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【私の仕事】八村塁選手と日本バスケットボール協会の件(時系列に沿って)【人事労務的視点含む】

前回の記事で、「現状は好調をキープしているが、日本バスケ界の不安点は、逆風が吹いた時の対処能力が未知数な部分」と書きましたが、

八村塁選手の件では、上記の不安点が悪いほうに的中してしまい、


日本バスケット協会(=本部)の対応は、考えられる・取ることの出来る対処法の中の、ほぼ最悪なものを選んでいるとしか言えません。


そして、今回の件は、

八村選手を「従業員側」

日本バスケットボール協会を「会社側」

と考えると、「人事労務(会社運営)」にもぴったり当てはまることですので、人事労務的視点で様々なことを書きたいと思います。

今回の件については、とても書きたいこと・表現したいことが多かったため、私のnoteにしてはかなりの長文になっていますので、お時間がある時に・ゆったりコーヒーでも飲みながらご覧いただけると幸いです。


※今回の記事は、「ネットに記載されている記事」を基にした「第三者的・人事労務的視点」での記述ですので、記事自体に大きな誤りがあったり、バスケットボール界の明文化されていない慣習など、そういったことは考慮に入れていないことはご容赦ください。

記事を読んで頂く方への前置き

ーーー

☆今回の件の流れ


ではまず、今回の件を時系列に沿って並べてみます。

①NBA・グリズリー戦後の八村塁選手記者会見(11月13日)

(1)あまり言いたいことではないんですけど、日本代表のやり方は、あまりうれしくないところがある。お金の目的がある感じがするところは、もうちょっと… 
(2)コーチは日本代表に相応しい人を希望します。
(3)でも、こうやって日本代表を子供たちも見ているので、僕もNBAで頑張って、日本のバスケが強くなるように頑張っていきたい。

②島田慎二・バスケ協会副会長/Bリーグチェアマン会見(11月19日)

(1)八村選手の真意を代理人を通じて確認している。
(2)(協会も八村選手も)どちらも悪気はないし、間違った行動をしている訳ではないが、見え方が異なるとミスマッチみたいなことが起こりうる。

③渡辺信治・バスケ協会事務総長取材対応(11月20日)

(1)八村選手の発言は当然重く受け止めている。
(2)八村選手の代理人と話をした。
(3)パリ五輪前の代表戦を含めてミスコミュニケーションがあった。
(4)以前から7月の韓国戦は出場出来ないと聞いていたが、発表が試合の当日になった。→もしかしたら出場してくれるかもしれないという希望的観測があり、商業目的のために引っ張った意図は無かった。
(5)ホーバスHCは世界的なレベルのコーチで日本代表の強化に最適と考えており、現体制をしっかりサポートしていく。

④NBA・ナゲッツ戦後の八村塁選手記者会見(11月23日)

(1)プレーヤーファースト(選手第一)の精神を持つ方針でない、現在の日本代表ではプレーしたくない。
(2)日本代表はお金も必要、活動費が必要だと言っているが、その活動費がどこに使われているのかという話。協会が自分たちの利益になることを先にやっている。
(3)日本代表のレベルを上げたいという気持ちでやってきた。僕の発言があった後、日本協会の内部の人や、以前に働いた人も含めて僕に連絡してきて『賛成だ。そういうふうにしか見えない』と。やり方がおかしいのは昔から言われていたらしいけど、誰も言っていなかっただけ。
(4)代理人を通して、ずっとどうすべきかということを言っているのに、(協会は)フォローしたくない(取り入れたくない)んですね。僕はずっとそれを我慢してやってきている

⑤日本協会発表(11月25日)

(1)ホーバス体制でロス五輪を目指す方針に変更はない
(2)八村選手の批判については「現状において当協会が発信できる内容については、先般の事務局長の会見がすべてで、今の段階で追加のコメント発表、メディア対応等の予定はない。

⑥Bリーグ所属・渡邊雄太選手のAS発表会見後の取材対応(11月27日)

