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水道とはべつに、台所や勝手口の蛇口をひねると山からひいた湧き水が出てきて利用できるくらし


はじめに

 新築したときから湧き水をひいている。古くから地域で管理している水。近所の20~30軒ほどがひいている。

くらしのなかでなにげなく利用してきた、公共の水道とはべつにひいている。さまざま利用できる水のあるありがたさ、貴重さを感じている。日頃の湧き水のある暮らしを記す。


古くからの生活の場

 ここは山々が連なリ、目の前は内湾に囲まれた比較的おだやかな海の広がる地。山が迫る谷あいの小さな集落。山間地の不便をおぎなうだけの水の豊富なことで知られ、沿線の鉄道の蒸気機関車はここで水の供給を受けていた。

それほど水の豊富な平らな土地の限られるわりに、むかしから人のあつまる場だったらしく縄文・弥生の遺跡が豊富。水のある場所をとして住んでいたらしい。

畑を耕すと土器の小さなかけらが豊富に出る場所がある。公民館でしらべると古墳時代のものが多い。海が目の前でたべものの採集や水のあるくらしやすい場所だったのかもしれない。

江戸時代には組頭か庄屋だった家から、すこしだけ見おろす小川の両岸に家々がならんでいる。その多くは農家だったようだ。家々のとぎれる上流側に湧き水が出る場所がある。


湧き水の出口

 小川の上流部に粘土層があり、そのすぐうえから水が湧き出ている。この水を受けるコンクリート製のおおきなますがありごくわずかな砂などを沈める。そして、そこから太い蛇口をつうじてつねに豊富な湧き水が流れ出している。毎分300Lぐらい。ほとんどはそのままわきの小川に流している。

むかしから上の畑で収穫した野菜の洗い場として使ってきた。ここで洗って家や集荷場へ持ち込んでいた。便利な場所だ。もちろんこの場所の不定期な維持費用をのぞけば、湧き水はだれでも無料で使える。

さらに、そこから先の2,30軒ほどが配管してひいている。もちろん各家は水道局の水道と併用。湧き水は定期的に水質を検査しつつ使っている。飲み水として、お茶やコーヒーをいれると水道水でいれるよりもまろやかでやさしい。あきらかに軟水。


うちもひいた

 25年前、新築の際に湧き水をひいた。すでに目の前に管が通っていたので躊躇なくそこから取り入れた。蛇口を家の台所、そして屋外の3か所に。初期費用はそれなりに必要だったが、便利さには代えがたい。

この地域は下水道がなく、浄化槽の設置が義務付けられている。合併浄化槽の維持・点検・洗浄など下水道代金にほぼ匹敵する費用がかかる。浄化槽の内部はたまった汚泥などを回収する際に水が必要になる。それには湧き水が併用できる。

上水道の料金はおそらくこの湧き水のおかげで、かなり安くできている。ありがたい。

おもな用途として、庭の水まき、野菜洗い、洗車、掃除、手洗いの洗濯など。

風呂水やトイレ用水にしたかったが、湧き水のかん石が配管などにあたえる影響がどの程度かわからないのでやめた。この用途に使えればさらに費用は抑えられたかもしれない。


おわりに

 この湧き口では流したままにしている。そのほうが滞留せずきれいなままで配管をいつもきれいに保てる。むかしから枯れた話を聞かない。

水道の断水でも湧き水はいつもどおりなのであわてない。しっかり補完している。周辺の地域から水をくみに来られる方々がいる。聞くとおいしいらしい。

 1年を通じて湧き水の水温は気温ほど大きく変動しない。したがって夏にはスイカやトマトを流水につけるとつめたく冷えている。家のなかに冷気を引き込むくふうをできないか模索中。

より有効な活用ができ、だいじに長く使いつづけられたらと思う。


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