神絵師

 神絵師の絵をまじまじと見て粗を見つけこれなら自分にも描けるかも……? などと冒涜的なことを考えて、いざ自分で描き始めてみると己の絵のあまりの下手さにうわあああとなってしまう。
 ということがあった。
 見直してみると、神絵師の絵のどこに粗があったのかわからないまである。やはり神絵師は神絵師ということか。
 そもそも線画からして違う。神絵師の線画はなんかいい感じのブラシを使ってスッと引かれていて、私の線画は顔以外へにゃへにゃ。
 神絵師のデッサンは細かく、線の一つ一つにいたるまで色気を感じる。私のデッサンは破綻しないことで手一杯になるあまり躍動感に欠ける。
 神絵師の塗りは立体感がわかるように塗られていて、自分の塗りは……まだ塗っていないのでわからない。わからなくてよかった、わかったらますますうぐおおおとなっていただろうからだ。

 嫉妬の炎が燃え上がる……ということはなく、無力感に打ちひしがれるの方である。
 神絵師は絵があまりにも上手い。何かそういう勉強でもしていたのではないかと疑うほどだ。
 しかし、神絵師というものはだいたい背後情報を悟らせない。隠す。そのあとに広がるのは神絵師の洗練されたポストと神絵、そして無のみである。

 おわり。

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