れん坊・稚臣くんが大声で:「兄貴だけズルいぞー!オレも連れてけー!!」
そこに集まる見送りメンバーも一癖アリ。
見送りメンバー紹介
一人目、蘇我赤兄(そがのあかえ)→ 二流政治家。絶妙に場を読めないが、空気は読んでる風。
二人目、中臣金 → 書類偏差値100。感情はないが紙と筆は常に携帯。
三人目、蘇我果安(そがのはたやす)→ 猫派。見た目ゴツいが、道端のネコに弱い。
稚臣くん:「あの人、見送りの途中で猫にエサやってたぞ……」
【場所:菟道(うじ:今の宇治)】
大海人皇子:「では、私は吉野へと参ろう──」
蘇我赤兄・中臣金・蘇我果安:「お、おお……いってらっしゃいませ……(え、ほんまに行くんや……)」
(皇子の一行が去ったあと、3人、しばし沈黙)
果安:「……なあ、ワイら、今とんでもないものを野に放った気ぃせえへん?」
赤兄:「あれやろ……虎に……翼つけて……野に放ったみたいな……あれやろ……」
中臣金:「おい、それ言うたらアカンやつやって!現代やったら完全に職務放棄やって!」
果安:「いやもう虎だけでもヤバいのに、そこに翼よ?空も飛ぶってよ??どうすんねん空飛ぶ虎」
赤兄:「地上戦も空中戦も制覇されたでこれ……」
中臣金:「てかあれ、もう“虎の翼”ちゃう、“爆走皇子ドローン”や……」
果安:「今からでも引き止めよか?いや無理や……眼が完全に覚醒済みやった……!」
3人:「……これはアカン、歴史動いたわ……」
恵尺くん:「こうして、“虎に翼”……というか“モンスターにジェットエンジン”を装備して放つという、歴史的大ポカ(結果的には正解)をかました3人であった──」
◆ 旅路は、風雲急!
空気は張りつめ、誰の喉もゴクリと鳴る。
大海人皇子(心の声):「見送られた……今がチャンス!全力疾走タイムじゃ!!」
従者たち:「皇子、馬、馬です!」
「乗ってください!てか、走ってる!?え、走ってる!?」
馬:「俺の出番かぁぁあ!!」ドドドドド!
──そこから始まる、超・スピード脱出劇。
さらら姫:「待ってーーあなた! 置いてかないで!!」
まずは1号馬でぶっ飛ばす!→2時間後、馬:ゼェゼェ……限界……
大海人皇子:「チェンジ!!」
2号馬:バトンタッチ!!→1時間後、足を滑らせ「ウマだけに、うまくいかねぇぇぇ!!」と叫んでコケる(誰が言った)
皇子:「次ィィ!!」
3号馬:まさかの新品!まだ説明書ついてる!でも爆走!!
──そして、地面を蹴り、風を裂き、そのスピード、もはや「飛んでるやん!?これ馬じゃなくてペガサスでは!?」
従者:「我ら、皇子に置いて行かれてるんですが!?(半泣き)」
そして日が傾き、ついに"嶋宮"、到着!!!
馬:「ゼッハー!ゼッハー!GPSもない時代でよう来たわ!!」
皇子:「ふう……ワシ、いま空飛んでたよな?」
従者:「たぶん皇子、もう“翼つけた虎”どころじゃないっす……“推進装置つきの神話生物”っす……」
恵尺くん:「こうして、大海人皇子は“ワープ移動”レベルのスピードで嶋宮に到着したのであった……。もう誰も彼を止められない──」
《嶋宮(しまのみや)とは、かつての蘇我馬子の屋敷跡。現在では立ち寄るには渋すぎる歴史的スポット》
稚臣くん:「兄貴、これマジで普通の出家じゃないだろ……なんかクーデターとか始まりそうな匂いしかしない」
恵尺くん:「言うな!聞こえたら俺たちも首だぞ!!」
※出家は個人の自由ですが、戦争のフラグになりやすいので注意が必要です。
第5話:出家モードでも、政は待ってくれない
◆ 10月20日、吉野着!
吉野の山深く、霧が立ち込めるその朝。大海人皇子とその一行は、ついに山奥へたどり着く。静寂と清流、鳥のさえずり、そして——
恵尺くん:「いやこれ完全に“島流し”の空気じゃない?」
それでも律儀な彼は、山で薬草をせっせと採取。(趣味です。特に風邪に効くやつがお気に入り)そして、事あるごとに手帳にメモ。→(本人談)「いつか絵巻にして出版してひと儲けする予定」
ちなみに稚臣くんは、鹿と追いかけっこしてた(戦闘力アピール中)
世間は年末モードに突入するなか、歴史がまたひとつ、大きく動く。
◆ 12月3日、天智天皇、崩御(46歳)。
ひとつの時代が終わった。
朝廷内:「……え、マジで……じゃあ次って誰……? え、マジで!?」
空気はピリつきまくり。
だって大海人皇子は今、山奥で出家中。いくらなんでも、継承ルートが混線しすぎ!
そんなバタバタした最中、12月5日、大友皇子即位。
◆ 672年3月、吉野では、相変わらずの“ゆる出家生活”
大海人皇子:「仏道とは……無常のなかに光を見いだすことよ……」(←瞑想中だけど、たまにクワで畑も耕すガチスローライフ。)
恵尺くん:「え、これ本当に出家?ただの田舎暮らしじゃない?」(メモしながら梅酒チビチビ)
そんな中、彼の疑問がふと口をつく。
恵尺くん:「……でさ、あの郭務悰(カクムソウ)って人に、天智天皇が崩御したって、いつ言ったの?」
そこへ、走ってくる飛脚:「お伝えしまーす!本日、ようやく郭務悰にご崩御の報告、完了ッス!」
一同:「え、三ヶ月も放置してたの!?」
恵尺くん:「あっ、いやほら、タイミングって……ね……」(内心:「絶対忘れてたろ!!」)
◆ そんな唐の使者、郭務悰にもいろいろあった
郭務悰、唐の外交官。最近は、すっかり空気を読みすぎて胃が痛い毎日。そんな彼に、高句麗(亡命組)が“調”を献上!
「どうぞこれ、おみやげですぅ!」
恵尺くん:「は??なに今さら“いい子ですアピール”?ちょっと手遅れ感ない? てか、唐と新羅にボコられた勢力が、いまさら媚び売ってどうすんのよ」(と言いながら、唐の米で作ったおにぎりを頬張る)
(大陸情勢については、だいたい“なんとなく”で語ってます)
◆5月30日、 郭務悰、帰る
梅雨入りする前、唐の使節団がようやく帰国の準備を始める。
「いや〜、長かったわ。てか、滞在中、何してたの?」
郭務悰:「うーん……その……なんか……空気読むのに精いっぱいだった……」
ストレス度、MAX。成果はおみやげと胃薬だけ。
※梅酒と薬草は戦時携帯に便利ですが、外交対策にはなりません。
第6話:え、これもう包囲網ですか?の巻
◆ とある午後の吉野山
風の音が心地よく、川のせせらぎが癒し系BGM。今日も大海人皇子は瞑想&草むしりのスローライフ。
大海人皇子:「ん〜、今日の風は法華経の香りがするなぁ…」
一方そのころ、恵尺くんはシソの葉を天日干し中。メモは毎日更新、「吉野山ゆる日記」第48巻に突入。
◆ そこに現れた、男ひとり
謎の疾走者、ゼェゼェと息を切らしながら登場。朴井雄君(えのいのおきみ)参上!!
大海人皇子:「おや〜、朴井さんじゃないか。久しぶり〜」。
皇子は笑顔でお出迎え。が、朴井さんはガチの冷や汗。
朴井:「聞いてください! 近江の朝廷が、美濃と尾張に人夫を出せって……でもそれが……人夫なのに……武器、持ってるんです!!」
大海人皇子:「……え?」
恵尺くん:「それ、建設現場で必要なんすかね?」(真顔)
朴井さん:「いや!建てる気ゼロの顔ぶれです!」
◆ 異変報告ラッシュ
その後も次々と情報が入る。
大津京から飛鳥への街道中に監視員がわんさか配置中!菟道橋の橋守が通行人の身元チェック!
