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【家購入リアル記録】聴覚障がいの僕が、6社のハウスメーカーと打ち合わせを始めた理由【序章】


家を買った方がいいのかな、と思い始めた日。【家を買うまでの記録・序章】

家を買った方がいいのかもしれない、と思い始めたのは、ある日の帰り道だった。

キャンプ道具を抱えて、サッカーボールとスパイクを持って、アパートの階段を何往復もした。「また運ぶのか」とため息をついたとき、ふと頭をよぎった。

「この家賃、毎月払い続けて、何が残るんだろう。」

毎月の家賃は、払えば払うほど消えていく。でも家を買えば、同じ支出が自分の資産になる可能性がある。賃貸と持ち家、どちらが本当に得なのか。そう考え始めたのが、動き出したきっかけだった。

もう一つ、気になっていたことがある。愛犬のことだ。

広いスペースで、のびのびと過ごさせてあげたい。外の音や他の住人を気にせず、安心できる環境を作ってあげたい。アパートでは限界があると、ずっと感じていた。

ブレーカーが落ちた日、妻が一番つらそうだった。

アパートで、もう一つ困っていたことがあった。

料理をしながら冷蔵庫やIHなど複数の電気を同時に使うと、ブレーカーがよく落ちた。

冷蔵庫にはいつも青いランプが光っている。それが当たり前の日常だった。でもある日、ふと見ると光っていない。反応もしていない。そこで初めて気づいた。ブレーカーが落ちていた。

音では気づけない。だから視覚で気づくしかない。でも仕事に出かけたり、プライベートの用事や試合に行ったりしているときは、その異変すら見えない。帰宅して初めて「また落ちていた」と知る。そういうことが、何度もあった。

ブレーカーが落ちるたびに、一番しわ寄せがいったのは妻だった。

妻は料理が大好きだ。毎日同じものを作るのではなく、いろいろな食材を使って、さまざまな種類の料理を作る。それが妻の日常であり、楽しみでもあった。

でもアパートでは、その楽しみが何度も邪魔された。料理の途中で突然電気が消える。IHが止まる。冷蔵庫が止まる。せっかく工夫して作り始めた料理が台無しになることもあった。おいしく作れない、また落ちるかもしれない。そのストレスが、じわじわと積み重なっていった。

自分が気づけないだけならまだいい。でも料理好きな妻がストレスを抱える環境は、変えなければいけないと思った。

「家の設備が整っていれば、こういうことは減るんじゃないか。」そう思い始めたのも、家を探す理由の一つになった。

荷物の多さ、家賃への疑問、愛犬への思い、そして日常の不便さ。四つが重なって、「一度ちゃんと調べてみよう」と動き始めた。

とにかく、自分で土地を探してみた。

最初は、自分で土地を探し始めた。

条件は明確だった。今のアパートのような場所。駅まで数分もかからない距離で、通勤にも買い物にも便利な立地。子どもが学校に通うことも考えると、駅近は絶対に外したくなかった。

でも、動き始めてすぐに気づいた。

そういう土地が、なかなか見つからない。

駅に近い土地は、そもそも出てこない。出てきたとしても、価格が跳ね上がる。さらに、駅近くに土地があったとしても、建築条件付き土地が多かった。

建築条件付き土地とは、その土地を買う際に「指定の建築会社で家を建てること」が条件になっているものだ。自分が好きなハウスメーカーを選べない。自分たちの理想の家を自由に設計できない。駅近の土地を見つけても、「ここに住みたい家が建てられるか」という問題が、また立ちはだかった。

理想はある。でも現実は簡単ではなかった。何をどう判断すればいいのかもわからないまま、情報だけが増えていく状態だった。

父親に相談したら、「妥協しない」と言ってくれた。

そんなとき、父親に相談した。

正直、背中を押してもらえると思っていた。でも父親の反応は、予想と違った。

「家を買うのはまだ早いんじゃないか。」

人生で一番大きな買い物だ。アパートに住みながらお金を貯めていけばいい。NISAで積み立てながら、じっくり準備すればいい。土地だって、今は高い。

父親が心配していたのは、お金のことだけではなかった。将来的に日本では家が余る時代になる。新築を建てても、資産としての価値が下がっていく。

YouTubeでひろゆきさんが「今の時代は中古住宅を買ってリフォームした方がいい」と言っていたのも、その考えと重なっていた。

だから父親はこう言った。

「だったら、中古住宅を買ってリフォームすればいいんじゃないか。」

父親の言葉を聞きながら、心の中でそう感じた。

「おれは、家を買うのはダメなのか。反対されているのか。」

一理ある、と思った。新築にこだわる必要はないのかもしれない。でも、心のどこかでまだ諦めきれなかった。

でも父親は、最後にこう言ってくれた。

「妥協しないよ。いい土地が見つかればいい。」

そして、こう続けた。

「駅の近くがいい。通勤にも便利だし、どこにでもすぐ行ける。子どもが学校に通うことも考えると、立地だけは妥協しない方がいい。それに、平屋もいいんじゃないか。」

反対していたわけじゃなかった。心配していたんだと、そのとき気づいた。お得かどうかより、後悔しない選択をすること。父親の生き方がそのまま言葉になったような一言だった。

