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その『あい』は・・・

「日本人はね最初に『あい』を学ぶんだよ。」と、息子が言った。
そうか、「愛」を学ぶのか。
深いな・・・と、思った。

「そのつぎに『うえ』を学ぶんだよ。」
なんですと?!「飢え」を学ぶのか??
なるほど。愛を学んだ上で飢えを学ぶとは・・・これまた深いなと思った。よくわからんけど。

「そのつぎは『おかき』だよ」
・・・おかき?
そうか、飢えをしのぐためか。おかきは米からできているもんな。確かに日本人ならでは、だな。

だがしかし、なぜ「おこめ」ではないのだ?「おかき」って日本酒を仕込む時に米を磨いて出る米粉で作られるものだろう。一足飛びにおかきじゃなくお米で良いのでは?

「え~?だってそれは順番だから」
順番?なんの?

「あいうえお❗」


・・・最初からそんなこったろうと思われたことでしょう。そう、何も深くなかった。とんでもなく浅かった。いや、息子の言葉を勝手に漢字変換して感銘を受けていた私こそが浅かったのだ。
だがしかし、浅いけれど、それでいいんじゃない?
日本人が最初に学ぶのは『あい=愛』で。

 五十音。小学校に上がったらすぐ習うのは「あいうえお」から始まる五十音だ。しかし、そこにあてる漢字はない。
遥か昔、文字の手習いとして使われた「いろはにほへと」から始まる仮名47文字の『いろはうた』には、仮名単体にではないが漢字があてられた。そしてその言葉には情緒があった。美しい日本語だと思った。

今が平安時代なら息子はこう言っただろう。
「日本人はね最初に『いろ』を学ぶんだよ。」と。
それを聞いた私はきっと、日本に古来からあまたある“色”に思いを馳せただろう。
日本の伝統色を解説付きで紹介しているサイトがあるのでぜひ見ていただきたい。色の呼び名が多種多様で面白い。

日本には趣深く美しいものが数多くある。
そして、日本語もまた美しい。
美しい・・・はずなのに、自分を含め子どもらの言葉遣いときたら、口を開けば草・草・草、草しか言わん。オンラインゲームをすれば相手を攻撃する言葉の数々。親にまでぞんざいな口をきく。発せられた負の言霊が家庭内の空気を、ひいては現代日本を蝕んでいくようだ。
声を大にして言いたい。その言の葉ことのはに愛はあるのかい?いや、ない。

以前、何かの記事で読んだのだが、日本語で一番美しい言葉は『ありがとう』だと言われているそうだ。感謝の気持ちを表すこの言葉には愛がある。愛は様々な形や対象を持つ感情で、相手を大切に思う気持ちだ。人を思いやる愛を育むために、日本人が最初に学ぶ「あい」は『愛』であって欲しいと、私は思う。

(おしまい)

#モノカキングダム2025

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