おまけに大海人皇子の舎人たちには
「これは大海人さんへの食料? はい、持ち込み禁止で〜す☆」
大海人皇子:「……これ、完全に俺、干されてない??」
◆ 大分恵尺、しみじみ確信
恵尺くん:「皇子、これ、戦の前兆ですよね!?もはや吉野山じゃなくて、戦場山やん!!」
稚臣くん:「よっしゃァァ!ついに俺の剣が火を吹く時かァァ!!」
恵尺くん:「いや落ち着いて!せめて鍬からにして!」
◆ 豆腐が買えない世の中なんて…
そんな緊張高まる情勢の中、日常生活にも不穏な影が。
恵尺くん:「ちょっと聞いてよ!豆腐買いに行ったら、道に監視人立ってて、いきなり“お前、大海人皇子の関係者か?”って訊かれてさ! ワシただの酒飲み豪族ですやん!? 豆腐と味噌を買いに来ただけですやん!?」
そして帰り道、食料持ってたら…舎人が「あ、それ皇子に届けるやつっすよね? 献上しときます〜」
恵尺くん:「なんで俺の夕飯、差し押さえなん!?」
◆ 吉野、ほのぼの終了のお知らせ
かくして、草刈りと瞑想の吉野スローライフは静かに、幕を閉じつつあった。
恵尺くん:「今週のハイライト:豆腐買えず、道で職質され、味噌奪われる。これもう出家じゃなくて軟禁では??」
稚臣くん:「兄貴、そろそろ山降りて暴れようぜ!!」
大海人皇子:「ふむ……時は来たかもしれん……」
※出家は心の平穏を求めるものです。ただし、監視付きの場合は適用外です。
第7話:ミッション・インポッシブル(美濃編)
◆ 6月22日、吉野
今日の吉野は、山の天気。晴れたかと思えば突然の雨。でも空気は、なにかこう……ピリついている。
大海人皇子、朝から薬草ゴリゴリ中。
(最近は、煎じるのも上手くなってきた)
大海人皇子:「……うむ、そろそろ“時”だな」
ザッ!三人の勇者登場!!!
一人目、方向音痴の“村国男依(むらくにのおより)!”
二人目、しゃっくりが止まらない“和珥部君手(わにべのきみて)!”
三人目、字面が気になる“身毛君広(むげのきみひろ)!”
3人を呼び出した皇子、その眼差しはマジ。
大海人皇子:「今から美濃に行って軍を集め、不破の関を封鎖せよ!おぬしたちに、全てを託す」
◆ いきなり始まるスパイミッション
男依:「……え、まず美濃ってどっち?」
君手:「……(ヒック)承知しました!」
君広:「……あの、まず名前の由来、聞いていいすか?」
それでも出発。なぜなら、もう“その時”が来ていた!
恵尺くん(影から):「え、あの3人に全部任せるの!?……ま、たぶん行けるっしょ!美濃だし!うん、美濃だし!」(←根拠ゼロ)
◆ いま、この瞬間、戦いの歴史が動く!
美濃は交通の要。特に「不破の関」を制すれば、東国ルートが封鎖可能。それはつまり——朝廷軍、近づけない!
大海人皇子の
作戦その一:美濃の郡司(地域のボス)たちに声をかけ、
作戦その二:ローカル軍団をサクッと結成して、
作戦その三:不破の関を先に封鎖する!
でもこれ、超ギリギリタイミング。
大海人皇子(つぶやき):「……近江が動く前に、ワシたちが先に動かねば、すべては終わる」
まるで戦国ドラマのはじまり。
◆ そのころ、恵尺くんは…
梅酒を片手に、密かに日記を綴っていた。
恵尺メモ:「今日の山:やたら風が強い。皇子、朝から目がギラついていた。新ミッションは方向音痴としゃっくりと名前が気になる人の旅。不安要素、全部」
「とりあえず栗ご飯炊いとこう」と、おこげチェックしつつ。
これはまだ序章。このあとの「壬申の乱」、伝説級の展開が待っていることを、このとき誰も知らなかった……(恵尺くん以外は)。
第8話:吉野脱出と草履の使命
◆ 6月24日、吉野山の朝
山にこだまする鳥の声。その静けさの中……でわない中、突然の呼び出しを受ける男がいた。
大分恵尺(28歳・最近は栗ご飯に夢中)
大海人皇子:「恵尺くん、そなたに大任を与える……」
恵尺:「えっ、また豆腐ですか?あと味噌切れました」
皇子:「違う!今度は近江に潜入して、高市皇子と大津皇子を連れて伊勢で合流せよ!」
恵尺:「えーーめっちゃ遠いやん。しかも俺、草履やで??」
皇子:「つべこべ言うな。ワシも徒歩で出発するぞ!」
稚臣くん:「……え、俺、何したらいいんや?」
皇子:「おぉ、稚臣くん。う~む……(!)……そなたは大津皇子を連れだしてくれ! 恵尺くんは高市皇子を頼む!!」
稚臣くん:「……え、大津皇子? ……って、あの“天智の娘”の……?……皇子、ワシ……その任、ちょっと気が重いですわ」
皇子:「……?」
稚臣くん:「正直……天智天皇には、昔から腹にいろいろ溜まってましてな。あの人の血を引く子や言われると、どうしても……ワシが行っても、顔に出るかもしれまへん」
(恵尺くん、横で気まずそうに栗まんじゅう食べてる)
大海人皇子:「……気持ちは分かる。だが、大津はまだ若く、先帝の罪も徳も背負いきれぬ。ただの“子”として接してやってくれ」
稚臣くん:「……それができたら苦労せんのですよ。……でも、皇子が言うなら、やってみますわ。たぶん、険悪な空気にはなるけど」
恵尺くん:「険悪でも、あんたなら意外と好かれるタイプやで」
稚臣くん:稚臣くん:「それ、フォローなってへんけど、まぁええわ……」
◆ 徒歩です、マジで。
その日の昼、では目立つので夜。大海人皇子一行、本当に徒歩で吉野を出発!
「え、ほんまに歩いて行くん!?逃げるんちゃうんか!?」
恵尺くん(つぶやく):“ノーホース・ノープロブレム”
◆ 讃良姫のごねごね
そのとき讃良姫は、馬に乗りたくて突然ごねるのである。
讃良姫:「……なんで私だけ歩き!?馬が良い!馬ァ!」
大海人皇子:「では、讃良はこのまま吉野で待て。馬が来たら合流せよ」
讃良姫:「えぇ……待機組……」
こうして讃良姫は、吉野ステイ組に。ついでに、皇子のお気に入りの湯呑みも預かることに(割ったら切腹)。
◆ いざ、運命の旅路へ!
なんだかんだで、皇子本隊(徒歩)は東へ、大分兄弟(草履)は北へ、讃良姫は居残り+茶番見守り。
バラバラに動き出す「壬申の乱」前夜チーム。
風が、何かを告げている——(たぶん「絶対、筋肉痛になるぞ」っていう)
第9話:愛と馬と拍手の音
◆ 6月25日頃、道中どこかの川辺
歩いて、歩いて、また歩いて……足の裏が悲鳴を上げはじめたその時、救世主(と馬)が現れる!
県犬養大伴(あがたのいぬかいのおおとも):「皇子、こちらの馬を!」
大海人皇子:「おお、馬か!これはありがたい!」
恵尺くん:「え、俺の分は……?」
大伴:「ついでにあなたの分もどうぞ」
恵尺くん:「神!!!やっぱ馬サイコー!足が回復していく感じする~!!」
大海人皇子:「……って、恵尺くん!?あれ?お主、近江に行ってたのでは……?」
恵尺くん:「行きましたよ!?……でも、途中で道間違えて、気づいたら南に戻ってきてまして……」
稚臣くん(遠くから):「いや、置いていかれただけやろ!!!」
皇子:「いやもう、お主……地図読めぬんか!?まるで村国男依ではないか!」
恵尺くん:「ワシ方向音痴じゃなくて、道に詳しすぎて逆に迷うタイプなんですわ……(謎理論)」
皇子:(笑いながら)「よかろう。ちょうど馬も余っていたし、これは天が戻した縁ということにしよう」
恵尺くん:「はーっ!ありがたき幸せ!」
稚臣くん(馬なしで到着):「……ワシには馬、ないんかい!!」
◆ 川辺の小休止……のはずが!?
