見出し画像

昭和の世代は歴史的背景から小麦をはじめとするパンや麺になじんできたといえそう


はじめに


 どうもわたしは一部で思い違いをしていたようだ。てっきりこのクニの多くのヒトビトは米を主食、つまり炭水化物として米を優先して食べているとばかり思っていた。いまもって米がたいせつな存在に違いない。ところが家計調査で確認してべつの側面が見えてきた。早く気づくべきだった。

きょうはそんな話。

(タイトル写真はパクチーの花)

米を勧められた


 四半世紀まえ、わたしは医師からCKDと診断され、療法としてタンパク質と塩分の制限を管理栄養士の指導のもとでおこなうことに。当時この病気をよく知らなかったので、「よくなってまた食べられるようになりたいです。」と返事してしまい、栄養士の方の表情がふと変わった理由をのちで知ることに。

てっきり一時的な療養かと思っていた。ところが、腎臓へのダメージはもとへはもどせず、もとのままよくする治療法のない病気とは知らず。生涯そうだと知ったのはそののちすぐ。いまもってつづけるのはそのため。

この病気の患者さんたちは最初のうち食事療法にとまどいがち。一方で制限しつつ、カロリーを確保せねばならない。その相反するような行動には栄養の知識がもとめられる。

炭水化物がカギ


 まずエネルギーの確保には炭水化物が欠かせない。米、パン、麺類など。最近ではそこへオートミールやそばの実などをわたしはくわえる。これらのうち、管理栄養士さんから米がオススメですよと教わった。

他の主食候補とくらべて制限すべきタンパク質含量が若干低め。そのためエネルギー確保に向いている。足らないときにはデンプンを原料にしたはるさめなどでおぎなってくださいとアドバイスを受けた。粉飴なるものもあるという。

とうぜん米を中心にこんだてを考え、タンパク質の量、塩分量、カロリーなどを自分で計算できるように訓練した。これはたいせつで、あくまでも自己管理すべきもの。慣れると食品や料理を見てすぐに計算できるようになる。いつまでも他人頼みでは目的を果たせない。

慣れてくると


 米に含まれるタンパク質はアミノ酸価(必須アミノ酸のバランスを数値で評価したもの)がじゅうぶんとはいえない。パンの原料の小麦とて同様。制限すべきタンパク質といえども必須アミノ酸の確保はたいせつ。

おなじ植物由来でも豆類、とくに大豆やいんげん豆は良質のタンパク質を豊富にふくむ。そのため、大豆を原料にした納豆や豆腐、油揚げなどをよく利用。くわえて魚(とくに青魚ならDHAなどもいっしょに摂れる)。それらで良質の必須アミノ酸を確保。

したがっておのずと最近の情報に基づいた万人向きのおすすめの食品素材へシフトして自然に慣れてきた。しかもこの米の高騰。やむなく塩分含量に用心しつつパンや麺がふえた。パンをよく食べるようになり、ふと思った。

そういえば


 戦争で国土は荒れ、戦地からの引揚者をふくめ食料の確保は喫緊の課題。昭和なかばでもまだユニセフの脱脂粉乳の配給は大きな都市などで長くつづいた。わたしの住んでいた都市は給食の国産品への転換がなかなか進まず、その最後のほうの地域かもしれない。しばらく地方行政のつごうで給食に脱脂粉乳。戦後の食糧難による国際的な配給が昭和の中頃までたしかにおこなわれ、その余波がわたしの世代までつづいた。

米の増産から流れが変わった。小学生のはじめに減反が徐々にはじまるわけだが、牛乳の国産品の供給もじゅうぶんでなく給食では脱脂粉乳。そのまま小麦を原料としたパン・麺の給食。脱脂粉乳から新鮮なびんの牛乳に変わったのはたしか4年生の頃だった。

くわえて


 外国から配給されるのは小麦とミルク。ミルクは上に記したように粉末の脱脂した脱脂粉乳として。いまのおいしい「スキムミルク」ではない。配給品ののちもしばらく給食はおなじもの。いつも息をとめてひと息で飲み干していた。給食の主食は小麦のパンもしくは麺。米は義務教育の9年間、学校給食ではまったく食べていない。ちょうど義務教育を終えたあたりから米飯給食がはじまったらしい。

当時の減反開始でも起こるコメ余りをどうにかしようとはじまったと聞く。ほかにも米文化を見直そうとの理由があったらしい。自宅ではほとんど米を食べていた。たまに留守番で昼食でパンを買って食べるぐらい。給食をつうじてパン・麺に慣れ親しむようになったと思う。

おわりに


 総務省の家計調査で消費支出割合を調べたところ、1962年の炭水化物(穀類)として米が80%、それが現在では20%あまり(令和4年)。パンは33%とすでに米より支出している。米はめん類にも抜かれている。この割合にはおどろいた。すでに主食の米への支出がこの程度とは。

昨今の状況が生じ、ふたたび望んでいないのに米から離れてしまった。パンを口にしつつふとそう思った。


こちらの記事もどうぞ


広告


いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集