やさしくなれない自分を、「冷たい人間だ」と責めてしまうときに
たくさんの患者さんにお会いしていると、ふと葛藤を抱えてしまう日があります。
「自分の好きなように生きて死ぬから、放っておいてくれ!」
と、治療の提案を受け入れてくださらなかった患者さん。
でも、いざつらくなると、
「助けてくれ!なんとかしてくれ!」
と、駆けこんでくる。
命の現場とはいえ、
「いまになってどうして・・・」
と、やるせない気持ちを感じてしまうことも、正直あります。
これは、
「日常の人間関係でも同じかな」
と、最近は思うようになりました。
まわりの忠告を聞かず、好きなように生きていた人が、困ったときだけ泣きついてくる。
遠い昔にいた中国の思想家「荀子」は、
「人間の本性は、自分の欲求や利益を優先してしまうものだ」
と、説きました。
困ったときだけ泣きついてくる。
それは、相手が意地悪なのではなく、人間という生き物の「ありのままの弱さ」に過ぎません。
だからこそ、その人間らしい弱さに直面して、
「自分はなんて冷たい人間なんだ」
と、自分を責める必要はまったくありません。
「いつでも完璧に、やさしくあらねば」
という心の緊張を、そっとほどいてあげてください。
だれかのためではなく、ご自身の心に素直になって、ほっと一息ついてみませんか?