川のほとりで水をくみつつ、ちょっと休憩。
恵尺くん:「いや〜、やっぱ草履より馬やわ。これ、未来永劫、真理やわ〜」
そのとき、後方から聞こえる、蹄の音……パカパカパカ……
舎人A:「来た……!敵か!?」
恵尺くん:「待て、足音が優雅やぞ……」
現れたのは、讃良姫!!
◆ 感動の(?)再会
大海人皇子:「さらら……!?どうしてここに!?」
讃良姫:「あなたを、放っておけなくて……!」
恵尺くん:「姫ぇぇぇええええ!!」
(周囲の家臣たち、完全に空気読んで拍手)
しかも姫、実は馬術の達人。颯爽と駆け、追い越しそうになる勢い!!
讃良姫:「あ、あぶない!追い越しちゃう……!」(慌ててスピード落とす)
恵尺くん:「……馬2頭目が姫だったかぁ〜……でもちょっとホッコリした」
◆ チーム吉野、再合流!
こうして、吉野組にまたひとり仲間が加わり、再び一丸に!
恵尺くん:「なんか……戦じゃなくて、仲良し旅みたいになってない?」
大海人皇子:「……油断するでない。次の難所は伊賀越えじゃ」
恵尺くん:「それ聞いただけで胃が痛い」
舎人B:「伊賀だけに胃が、ってやつですね!」
恵尺くん:「お前、今は黙っとけ!!」
(姫の愛と馬の力が歴史を変える……かもしれない)
【第10話:朝メシは戦(いくさ)の活力】
◆ 6月25日、夜明け前。
山の朝は早い。冷えた空気の中、足を引きずりつつも、大海人皇子一行が莿萩野(たらの)に到着。ここは伊賀国の山あいにある静かな里。山菜が豊富で、水もうまい、知る人ぞ知る“隠れ飯テロ地帯”。
恵尺くん:「ついに着いた……ワシの足、もうワラジと一体化しとる……」
讃良姫:「でも空気おいしいね。…あ、おなかすいた」
大海人皇子:「ここで一息入れよう。腹が減っては謀反もできぬ……」
恵尺くん:「その言い方、やめましょ皇子……」
炊き出し班(たぶん村人の協力)による朝ごはんは、川魚の塩焼き、煮物(山菜多め)、ほかほか白米!(たぶん)
恵尺くん:「これこれ、こういうのでいいんよ〜〜!!」
(恵尺、しれっと三杯目)
大海人皇子:「恵尺くん、はやくも三杯目……」
恵尺くん:「いやぁ、謀反も準備段階が一番お腹すくって言いますし?」
すると、霧立ちこめる山の谷間から、ひとつの影が「ヒョコッ」と現れる。
恵尺くん:「……誰や……あれ……?」
謎の影:「父上ー!! 遅れてすまぬ!!」
谷を駆け上がってきたのは、高市皇子(たけちのみこ)!!
大海人皇子:「おおっ!高市、よく来た!ようぞここまで!」
高市皇子:「いやー、山道すごくて……ところで、朝ごはん残ってる?」
恵尺くん:「あるある!ワシ4杯目に行こうとしてたけどな!」
高市皇子:「豪族ぅ〜……」
朝日が差し込む莿萩野。つかの間の、温かい飯と再会の時。だが、このあと事態は急転するのであった……。
【第11話:誓いの川と、再会の影】
◆ 6月26日、朝。
天気は快晴。空はどこまでも青く、さわやかな風が吹いていた。一行は、迹太川(とおかわ)の川べりに到着。
清らかな水の音が耳に心地よく響く中、大海人皇子がゆっくりと立ち上がる。
大海人皇子:「この川を越えれば、もう引き返せぬ……」
そして、伊勢の地に向かって静かに手を合わせる。「天照大神よ、我に力を……」
家臣一同も、神妙な顔で頭を垂れる。
…ただし。
讃良姫:「か、かゆっ!! ちょっ、これ蚊!? 顔やめて顔ッ!!」
恵尺くん:「姫ぇぇぇ、空気読んで!今、神聖な時間やからァ!!」
(でも、ちょっとみんな笑いそうになるのを必死でこらえてる)
そのとき、遠くから馬の蹄音が、颯爽と近づいてくる。
恵尺くん:「敵か!?…いや、なんか姿がキラッとしてるぞ!?」
馬にまたがり現れたのは、大津皇子(おおつのみこ)!!。
高市皇子の弟にして天智天皇のお孫さん。知性派・イケメン・武芸もできる、三拍子そろったスーパープリンス。
大津皇子:「兄上、父上! 遅れましたが、私もまいりました!」
大海人皇子:「おお、大津……!よう来てくれた……」
高市皇子:「ふっ、遅いぞ弟よ。でも……歓迎する。てか、髪切った?」
大津皇子:「切ってない!そういう兄上は、ちょっと太った?」
その直後、誰かがダッシュで川に滑り込みながら登場!
稚臣くん:「はぁ、はぁ……遅れましたぁぁぁあ!!!」
恵尺くん:「お、おお……帰ってきたか……てかズブ濡れやないか!」
恵尺(心の声):「うわ、なんや……この兄弟コンボ……。ほんま絵になるわ……兄弟戦隊ミコレンジャーとか始まりそうやん……」
陽の光が3人の背中に差し込み、川辺に神々しいシルエットが浮かび上がる。
大海人皇子:「よいか、ここからが本番だ。東国の力を集め、不破に向かうぞ!」
恵尺くん:「ワシ、ちょっとお腹すいたけど……頑張る……!」
【第12話:不破を封鎖せよ!そして風呂と酒を求めて】
◆ 6月26日、午前。迹太川の川辺にて
朝日を背に、感動の再会を果たした直後。バッタバッタと草をかき分けて、一人の男が登場!
村国男依:「報告ですぅぅぅぅ!!」
恵尺くん(心の声):「うおっ、生きてたんか男依……てか息切れ激しッ」
男依:「美濃の兵!三千人、集まりましたぁぁぁ!!不破の関も!封鎖済みでございますぅぅぅ!!」
一同:「え、なにぃ!?そんなドラクエみたいなスピードで!?」
恵尺くん:「ワシら、まだ朝メシ食って感動してただけやのに!?てかあんた、方向音痴ちゃうかったっけ!?」
男依:「途中、地元の農家さんに道を教わりました!あと、地図も描いてもらいました!」
高市皇子:「(それ地味に大事な働き……)」
報告を受けた一行、しばしの安堵。
大海人皇子:「うむ……よくやった、男依!では本日は、桑名郡家(くわなのこおりのみやけ) にて宿泊とする!」
恵尺くん:「いぇえぇえぇぇぇい!!!風呂ある!?酒ある!?」
稚臣くん:「兄貴、急にテンション高いな」
高市皇子:「おい、戦やぞ(マジ顔)」
大津皇子:「でも……ちょっとだけ楽しみなのは、否定できないな」
恵尺くん:「やっぱ君もかいッ!」
こうして一行は、束の間の休息を求めて桑名へ向かって行った。明日からは、いよいよ本格的な“乱”の幕が上がる――
【第13話:2万人の衝撃と、中間管理職の目覚め】
◆ 6月27日、朝
桑名郡家で一夜を過ごした大海人皇子一行は、ついに出発の時を迎える。
大海人皇子:「では、いざ進発じゃ!」
恵尺くん:「あれ、姫は?(まさか一緒に戦うん……?)」
高市皇子:「鸕野讃良皇女は、桑名にお残ししたぞ」
恵尺くん:「(ほっ……って、なんでやねん!なんか申し訳ない気持ちになるやろが!)」
一行はそのまま不破へ。「いよいよやな……!」と気が引き締まるその時、前方から砂煙!突如、現れるひとりの男!
「待たれよ!!」
尾張国司・小子部鉏鉤(ちいさこべのさいち)登場!!!(←名前のパンチ力すごい)
恵尺くん:「え、ちょ……名前強すぎん!?口に出したい古代語ランキング第1位やん!」
しかもその背後から、ズラ――――――!兵馬俑か!!