(1)八村選手とホーバス監督の関係はあまり良くなかった。
(2)その原因は「W杯後、ホーバスHCの発言が変な形で切り取られて、それに八村選手が怒ったこと」
(3)NBAシーズン中は、選手がプレーに集中できるよう代理人が間に入るため「間に人が入ってる状態でいいコミュニケーションはとれるわけはない」
(4)「今回の件で悪者は1人もいない」ということをまず皆さんにお伝えしておきたかった。
(5)八村選手には「僕なりの意見をメディアの前で話させてらう」と伝えてあり了承済み。
(6)僕はホーバスHCが大好きで、日本代表のヘッドコーチとして誰よりもふさわしいと思ってますし、これは僕だけじゃなくて、今、代表に関わっている選手だったり、スタッフのほとんどはそう思っているんじゃないかなと思う。
(7)ホーバスHCは今かなり正直しんどいのではないか。今回こういう形で、今までの功績だったりとか、僕たちのためにコーチとして尽くしてくれてた部分も、否定されていってるような状態だと心配している。
この件で、もしホーバスHCが辞めるようなことがあれば、おそらく今の日本代表は崩壊していくと思う。
(8)可能ならこの話はここでいったん終了したい。決着とはいかないかもしれないですが、中の人間が責任をもって解決していく。今までもやっているので、これ以上、事を大きくしたり(しないでほしい)。僕も代表の一員として責任を持ってこの問題に向き合っていきます。

大体の概要ですが、以上のような流れです。


まず、①の段階では、正直なところこれほど大きな問題に発展するとは考えられませんでした。

13日の取材については、試合についての内容について(いつも通りの試合後の取材)対応しており、そして、相手チームに河村勇輝選手が所属していることから、取材者も特に意図なく「日本代表について」の質問をした感じです。

そして、それに答えた内容も、代表選手であれば多くの方が持っている大なり小なりの不満を言っているだけですし(サッカーでも監督に対して考えを言っている選手は多いです)、最後は「日本代表のために頑張ります」と締めています。

色々心の底に考えていることはありそうですが、現状では特に大きな問題になりそうな話とは感じませんでした。


今回の件が大事になってしまったターニングポイントは、上記②と③(特に③)です。


ちなみに、皆さんも②と③を読んで、何か気になったこと・もしも皆さんが八村選手の立場だったらイラっとしたこと、は無かったでしょうか?

これが分かったならば、その方は、人事労務関連業務を本業に出来る能力が備わっています。

…そんな能力欲しくないですか?笑

では、少し空欄にしますので、戻って読み・考えてみてください。

シンキングタイムスタートです!



どうでしょうか?



皆さんが当事者(選手側)になった気持ちで見てみましょう。



そろそろよろしいでしょうか?



では、答えです。

②(2)の「どちらのも悪気はないし、間違った行動をしている訳でなくても、見え方が異なるとミスマッチみたいなことが起こりうる」

③(3)の「ミスコミュニケーションがあった」

の二つです。

この二つの発言、簡単にまとめますと、

バスケ協会側も八村選手側も、どちらも考え方ややり方は悪くないけど、コミュニケーションは足りなかったよね。
どちらも悪くないんだから、これからも今のやり方は変えなくて良いよね。

ということです。

これ、八村選手側からすると、大激怒ものの発言だと思いませんか?

私は部外者で、前述したようにリリースされている情報からしかまとめや考察が出来ませんので、表に出てこないバスケ協会と八村選手とのやり取りなどの根っこの部分は全く分かりません。

しかし、③(4)については、明らかに協会側に非があります。

アメリカは契約社会であり、出来ないものは出来ないとはっきり伝えます。ですので、希望的観測なんてものを入れてはいけないのです。

「自分は前もって出場出来ないと伝えていた」のにも関わらず、こんな発表の仕方をされたのでは、八村選手側としてはたまったものではありません。

ですので、①(1)の発言は、かなり真っ当なものです。 

もしもですが、今回の①の件を受けて、バスケ協会側が、

※「八村選手の意見は大変理解出来、バスケ協会にも問題があるため、その点について解決していかないといけない」「そしてさらに改善を続けていくので、八村選手にはこれからも日本代表として力を貸して欲しい」という真摯な態度をとり、
「ミスマッチ」「ミスコミュニケーション」のような、協会側は悪くない・責任逃れと受け取られてしまうような言葉を発さなければ、ここまで問題は大きくならなかったのは間違いないです。

