オイラと変な色の空
オイラはジロ。
血統書付きの柴犬だ。
昼間は晴れていたのに、夕方過ぎから雲行きが怪しくなってきた。
窓の外の色がなんか変だ。
グレーにオレンジが混じったような空の色。
「ジロさん、散歩に行こう」
世話係はその空色に何かを感じ取ったのか、
少し早いが散歩に行くことにしたらしい。
オムツハーネスを装着していざ散歩へ。
「蒸し暑いね」
そう言いながらゆっくり歩き出す。
くん活しながら進んでいると、突然すごい突風が駆け抜けた。
風が来る前に、風が来る方向からザザザザザザという音が
走ってくるのがわかった。
世話係がその音のする方を振り向くと、刺さるような風が目を直撃したらしい。
「目が痛い、ジロさん大丈夫?」
オイラもしっかり顰めっ面だ。
「散歩どうする?」
行くに決まってるだろ。
そういって無言で歩き出すオイラ。
またしばらく強い風が吹いている中を歩いていると、
遠くの方でピカリと光った。
「1、2、3、4、5・・・・10、まだ雷は遠いみたい」
世話係のルールでは、光ってから10数える間にゴロゴロ言わなければセーフらしい。
そうこうしているとまた遠くで光った。
黒い雲の中から真下に向かって走る稲妻。
ゴロゴロという音はしない。
「ジロさん、帰ろう」
なんだって?まだ半分も歩いてないぞ。
座り込むオイラ。
「ジロさん、これは雨も、雷も来るよ。今のうちに帰ろう」
オムツハーネスと、上半身のハーネスを装着しているオイラは
世話係に持ち上げられてズルズルと家路に着いた。
家について数分後、すごい雨が降り出した。
「よかったね、ジロさん」
よくないぞ。
オイラの散歩はまだ途中。
オイラはジロ。
今日もなんとかなってるぞ。
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よろしくな。