鉏鉤氏:「兵、2万人連れてきました〜!今日からわたしたち、味方ッ!!」
恵尺くん:「ちょっ、ゼロ多くない!?数え間違いちゃう!?ってかその口調で2万てギャップがすごい!!」
大海人皇子:「助かるぅぅぅぅぅぅ!!!!」(素で叫ぶ皇子)
恵尺くん:「これ、もしかして……ワシ今日から中間管理職やん!?上から命令、下に伝える……めっちゃ板挟みポジやん……!!」
こうして、2万の新兵力を得て、大海人皇子軍は一気に拡大!風は、確実に“あちら側”へと吹き始めていた――
(※ 鉏鉤氏、実は近江に加担する噂があったとか、なかったとか!?)
【第14話:軍事のすべて、丸投げされました】
不破の関を越えた大海人軍、次なる目的地・野上へ進軍!
ドドドドド…! そしてそこには、先回りして待っていたあの男がいた!
高市皇子:「父上、ついにこの時が来ましたね……!」
大海人皇子:「うむ……高市よ、軍事の一切、任せたぞ!」
高市皇子:「えっ!?え!?全部!?」
(たぶん今、心の中で「マジかよ」って20回は言ってる)
恵尺くん:「え、“軍事一切”って、火起こしから始まって、飯炊き、野営地の水源チェック、武器の数管理、鼓舞演説、果ては味噌の在庫までやで……?ええのかそれで……!?」
高市皇子:「……ちなみにワシ、そういうの苦手だから☆」
恵尺くん:「(いや、言い方軽ッ!)」
こうして、高市皇子が総大将に就任。だけど、内心ビビってる感は隠しきれていない……。
高市皇子:「ま、まぁ……やるからには、全力で!」
恵尺くん:「(プレッシャーで胃やられてへんかな…)」
軍はそのまま野上で一泊。明日から本格的に動き出すぞ!
いよいよ、戦の“舞台”が整いはじめた――!
【第15話:大海人皇子の「和暫」愛が止まらない】
◆ 6月28日、朝
昨日は野上でしっかり一泊し、今日も気合を入れて……と思いきや。
大海人皇子:「よし、今日は和暫(わざみ)へ行くぞ!」
恵尺くん:「え―― 今日また移動っすか……昨日寝てないっす……足が豆祭りなんですけど……」
日が暮れるころ、和暫に到着。ご飯だけ食べて、ちょっと寝て……。
◆ 6月29日、翌日
大海人皇子:「うん、やっぱ野上も確認しとこうか!」
恵尺くん:「えっ、昨日行ったばっかやん!?しかも今、行って帰ってまた和暫やん!?なにその無限ループ!?」
家臣:「皇子、いったい何をしに……」
大海人皇子:「ちょっとコンビニ感覚でな」
恵尺くん:「いや吉野山にコンビニなかった反動やとしても、フットワーク軽すぎやろ……」
その日、軍議が開かれるかと思いきや、
大海人皇子:「……今日はちょっと、和暫が落ち着くんだよな〜」
家臣ズ、ついにカレンダーに書き込む。
「28日 和暫散歩」 「29日 和暫散歩(リターンズ)」
恵尺くん:「このままやと、戦場日記じゃなくて紀行文になるでほんま……」
とはいえ、野上と和暫は戦略的にも重要な拠点。
(らしいけど、今はみんな若干不安になってる)
戦いの準備は整いつつある……はず!?
【第16話:引きこもり将軍、爆誕】
◆ 同じ日の6月29日、午後
場所は飛鳥、かつての都。近江京からフェードアウトした大伴吹負(おおとものふけい)と兄の馬来田(まくた)、絶賛引きこもり中。
周囲の人も「あの人、もうずっと家にいるよね」状態。
ところがその日――
吹負:「……やっぱ俺、やるわ」
馬来田:「え?どうしたの急に!?」
吹負:「いや、なんか……夢に恵尺くんが出てきてさ」
恵尺くん(遠く離れた和暫にて):「ワシ!?いつ!?どんな夢!?」
そのまま、吹負と馬来田、即・蜂起。
「今こそ大海人皇子に忠義を!」と、かつての仲間をかき集め、飛鳥で堂々の挙兵!!
その知らせ、すぐさま大海人皇子のもとへ届く。
大海人皇子:「よし!吹負を将軍に任命じゃ!」
恵尺くん:「さっきまで布団にくるまってた人やぞ!?切り替え早すぎて、エンジン暖めてないやろ!?てか、将軍!?将軍って一番すごいやつやろ!?」
家臣:「でも、あの吹負さん、地元人気もあるし……」
恵尺くん:「地元の星かもしれんけど、寝ぐせついたままやで!?」
こうして、飛鳥でも反乱軍が立ち上がり、朝廷側ざわつき始める。
朝廷の某官人:「えっ!?飛鳥でも反乱!?吹負って誰!?あの引きこもり!?」
ついに、「大海人軍 VS 近江朝廷」全面衝突の構図が見えてきた……!
【第17話:カツ丼と開戦と引きこもり卒業】
◆ 7月1日
ここは乃楽(なら)の稗田(ひえだ)。引きこもりからの大逆転男・大伴吹負。いよいよ稗田での布陣!
吹負:「よっしゃー、いっちょやったるかー!」
部下:「あの、将軍……まだカツ丼食べてますけど……」
吹負:「これは“勝つ”丼じゃ!気合注入メシ!!」
部下:(いや、もう2杯目なんですが……)
一方そのころ。
大海人皇子軍の本隊は小休憩中。
恵尺くん:「いや〜、ちょっとだけ昼寝しよか〜」
高市皇子:「……兵站、まだなんか届いてないけど大丈夫かな……」
讃良姫(ひっそり同行中):「蚊が…蚊が多い……」
そこへ乃楽の稗田に駆け込む伝令!
伝令:「報せぇぇぇええ!河内の方から、敵軍が接近中とのことぉおお!」
一同:「なにぃ!?」
吹負:「え、まじ!?こっち来るん!?カツ丼冷えるやん!」
部下:「いや、そこじゃないです将軍!!!」
吹負:「よっしゃ、食いかけのカツ丼持って出陣じゃ!!」
河内方面からの敵軍は、朝廷側の本格派部隊!どうする吹負!?どうなる稗田!?
なお、恵尺くんは「ワシらこっちで休んでる場合ちゃうやん!」と、急に荷物まとめ始める。
大海人皇子:「……いよいよやな」
馬のいななき、太鼓の音、そしてカツ丼の湯気が戦のはじまりを告げていた!
【第18話:財よ、守りも固めてくれ】
◆ 7月2日
衛我河(えがのかわ)= 現在の大阪・石川あたり
《緊急速報:近江朝廷がついに動いた!》
壱伎韓国(いきのからくに):「よいか皆の者、我らは天智天皇の御代を継ぐ正統の軍ぞ! ゆけぇぇぇ!」
近江朝廷方の軍勢が南下開始!!
【壱伎韓国軍:布陣図(イメージ)】
◆ 二方面作戦で侵攻!
① 大津ルート(メインルート)
壱伎韓国 将軍:本人が堂々と先頭に。
配下の騎兵:1000名、機動力重視。
歩兵:3000名、盾役中心。足は遅い。
特殊部隊:楼船部(ろうせんべ)→ ただし河内で船は不要。
壱伎将軍:「まずは河内を押さえ、そこから南進だ!道明寺あたりで昼食!」
② 丹比(たじひ)ルート(サブルート)
指揮官:名もなき副将(← 地味)
山越え強行軍。兵士数:2000
難所に強いが、合流タイミングは読めない。
副将:「このルート、マジでイノシシしか通ってないっすよ……」
【迎え撃つは…坂本財!!】
坂本財(さかもとのたから):「我に任せよ……我が名は“宝(たから)”なり。勝利を捧げましょう!」
5分後 ⇒ 財(たから):「すまん、やられた!」
恵尺くん(心の声):「“宝”って言うと聞こえはええけど、中身スッカスカやないかい!」
「敵兵に『このへん空いてますよ〜』って案内したんか!?」
【結果:壱伎軍、大津ルートから衛我河を突破】
坂本財軍、押し返されて一時撤退。
しかし、ここで終わりではない!