その言葉が、背中を押した。


家を買った先輩の一言が、動き出すきっかけになった。

自分だけで動くには限界を感じていたころ、家を購入した先輩に相談する機会があった。

「スーモカウンターに行ってみたら?」

スーモカウンター。名前は聞いたことがあったが、どんなサービスかは知らなかった。調べてみると、家づくりの専門アドバイザーに無料で相談できて、自分に合ったハウスメーカーを紹介してもらえるサービスだという。

「無料で?」と最初は半信半疑だったが、先輩の経験談を聞いて行ってみることにした。

聴覚障がいを正直に伝えたら、対応が変わった。

事前に予約を入れておいた。当日、妻と一緒にスーモカウンターへ向かった。

一つ、正直に伝えたことがある。自分が聴覚障がいを有しているということだ。

伝えた瞬間、担当者の対応が変わった。ゆっくりと口話してくれて、説明のたびに「わからないところはありますか?」と確認してくれた。置いていかれる感覚がなかった。それだけで、安心して話を進めることができた。

家への希望も、正直に伝えた。

「保証期間は長い方がいい。メンテナンスにはできるだけお金をかけたくない。」

家は買って終わりではない。外壁の補修、設備の交換、点検費用。長く住めば住むほど、維持コストが積み上がっていく。それをできる限り抑えたい、というのが正直な気持ちだった。

複利の話と同じだ。最初の選択が、10年後・20年後の負担を大きく変える。

予算・希望エリア・家族構成・ライフスタイル。夫婦二人の希望を一つひとつ丁寧にヒアリングしてもらい、自分たちの条件に合うハウスメーカーを紹介してもらった。気づいたら、2〜3時間が経っていた。

「無料で、ここまでやってくれるのか」と素直に思った。


紹介されたのは、この6社だった。

6社。多いと思うかもしれない。よく名前を聞くメーカー、長年にわたって実績を積み上げてきた安定したメーカー、最近じわじわと人気が上がってきているメーカー。一口に「ハウスメーカー」といっても、それぞれがまったく違う強みと哲学を持っていた。

でもまだ何も決まっていない。だからこそ、一社ずつちゃんと向き合ってみようと思った。妥協はしたくない。


庭付きの平屋で、妻と愛犬と暮らし、友達を呼べる家にしたい。

土地を探しながら、少しずつ「どんな家に住みたいか」も考えるようになった。

まず、愛犬が自由に遊べる庭が欲しい。広すぎなくていい。でも、思い切り走り回れるくらいのスペースは作ってあげたい。愛犬が庭で過ごしている姿を、家の中から眺められたら、それだけで毎日が豊かになる気がしている。

そして、もう一つ。

平屋を建てたい。

階段のない、すべてが一つの階に広がる家。シンプルで、どこにいても家族の気配を感じられる空間。「いつかは平屋」と憧れている人は多いと思うが、自分もその一人だ。父親も「平屋もいいんじゃないか」と言ってくれた。その言葉が、背中をさらに押してくれた。

そして、もう一つ大切にしたいことがある。友達とよく遊ぶので、みんながゆったりと集まれるオープンな空間が欲しい。狭くて窮屈な場所では、会話も弾まない。広々としたリビングで、気兼ねなく話せる場所。家が、人が集まる場所になってほしいと思っている。

庭で愛犬が走り回り、妻と穏やかな日常を過ごし、ときどき友達を呼んで平屋の開放的な空間で笑い合う。そんな家を、いつか実現したい。


そして、平屋には自分にとってもう一つ大切な意味がある。

聴覚障がいを持っていても、視覚で周囲を安心して見渡せる。

階段で隔てられた二階建てでは、上の階で何が起きているか音では気づけない。家族がどこにいるか、愛犬が何をしているか、目で確認するしかない。でも平屋なら、視線一つで家全体を見渡せる。家族の気配を、音ではなく視覚で感じられる。

実は、この感覚はずっと前から知っていた。

実家がそうだったのだ。母は自分のために、家の中の動線を考えてくれていた。どこにいても、何が起きても、目で確認できる。家族の会話に自然と入れる。そんな空間を、母はずっと作ってくれていた。

父親が「平屋もいいんじゃないか」と言ってくれたのも、母が実家でそうしてくれていたのも、根っこは同じだ。

聴覚障がいがあっても、家族と当たり前のように暮らせる場所。

理想の間取り

それは「妥協できない条件」というより、「自分にとって最も自然な暮らし方」なのかもしれない。家族が作ってくれた感覚を、今度は自分が、自分の家族のために作っていく番だ。

だからこそ、妥協したくない。


おわりに・このシリーズについて

この記事から、各ハウスメーカーとの打ち合わせを一社ずつ記録していく。

価格、保証、設備、営業の対応。数字でわかることも、数字にならない感覚も、できる限り正直に書いていく。答えはまだ出ていない。でも、その過程をそのまま残していくつもりだ。

家を買うか迷っている人、自分と同じようにまだ答えが出ていない人。聴覚障がいがあって家購入に不安を感じている人。この記録が、誰かの「最初の一歩」になれば嬉しい。

次回は、1社目のアイ工務店との打ち合わせ結果を書く。

※ この記事は筆者個人の体験・感想をもとにまとめたものです。各社のサービス内容は時期や条件により異なります。詳細は各社へ直接ご確認ください。


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