八村選手はNBAで活躍中ですし、上記した河村選手など、これからもNBAで活躍する日本人選手は増加するでしょう。

ですので、自分自身のことだけでなく、そういった未来・将来の日本人のことも考えて、八村選手のメリットになることは少ないにもかかわらず、協会に対して改善点について声を上げたのに、

協会側も八村選手側も、どちらの考え方ややり方は悪くないけどコミュニケーションが足りなかったよね。
どちらも悪くないんだから、これからも今のやり方は変えませんよ。

という対応です。

皆さんはどうか分かりませんが、私なら不信感を持ちます。


ということで、八村選手側激怒後の対応が④になります。

激怒後ですからバスケ協会に対して言葉を選ぶ必要もなくなってしまい、発言内容もかなり過激になってしまいました…

この段階になってしまいましたので、今回の件についてバスケ協会と八村選手側が上手い感じで収拾をつける可能性はかなり小さくなりました。


さらに追い打ちをかけるような、バスケットボール協会対応の⑤

バスケ協会も、プレイヤーズファーストを少しないがしろにしていた、といったような気持ちがあり、ある程度後ろめたいところもあるのでしょう。

これ以上取材されたくないために、

「八村塁選手の発言については、もうこれ以上協会側が何かを言うことはありませんよ」

と、一方的に打ち切ってしまいました。

これではもうどうしようもありません。

自分達から、関係改善のためのルートを一つ潰してしまったようなものです。


そして、渡邊雄太選手が言及した⑥です。

まず、言い訳から入りますが、これについては、私は本当は発言したくないです。

これを発言すると「お前には人間の血が通ってないのか!」などという批判を受けてしまうことも目に見えています。

ですが、人事労務関連業務を行う人間として(その立場にある人間として)、⑤については厳しく言及しなくてはいけません。


渡邊選手の会見は、

人間的には100点の行動。

しかし、

日本バスケという大きな括りからすると悪手。

です。

渡邊選手が会見(約15分30秒も行ったそうです…)した気持ち、皆さんも分かりますよね。

皆さんも、

自分と同じ志を持ち(日本バスケを強く・人気のあるものにしたい)、
自分が好きな人たち(ホーバスHCや八村選手)が、
自分の目の前の舞台(日本代表)で、
もめ事を起こしていた場合、

当然、(関係改善のために)自分が出来る範囲で行動を起こしたくなりますよね。

その気持ち、分かります。

ですが、この行動を行ったことで、選手たちを取材すれば、今回の件の情報がどんどん明るみになるという事実を周りが(特にマスコミが)認識したのですから、これからは、マスコミは「取材を拒否したバスケ協会」ではなく、「日本代表選手など、Bリーグ選手たち」に対して取材を行うようになるでしょう。

そうすると、今までは「試合内容や自分のプレー」について発言すれば良かった取材対応が、色々な立場の人のことを考えながら・言葉を選びながらの取材対応だけにしまい、心身ともに余計な負担が増えてしまいます。

実際に、渡邊選手の会見の後には、「八村塁選手とホーバスHCの確執の発端は、2023年の9月3日の発言か?」という記事が出てしまいました。
このように、当事者(バスケットボール協会と八村塁選手)以外が、(憶測で)様々なことを言い出してしまっては、良い結果につながる可能性が小さくなってしまいます。

私は、渡邊選手の行動を悪手と言いましたが、

「⑤でバスケ協会はこれ以上発言しないと言っている。ならば、私が発言するしかない!」と考えてしまい・行動を起こしてしまったことを、誰が非難出来るでしょうか。

ここまで読んで頂ければ分かるように、


今回の件は、八村塁選手・ホーバスHC・渡邊雄太選手といった、現場の方々は誰も悪くありません。


渡邊選手の尽力もあり、今回の件は、現在ある程度収まりつつありますので、根本的な問題は何一つ解決していませんが、様々な火種だけを残して(表面上では)いつも通りの日常が戻ってくると思います。

しかし、ここからの数か月に、バスケ協会・Bリーグ選手・ブースターがどのような行動を起こすかが、日本バスケの将来につながってくると言っても過言ではありません!