吹負:「(カツ丼食いながら)よっしゃ、次は乃楽で迎撃や!」負けはしたが、これも戦の一幕!吹負将軍率いる乃楽軍、本隊の動きはこれからが本番!
大海人皇子:「むぅ、やられたか」
高市皇子:「父上、敵は確かに強いですが、こちらも戦力は整ってきております!」
讃良姫:「カに刺されすぎてもう無敵になった気がします!」
果たして壱伎韓国軍はどこまで押し込んでくるのか!? 坂本財は再起できるのか!? 恵尺くんの突っ込みは止まらない!!
【第19話:怒涛の布!ユニフォームで結束せよ】
◆ 7月2日・午後
和暫近辺、軍議の最中
大海人皇子、地図をバッと広げながら「よし、ここで“布作戦”を発動する!」
村国男依:「ぶ、布作戦?」
大海人皇子:「男依よ。兵たちに赤い布を腕に巻かせよ!?」
男依:「……えっ、ユニフォームってことっすか?なんかサッカー日本代表みたいな…」
大海人皇子:「味方が誰か分からんのは致命的じゃ!色分けしておけば“同士討ち”を防げるのだ!」
恵尺くん:「あ~それ、現場でよくある“味方やと思って斬っちゃった”ミスや……」
「前に知り合いの豪族が『従弟の耳斬っちゃった』言うてたなあ……」
男依:「あの、それって白とか青とか他の色も要ります?」
大海人皇子:「いる!敵軍と見分けるにはビジュアル戦略が肝要じゃ!カッコよく!」
恵尺くん:「これ完全にチームカラーやん。戦がスポーツ大会に見えてきたぞ……」
稚臣くん(遠くから):「あの、じゃあ僕ら“背番号”も付けますかね?」
(ひさしぶりの登場、うれしい)
大海人皇子:「それはまだ早い!!
(でもちょっとやってみたい)」
赤い布は地元の村から調達!
布屋のおばちゃん:「え?急に赤布10000枚?!」
高市皇子:「では私は“軍のビジュアル監督”も兼任します」
恵尺くん:「ちゃうちゃう!あんた軍司令官や!」
こうして、大海人軍は"見た目も統率もバッチリ”な赤い布軍団に変身!いよいよ戦の準備も整いつつある!
ただし、問題は──「敵もたぶん、似たような色使ってくる」ってこと。
【第20話:うさぎ将軍と仲間たち、出陣ッ!】
◆ 伊勢・加太越ルート/不破関ルート
大海人皇子軍、ついに本格進軍の時ッ!!
第一隊:紀阿閉麻呂(きのあへまろ)軍、出撃!→ まじめ、実直、体育会系。口癖は「押忍!」
第二隊:多品治(おおのほんじ)軍、突入!→→ 頭脳派。戦術オタクで、巻物を読みながら進軍。
第三隊:三輪子首(みわのこびと)軍、発進!→→→ 名前のクセがすごい。あだ名は「こび将軍」。背は低いが意気は高い!
第四隊:置始菟(おきそめのうさぎ)軍、跳ぶ!→→→→ 一同:「え、うさぎ!?人名!?あだ名!?可愛いけど戦えるの!?」
高市皇子:「いや、置始菟(おきそめのうさぎ)はれっきとした将軍名だ。たぶん……」
恵尺くん:「“うさぎ将軍”て響き可愛いけど、絶対強いんかいな……噂では短刀でピョンピョン戦うらしいぞ……」
第五隊:田中足麻呂(たなかのたるまろ)軍、どっしり出発!→→→→→ 名前からして“足腰ガッチリ系”。見た目ゴリラ、戦は職人。
さらに、村国男依チーム(情報伝達・緊急対応部隊)も、不破からGO!!
恵尺くん:「ていうか、隊多すぎて、もう誰が誰かわからん……」
稚臣くん:「もはやキャラ図鑑必要やでコレ……」
兵たちのリストをまとめてた書記、「漢字多すぎて手が攣りました……」 それでも出撃は止まらない──!
彼らが越えるは、険しい伊勢の加太越(かぶとごえ)!その先にあるのは、倭国の心臓部!
一方、どこからか聞こえるウワサは「“うさぎ将軍”、あれで百人斬りしたらしいで……」「え、マジ!?跳び斬り系!?」
恵尺くん:「……やっぱ名前で侮ったらアカンな。今、一番怖いのうさぎやわ
【第21話:タルマロとクラフ守備隊、配備完了!】
伊勢~美濃方面軍、各部隊の再編成。進軍ラッシュの合間、大海人皇子の指令が飛ぶッ!
大海人皇子:「第二隊・多品治(おおのほんじ)軍は莿萩野(たらの)に3,000を駐屯させよ!」
多品治:「了解!フル装備で休憩します!」
大海人皇子:「第五隊・田中足麻呂(たなかのたるまろ)軍は、倉歴(くらふ)の道を守れ!」
足麻呂:「道と聞いたらオレの出番……踏破力には自信あるぞッ!」
そのとき、恵尺くんがポツリ、「てか、“タルマロ”って名前、ちょっと……かわいくない?」
(足麻呂、チラッと振り向く)
大海人皇子:「仕事ぶりは全然かわいくないぞ。昨日も丸太を背負って山越えしてたしな」
恵尺くん:「えっ、熊か……?」
稚臣くん(遠くから):「兄貴の“かわいい基準”、ブレブレやな」
なお倉歴(くらふ)は、敵が南下してくる際の重要ルート。そこに置かれるということは、足麻呂、全幅の信頼を受けてる証!
「タルマロ、名前はゆるふわ。任務はガチ中のガチ」
そのころ、置始菟(うさぎ将軍)は密かに部隊でジャンプ訓練中……(噂)
【第22話:希望の星、早くも墜ちる】
◆ 近江朝廷本営 ~ 不破方面
朝廷方が誇る“希望の星”。その名も、山部王(やまべのおう)。高貴な血筋、堂々たる風格!近江朝の期待を一身に背負い、犬上川のほとりに集結させ出陣のときを迎える!
山部王:「我が軍、数万を率いて不破を破る!!」
兵たち:「おおおおおおお!!!」(←士気MAX)
が、数時間後。前線からの報告が、あまりにもあっさり。
伝令:「山部王軍、敗走!!」
大海人皇子軍:「……え、早ッ!!」
実は、不破の守りが思った以上にガッチガチ。布ユニフォームで団結した大海人軍の防衛が、堅牢すぎた!
恵尺くん:「えっ!?王、秒でアウト!?アカンって、顔出し一発KOみたいなやつやん!」
稚臣くん:「王様、勇者ポジションじゃなかったん?なんか…“味方の演出用キャラ”感がすごい」
大海人皇子:「やはり、ユニフォーム効果だな」
男依:「いやそこ!?防衛戦の成功、そこですか!?」
こうして、近江軍の先鋒は勢いを失い、戦局は再び大海人軍側に傾き始めるのであった。
【第23話:親子で寝返り!それってアリなん!?】
◆ 敵軍の中から突如、妙な動きが!
羽田八国(はたのやくに)と、その息子・羽田大人(うし):「あのー……我々、投降しまーす!」
兵士たち:「え!?敵将、親子で!?展開早っ!」
彼らは堂々と(?)白旗を掲げて前線へ。
羽田八国:「すみません……その、ちょっと道に迷ってたら、敵になってました」
羽田大人:「親父に『こっちや!』言われたんで…ワシのせいちゃうんです」
大海人皇子:「よきにはからえ!」(←テンションいつもと変わらず)
恵尺くん:「え、寝返りってそんな“ごめん”くらいで済む!?親子でスッと合流しとるやん!」
そして将軍に任じてそのまま、親子は越(こし:北陸)方面の守備任務へ。
稚臣くん:「あれ、これって実は“栄転”に見せかけた“左遷”では……?」
恵尺くん:「いや、“迷ったフリして敵軍”って、そもそも就職活動みたいなもんやん……!」
兵士:「あの親子、転職うますぎるだろ……」
こうしてまた一人、いや二人、戦場のテンションに飲まれていった。
【第24話:遅れてきた主役(自称)現る!!】
◆ 舞台は玉倉部邑(たまくらべのむら)。
近江朝廷方の軍:「今こそ奇襲のときじゃあああああ!!!」と、勢いよく突撃!が、その瞬間!ズガァァァン!!!
