【エッセイ】人生の大切なことを勉強したい方へ。あの店員さんから、はがきが届きました ——心に触れると、風が吹く
はがきが届いた。
メールではない。
手書きのはがきが届いた。
今日、僕のもとに一枚のはがきが届いた。差出人は、あの店員さん。そう、以前エッセイに書いた【あの店員さん、ごめん。ポイントに負けた】の、その人である。
僕は家具を買いに行き、彼女のすばらしい接客に心を動かされながらも、結局は「デパートのポイント」という悪魔のささやきに負け、別の店で契約してしまった。あの日の自分を思い出すと、今でも肩がすくむ。
届いたはがきには、手書きでこう書かれていた。
先日は、アクタス西宮ガーデンズ店にてテーブルやチェアのご契約を賜り、誠にありがとうございました。
(中略)
『国宝』をご夫婦で御覧になったとのこと、私もぜひ観たいと思っているので羨ましいです。
テーブルマットは短手方向を丸く面取りいたしますので、奥行よりマイナス2㎝でお作りいたします。
お届けまで楽しみにお待ちくださいませ。
またのご来店を心よりお待ちしております。
アクタス六甲店 〇〇
——えっ、西宮ガーデンズ店で話した映画のことまで知っているとは。六甲店の彼女にどうやって伝わったのか。
こういう人を「プロフェッショナル」と呼ぶのだろう。単なる売買ではなく、人と人とのつながりを紡ぐ。
僕も、こんなふうに誰かの心に残る仕事ができる人間になりたい。
次に家具を買うときには、ポイントの誘惑には目もくれず、迷わずあなたから買います。
はがきをありがとうございました。
あなたのおかげで、また一つ「人としてのあり方」を教わりました。