ーーー

☆これからの対処法


とにかく、今回の件については、

八村塁選手(NBA所属で実力・人気・知名度あり)と、
日本バスケットボール協会の運営方法の問題

という形を崩してはいけません。

それを崩すと、収拾がつかなくなってしまいますので、それを前提に

「バスケットボール協会」「Bリーグ選手」「ブースター」

は行動を起こす必要があります。

具体的には、以下のようなことが考えられます。


①日本バスケットボール協会

(1)代理人を介して・その他どのような方法でも良いので、八村選手側との関係改善に努める。

(2)親善試合に八村選手を招集し、そこで(公式・非公式問わず)、監督含め仲良くやっている絵面を見せる。

ということです。

幸いにも、まだシーズンは始まったばかりで、次のシーズンオフまでは時間がありますので、この期間中に関係改善のために様々な労力を使いましょう。

ちなみにですが、ここでの最悪手は、

時間が解決してくれるだろうとして、シーズンオフまで大きなアクションを取らず、その後本人と話すが結局わだかまりが解消しない。

ということです。

ただ時間だけが無駄に流れてしまったという状況です。

とにかく、今から出来る限りの関係改善策を取らなくてはいけません。

そして、今回、八村選手との関係改善のために行なった行動は、これからNBAに所属するであろう日本人選手と問題が起こった場合にも役立つ行動です。

決して無駄にはなりません。


②Bリーグ選手

多くの取材が来ることが予想されますし、言いたいことがある方もいらっしゃるかもしれませんが、とにかく「今回の件は、八村選手と協会が中心のことなので、私はバスケットボールに集中します」というスタンスを崩さないことです。

今回の件から、バスケ協会は、正直、まだまだマスコミ対応が上手でないことが判明しました。

ですので選手個人個人がマスコミ等へ話すと、真意が伝わらず(=わざと曲解して)内容を変更される可能性もあります。

これからも、特に日本代表選手に対しては、多くのマスコミが質問&取材を申し込んでくるでしょう。

それについては、選手個人だけでなく、協会や各Bリーグチーム全体で対応する必要があります。


③ブースター側

とにかく、私達はバスケットボールが好きで応援したいというスタンスを崩さず、今までのように、日本代表の試合やBリーグの試合を観戦し盛り上げる、ことです。

つまり重要なことは、「この問題が起こる前と同じようにバスケットボールを楽しむ」ことです。

特にやって欲しくないことは、

ブースターが「協会批判」「日本代表批判」「八村選手批判」を行うこと

です。

前述したように、今回の件は、「バスケ協会と選手側」の問題であるという形を崩してはいけません。

そこに色々な人(ところ)が絡んでくると、収拾がつかなくなることは目に見えています。

そして、そうなってしまうと、根本的な問題解決にもつながらない可能性が高いです。

今回の件について言いたいことがある方は多いかと思いますが、今こそ、ブースター(選手を後押し)の本質を思い出し、頑張っていきましょう。


ーーー

☆今回の件から学ぶ会社運営


そして、今回の件で分かることは、


従業員側からの問題提起に対して「100%会社側は悪くない!」という立場を取らない。


ということです。

従業員側がこういった問題提起をしてくる場合は、

①もう会社を辞める(会社を辞めようと思っている)ので、今までの不満を吐き出した

②管理職など、会社内の様々な意見を聞く立場であって、少しでも会社環境を改善させよう

という二種類の場合がほとんどです。


①については、辞めるのだからその後のことや周りのことなど考えないで、自分中心の意見になりがちなので、会社側としては、あまり真摯に対応しにくいかもしれません。

しかし、②については、


ある程度会社の内情に詳しい(会社の立場も理解している)人間が問題提起をしてくるのですから、真摯に向き合い、受け入れるところとどうしても突っぱねなければいけない所を、丁寧に説明し理解してもらう


ということが必ず必要です。

会社側としては、従業員側からの問題提起はあまり面白くなく感じがちですが、中身によっては会社を良くするものもありますので、柔軟な対応が求められます。


ーーー

私は、バスケットボール(Bリーグ)は、もっと発展するポテンシャルを持っていると思っていますし、

室内スポーツが発展すると、スポーツ観戦全般が楽しくなるので、今回の件もきっちり解決し、未来につながるような・夢を持てるような業界にして欲しいと思います。


日本バスケットボール協会等の方々の尽力に期待します!



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今回の画像は【ケンちゃん】さんからお借りしました。ありがとうございます。

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