???:「──待ていッ!!!」
近江軍:「うわっ!?誰やコイツ───!!??」
ズバァァァンと現れる謎の武将!その名は、出雲狛(いずものこま)!!
出雲狛:「遅れてきた主役、登場だぜぇぇぇぇ!!」
鎧はテッカテカ、目つきギラギラ、乗ってる馬はやたら暴れ馬。
近江兵士:「いやいやいや、主役て!聞いてないぞ!?お前どこの所属やねん!!」
恵尺くん(隅っこで見てた):「なんやこの登場……ジャンプ漫画やん……!?」
稚臣くん:「しかも声、デカっ!たぶん3里先まで響いてるぞ」
出雲狛:「ここは通さねぇ!こっから先は俺のステージだッ!!」
ドカーン!バッシャーン!(本人の登場Sound Effect)
近江軍:「ぎゃああああ!!テンションで押されるううう!!」
こうして、玉倉部邑での奇襲は、出雲狛の圧により無事(?)阻止されるのであった。
【第25話:DIYじゃなくてDID】
◆ 7月3日・吹負は乃楽山で駐屯中
大伴吹負:「よしっ、ここを守り抜くぞ!見よ、この絶景ポジション!」 ドヤ顔で山のてっぺんに陣を敷く吹負。
部下たち:「うおおおお!将軍──!」……が、次の瞬間、「殿ォォォ────ッ!!」
誰かが慌てて駆けてくる。
荒田尾赤麻呂(あらたおのあかまろ):「たいへんです!! 飛鳥がノーガードです!!!?」
吹負:「……ぬっ!?」
赤麻呂:「完全に防衛スッカラカンです!!今ごろ敵に観光されてます!!!」
吹負:「わ、忘れてたァァァ!!」
赤麻呂:「ここは私に任せてください!飛鳥、守ってきます!!」
吹負:「お、おぉ…頼んだぞ!!(ていうか君、今まで何してたん)」 そして赤麻呂、飛鳥へダッシュ!
《赤麻呂 in 飛鳥》
① 橋の板 → 全部ぶっ壊す!
赤麻呂:「敵の侵入は、まず物理的に防ぐッ!!」 バキバキバキィィィ!!!
② 街角 → 盾を大量設置!
赤麻呂:「商店街感ゼロになるけど仕方なし!!」 道端に立てかけまくる盾の列
!楯楯楯楯楯楯楯楯楯楯楯楯!
さらに
!楯楯楯楯楯楯楯楯楯楯楯楯!
もう一つ、おまけに
!楯楯楯楯楯楯楯楯楯楯楯楯!
三段構えだぜ!!!
戻って報告。
赤麻呂:「防衛、完了しました!!!?」
吹負:「……いや、君、それDIY(Do It Yourself)じゃなくて……DID(Do It Destruction)やろが────い!!」
恵尺くん(どっかから現れて):「飛鳥、住民の心折れてないかな……」
だがその甲斐もあって、飛鳥は守られた……たぶん!
【第26話:(いない)伏兵との戦い】
◆ 7月4日・乃楽山。吹負軍、出陣!
吹負:「よし、乃楽山の守りは任せよ!昨日は橋、今日は勝つ!」 が
どどーん!!近江朝廷軍。現るは、大野果安(おおののはたやす)軍!
恵尺くん(何故か現場にいる):「うわ、名前は果物っぽいけど、めっちゃ強そう!」
そして……戦闘、即開始!! が! 結果:吹負軍、敗北!!!
恵尺くん:「ええぇ!?早っ!!」
吹負:「……ちょっと、人数……ミスったわ……あと、盾が足りなかった……」
遁走する吹負軍……だが、問題はここからだった。
果安:「追撃するぞ!!目指すは飛鳥!!」
軍:「うおおおおお!!」
果安:「八口(場所:不明)から、飛鳥を一望せよ!!」
そしてついに──街角にて、果安の目に飛び込むものがあった。
それは…… 盾。盾。さらに盾。(しかも無造作に立っている三段構え?)
果安:「……………あかん、これ……絶対、伏兵おるやつやん!!」
部下:「……え?でも、人気(ひとけ)ないですよ?」
果安:「いや、絶対なんかおるって!!ぜったいこれ、“盾だけトラップ”やって!!」
果安(ぐるぐる思考):「盾の裏に弓兵……いや、槍兵……いや、赤麻呂……こ、これは……罠やっ!!撤退──────ッ!!!」
近江軍、急に引く。 そしてその頃、乃楽山の物陰。
吹負:「……………たすかった……」(赤麻呂の“防衛アート”、マジで効いた)
恵尺くん:「赤麻呂……お前、もしかして天才ちゃうか……?」
吹負:「次、赤麻呂を参謀にしようか……」
──まさかの勝利(?)で守り抜いた飛鳥!
◆ 戦線拡大!近江軍、怒涛のラッシュ!!
が、やがて近江軍はすべての道から来襲するのであった。
近江軍:「全ルート突撃ィィィィィ!!!」
吹負:「ちょ、お前ら同時に来るとか反則やろぉぉおおおお!!!」
恵尺くん:「囲まれてる!?囲まれてるんですか!?吹負軍って今、囲まれてます!?」
そして――数に押されて、吹負軍…撤退!!
吹負:「全員!金綱井(かなづなのゐ)集合!!迷子になるなよ!!あと途中で草摘むなよ!!」
兵士たち:「はい指揮官ー!!(←散り散り)」
◆ 再集結と、謎の緊急ブリーフィング!
吹負:「えー、本日のテーマは“再起”。つまり『負けてもへこたれない心』や」
恵尺くん:「精神論キタ─────!!」
兵士:「でも指揮官、盾がまた足りません!」
吹負:「……よし、今回は“水”で戦おう(謎の決意)」
そこへ飛び込んでくる斥候!
斥候:「報告!!近江軍、大坂道から接近中です!!!」
吹負:「マジかよ!ここまで来たら、もう水際防衛戦しかない!!場所は……当麻(たぎま)村!戦場は……葦池じゃ!!」
恵尺くん:「えっ、水場って……それもう水泳大会じゃないですか!?」
◆ 葦池ウォーター・バトル開幕!!
近江軍先鋒・韓国(からくに):「さぁ行くぞ!この俺が正面突破してやる!!」
吹負:「油断するな。アイツ、顔はいいけど部下は微妙や」
――そして始まる激戦!!
ザッパ─────ン!!!(※池に突っ込んだ音)
ガッシャ─────ン!!!(※足滑って転んだ音)
ぬるぬるぬる……(※泥で滑ってる)
恵尺くん:「な、なんという…!この戦い、“池のヌルヌル”が勝敗を分けている……!」
吹負:「ふっ、これぞ“自然派兵法”。葦池戦法、炸裂じゃ!」
韓国:「ちょ、ちょっと待って!足取られて動けないっ!わ、罠か!?これ罠か!?……もう無理!撤退ィィ!!」
兵士たち:「え、えっ!?え!?え!?将軍!?将軍ー!?!?(全員パニック)」
そして韓国、誰よりも早く走って逃げた(※単独逃亡)
◆ 勝ったぞ!でも、次は本隊!
吹負:「……よし、あとは本隊待ちやな……」
そのとき!
ザザッ!ザザザッ!!
斥候:「報告!伊勢より援軍、続々到着中です!」
兵士A:「見ろ、あれが我らの伊勢本隊!!」
兵士B:「おおっ!みんな……甲冑がピカピカや……」
恵尺くん:「ついに我々の“マジメ部隊”が来た!やったぁぁああ!!」
吹負:「フッ……これで本気出せるな……」
恵尺くん:「いや、さっきまで必死だったやろ!!!」
【第27話:深夜のステルス(失敗)作戦】
◆ 7月5日・深夜──
満月が照らす中、倉歴(くらふ)近くの森に、ひときわ怪しい影……。田辺小隅(たなべのおすみ)近江軍の別将。「小隅」の名のとおり、コソコソ系。
小隅(ひとりごと):「フフフ……今夜、倉歴は我が手に……!」
闇にまぎれて、音もなく進む小隅はしゃがみ歩き。転がる石もスルー。その姿、まるで忍者。
小隅:「ヘッヘッヘ……“闇の小隅”と呼ばれたこの俺に、敵は気づくまい……」 そのとき!
ワンワンワンワン!!!
「不審者ー!!!」(犬、全力)
小隅:「うわっっ!!!」(全力で逃走)
大海人皇子の陣地
恵尺くん:「えー、本日深夜、近江軍の田辺小隅が単独で倉歴に侵入するも、犬に吠えられてビビって逃げましたー! 成果? ナシです!」
(戦果報告:「小隅の深夜プレイ、特に意味なし」)
大海人皇子:「犬、Good Job!」
【第28話:孤軍奮闘!またもや単騎突撃】
◆ 7月6日
夜明け前、またしてもコソコソと動き出すひとつの影……その名は!
田辺小隅!
小隅:「……昨日の失敗は犬のせい。今日は……完璧にやる!」
今回のターゲット:莿萩野(たらの)!しかしその地には……多品治将軍。(地味だけど有能、そして朝が強い)
陣営の朝
多品治:「ふああ、まだ夜明け前か……さて、お茶でも飲みつつ警備でも……」
ザッ…ザッ…(近づく足音)
多品治:「ああ、また来たか一人軍隊……」(湯飲みを口にしながら)
ズバーン!!! 小隅、撃退。
小隅:「また一人か……」(そっと帰路につく小隅)
──どこかで流れる尺八の音
本陣・恵尺くん実況中、
恵尺くん:「小隅の挑戦、2連敗ッ! またもソロプレイで敗北ッ! 次は仲間つれて来いよ、小隅~!!」
実況:戦とはチームプレイ。ソロ活動はほどほどに。
【第29話:暴れん坊将軍、薬を斬る】
◆ 7月7日
舞台は息長(おきなが)の横河。(地図で探してもピンと来ない、謎ポイント)
現れるのは……我らが“暴れん坊将軍”こと、村国男依(むらくにのおより)!!
男依:「戦場?行くしかなかろうが!!」 馬にまたがり、風を切って登場!!
対するは、境部薬(さかいべのくすり)!!
(名前のインパクトが強すぎるが、れっきとした敵将)
男依:「薬!?その名、斬るにふさわしき!! 薬はッ、切り捨て御免じゃああああ!!」
薬、被ダメージ甚大──
周囲:「副作用:即死」
恵尺くん:「薬、処方ミスやろそれ……用法・用量守ってもムリやったな……」
境部薬、ここに戦線離脱。
恵尺くん:(処方箋より重かった、男依の鉄拳制裁)
【第30話:鳥籠山の仁義なき戦い】
◆ 7月9日
戦場:鳥籠山(とこのやま)。(名前がすでにトラップっぽい)
そこに現れるのは、あの男!! 村国男依、再び登場!!!
男依:「敵がいる?──行くのみ!!!」
対するは今回の相手、秦友足(はたのともたり)!!
(名前からして、温厚そうな後方支援キャラ)
友足:「いや~、ワシはちょっと補給とか……後方でこう……」
男依:「知らぬッ!!全員前線じゃああああ!!」 ズシャアアアァ!!!
友足:「いや名前的に平和キャラなんだけどなああ……」
(鳥籠山に入る前に、討ち取られる)
恵尺くん:「“友”足って名前やのに、男依に友情は通じへん……この将軍、“戦場の友情”とか辞書に載ってへんタイプや……」
友情、容赦なく切り捨て御免。──村国男依、今日も快進撃。
【第31話:川原BBQ全滅事件】
◆ 7月13日
舞台は、安川(別名:野須川)のほとり!
近江軍:「いや〜今日は天気もいいし、ちょっと川原でBBQでもしよっか〜」
兵士A:「焼きトウモロコシ、もうちょい〜」
兵士B:「オレ、肉係ね〜」
そこへ現れる、赤い布の破壊神。
村国男依:「BBQしてる敵軍がいると聞いて来た!!!」
近江軍:「えっ!?なんで知ってるの!?てか急に来ないでぇぇぇ!!」
ドカーーーン!!!
男依、問答無用で突撃!! 煙と肉と悲鳴が川辺に舞う!!!
焼き肉もろとも、大・破・壊!!!
川原で仁王立ちする男依、勝利の一言:「水も滴る、いい勝利!!(キリッ)」
近江軍、川に流される(比喩です。でも半分ホント)
兵士:「うわああぁ、焼きそばァァァ!!」
恵尺くん:「BBQしてただけで、戦史に残る敗北になるとは……川原の平和、秒で終了……南無」
【第32話:男依、はじめての涙】
◆ 7月22日
戦場は、近江の要衝「瀬田の橋」!!ズラリと並ぶは、大友皇子と近江朝廷の群臣たち!
大友皇子:「ここが正念場だ!この瀬田を死守するぞ!我が帝国の名にかけて!!」
群臣たち:「イエッサーッ!!」
──橋上、堅牢な防御陣。まさに「守る気しかない」構え。
そのころ、赤布なびかせながら現れるヒーローが一人。
村国男依:「さーて、今日も一丁、勝ってきますか!」
兵たち:「うおおおお!男依だあああ!!」
だが――!! ドカン!! ズバッ!! ザバァ!!
瀬田の橋を渡ろうとするたび、矢が降り注ぎ、火が噴き、槍が飛び交う!!
男依:「ぐっ……なんという守り……これは、渡れん……!」
次々に倒れる味方兵たち。
兵:「ぐはっ……男依さまぁ……」
兵:「赤布……俺も着けたかったぜ……(散)」
男依、歯ぎしり。「くっ、くそっ……!!」
これまでの快進撃が嘘のよう。川は赤く染まり、男依は静かに空を仰いだ。
恵尺くん:「男依……あんた、ついに負けを知ったんか……」
はじめての敗北──無敵の将、村国男依。ここに、沈黙。
【第33話:矛を捨てし者、橋を駆ける】
舞台は、再び瀬田の橋!沈む夕日を背に、敗戦ムードただよう味方陣営……。
その時!!
恵尺くん:「……!? あ、あれは……!?」
「そこに現れし、稚き将校──大分稚臣(おおきだのわかみ)くん!!」
稚臣くん:「矛などいらぬわ!!」
→ 思いっきり矛を投げ捨てる。
稚臣くん:「甲冑は重ね着上等!」
→ 異様な重装モード、発動。
稚臣くん:「抜刀!では、行ってくる!!そして白村江の仇を──必ずや、討つ!!」
(背景で“白村江”の回想BGM流れそうになる)
実は稚臣くん、中大兄皇子に対して、「俺ら、あの時あんなにがんばったのに……」という屈折と無念を背負っていた!
味方兵:「えっ、ちょ、無理だって!マジで渡んの!?稚臣さん!?」
兵B:「無理無理無理無理!!!フルアーマーで突っ込んでくなァ!!」
稚臣くん:「見て、学べ!!!」
そして──ダダダダダッ!!! 一人、橋を駆け抜ける稚臣!
敵陣の矢が雨のように降る中、バシィ! グワシャァ! ズバァン!!
敵将:「な、なに!?一人で!?あいつ一人で橋を突破したぞォ!?」
敵陣、パニックモード突入!!
恵尺くん:「まさかの稚臣無双!!一人特攻で近江軍、バグる!! お、おい!男依軍も行けぇぇぇ!!」
男依:「見たかこれが…“若き血”じゃぁぁぁ!!つづけェェェ!!」
恵尺くん:「てか、解説してる場合じゃない! 稚臣、あんちゃんも後につづくぞ〜〜〜〜〜ッ!!!」
士気MAX!今、戦局はひっくり返る!!
【第34話:瀬田バトル、勝者は誰だ!?】
瀬田の橋、敵味方入り乱れる白熱の戦場──!
しかし、稚臣の一撃で潮目が変わった!
敵兵A:「なんかもうヤバくね?」
敵兵B:「橋って……こんな怖いとこだったっけ!?」
→ 近江軍、ズルズル後退! → ガタガタガタッ!!! ついに敗走モード突入!!!
大友皇子:「あかん、ガチでやばい……!!!」
→ 頬をひとしずくの汗が伝う。
左右大臣たち:「お供しますぞ!皇子!どこへ!?どこへ行かれます!?!?
大友皇子:「だいたいあのへんッ!!」
→ 地図も示さず指差すフワッと逃走!!
左右大臣たち:「はいはいはいはい!!!」
→ 荷物抱えて全力ダッシュ!
「皇子ーッ!こっちこっちー!!」
(荷物の中にバラまかれる鏡餅や儀式用の笏などが転がっていく)
恵尺くん:「バトルロイヤル終了〜!勝者は……」 《大分稚臣!!!》
………恵尺くん:「………あれ? 稚臣くんは……?」
家臣A:「見てません……」
家臣B:「あの、橋を渡ったあと……」
稚臣くん、行方不明。
恵尺くん:「ええぇ!?英雄が消えた!? 勝利の立役者なのに!?!?
稚臣くん、まさか“戦場に名前だけ残す”系のやつぅぅ!?!?」
【第35話:西の猛者たち、爆誕!】
同じ日──
瀬田で稚臣くんが行方不明になってるその頃、琵琶湖の西では……やる気フルスロットルの2人組、出陣!!
羽田矢国(はたのやくに):「狛殿、今日は暴れていいですかッ!?」
出雲狛(いずものこま):「ええ、私もイケイケでございます!」
目指すは、三尾城(みおのき)!!堅城とも言われた難攻不落の地──が、
矢国:「三尾だけに……みーおーんなでいくぞっ!!!」
狛:「……ぶふっ(吹いた)」
→ 三尾城、ダジャレ一閃でまさかの陥落!!!
敵兵:「なんか、勢いすごすぎて逆らえませんでした……」
恵尺くん:「狛、ようやく本気出す。今までのはウォーミングアップだったんか……」
家臣:「てか、ダジャレ一発で陥落って、どういう理屈!?」
野次馬の衆たち:「矢国殿と狛殿、まさに“西の爆撃機”や……」 → 一部では“壬申の乱・西の方の主人公”とまで噂されはじめる。
矢国:「さあ狛殿、次はどこ行きましょうか!!」
狛:「行けるとこ全部ですね!」
こうして、大海人軍は一気に加速するのだった!!
【第36話:目覚めよ、稚臣!】
瀬田の橋、大激戦のあとの話──
橋の隙間から転落した稚臣くん、そのまま意識を失っていた! 川の流れにゴロゴロされ、岩にゴンゴンされ、気がつけば…とある川辺の木陰。
額田王(ぬかたのおおきみ):「しっかりして…将校さん、起きて!」
中臣史(なかとみのふひと):「血が止まらないよぉ〜!!」
稚臣くん:「………ん?ここ……どこ?……私は誰……?そして君たちは……?」
恵尺くん(ドカドカ走ってきて):「おっっ!!弟を発見!!!」
(全員一瞬静止)
恵尺くん:「てか、なんで額田姐さんと史くんがいるの?!?!」
額田王:「いや、たまたま薬草摘みに来てたら…」
中臣史:「僕は…その…おつかいで…」
稚臣くん:「う〜ん……記憶が……ぼやけてる……俺……なぜ戦っていたんだっけ……」
額田王:「きっとそれは、あなたの中にある“宿命”がそうさせたのよ」
中臣史:「(今、カッコイイ……)」
恵尺くん:「おぉ…これもう完全に主役ムーブやん……てか、額田姐さん、もしかしてこの戦いの“語り部”ポジションでは!?」
額田王:「かもね」ニヤッ
稚臣くん:「……俺、もう一度行かなきゃ……この命が続く限り……」
恵尺くん:「さぁ復活、いや弟くん!その前に傷の手当てが先じゃ!!」
【第37話:飛鳥観光、そして難波へ!】
そのころ──飛鳥では。
吹負:「……ここはもう掃除済みだな」
部下:「敵の気配、ゼロですね!」
吹負:「うーん、道の駅にしてもいいなあ。土産は柿で」
吹負:「じゃ、次は難波に行っとくか〜」
→完全に観光モード突入。
そこへ続々と集う、三方面の別将たち!
上つ道隊:「我ら、直進あるのみ!」(隊列ビシッ!)
中つ道隊:「……うっす、なんか道長くない?」(ややお疲れ)
下つ道隊:「てか、これ道じゃなくない!?」(獣道、牛付き)「モ〜」
そんな三軍がそれぞれ進んで山前(やまさき)に着き、どこぞの旅番組みたいに…淀川の南で大集合ッ!!
吹負:「はい、みんな〜!淀川を背に整列して〜!」
恵尺くん:「完全に修学旅行の記念写真の流れやん!」
さて、次なる目的地は……難波(なにわ)!!
吹負:「みなの者!いざ難波へ〜!!船出じゃ〜!!!」
【最終話:それぞれの、終わりと始まり】
◆ 7月23日、山前の草むらにて
あたりは朝霧。蝉の声すら、今日はどこか遠い。
大友皇子:「……あの橋からすべて始まった……」
→ 静かに、懐から縄を取り出す。
最後まで残ったのは、物部麻呂と、わずか1、2名の舎人(とねり)たち。
舎人A:「皇子……もう……もうよしましょう……!」
舎人B:「ここまで……よく戦いました……!」
大友皇子:「……ありがとう。お前たちには……感謝しかない……」
そして、草むらの中に、ひときわ長い沈黙が流れる──
恵尺くん(静かに):「誰もが、なにかを失った戦いだった。でも……きっと、誰もが、なにかを得たんだ。勝者も敗者も、それぞれの道が、ここで交わった──」
そして、太陽が昇る。歴史は、新たなページをめくった。
飛鳥から、奈良へ。
混乱から、律令へ。
大化から、大宝へ。
時代は、大きく動いた。これを、人は『壬申の乱』と呼ぶ。
次回予告?
……ないッ!!これにて、おしまい!!
長き旅、お付き合いありがとうございました!
\またどこかの時代で会いましょう!/
エピローグ:出張おつかれ!大分ブラザーズ編
舞台は――帰ってきました!豊の国!!
遠くに広がる田んぼ!山!川!なつかしの風景〜!
恵尺くん:「あ〜〜〜〜〜空気が米の匂いするわ〜!!」稚臣くん:「兄ちゃん、あれ全部オレたちの領地なんかな?」恵尺くん:「たぶん、いや、もしかして、ワンチャン全部?」
報酬:たんまり(←戦功により)
地位:どっさり(←よくがんばった)
ちなみに「稚臣無双」の件で地元の子どもたちからヒーロー扱い。
その後、恵尺くんは地方行政マンとして活躍!
稚臣くんは武芸指南&青少年育成の「ゆる道場」開設!
村の若者:「今日もわかおみ師範の、ひとり特攻講義じゃ〜!!」
稚臣くん:「はいそこ、橋の上では落ちないように!!」
恵尺くん:「史書的には、ウチらほぼ脚注だけどな!」
二人はもう、戦の世ではなく、米と笑いの国で、静かに、でもアクティブに人生を歩んだのでした。
そしてある日、歴史にこんな一文が――
「大分恵尺・稚臣、壬申の乱において功あり。以後、豊の国に帰り、地方統治に尽力した」
恵尺くん:「いや、せめて“ちょっと面白い兄弟”くらい書いてくれへん?」
そして現代――
賑わう町、大分市。椎迫丘陵南斜面にそっと残る古宮古墳。
それが――国史跡指定の「大分君恵尺(おおきだのきみのえさか)の墓」と伝わる、九州唯一の横口式石槨の古墳。
石室の中はひんやりと静かで、何百年もの時を越え、ひとりの男の物語を今もそっと語り継いでいます。
恵尺くん:「いやー、戦乱出張きつかったけど、最終的には良いとこに眠れてるよ俺……!」
虫の声、風の音、そして子どもたちの笑い声が、遠くから聞こえてくる。
大分君稚臣は、滝尾百穴の近く大分市羽田の大分社に祀られています。
歴史書には少しだけしか載っていない。でも、この地には、景行天皇を氏祖とする恵尺と稚臣、二人の足跡が――
― 完 ―
