基板加工機が止まった日から、授業を引き継ぐ日まで ――2018年度から2025年度、工学実験で学生への問いを変えてきた記録
前史――七コマで基板を作る「虎の穴」
私が工学実験を継続して担当するようになる前年、2018年度の前期に、その授業を初めて担当した。
授業は、前任の非常勤講師と校内の担当教員が共同で開発した、七コマ完結の密度の高い内容だった。
学生には一人一台、Windows XPが動作する、メモリ512MBの古いノートパソコンが渡された。学生はEAGLEを使い、提示された実験回路を回路図として入力する。まずは回路図をそのまま写す、いわば写経の時間だ。
続いて基板パターンを設計し、加工用のG-codeを生成する。
学生の設計データは教員が集め、人数分の名刺サイズの基板を一枚の片面FR4基板上へ配置し直す。それを基板加工機で一括加工し、個々の基板へ分割して学生へ渡す。
学生の設計に誤りがあれば、その誤りも実物の基板として現れる。学生は受け取った基板を確認し、必要に応じて配線で修正しながら、どこをなぜ間違えたのかを理解して実装する。
製作するのは、NE555を用いた非安定マルチバイブレータである。二つのスイッチによって異なる周波数を発振させ、完成後にはそれぞれの周波数を測定し、その違いを回路図と動作原理から検証する。
回路図入力、基板設計、製造データ作成、加工、実装、修正、測定、考察を七コマで行う。まさに「虎の穴」と呼びたくなる授業だった。
この年、私が担当したのはクラスの半分に相当する二つの班だった。ところが、一つ目の班を進めている途中で、授業の中核となる基板加工機が故障し、動かなくなった。
基板が作れなければ、その後の実装も測定もできない。
幸い、他学科に同型の加工機を保有している先生がいた。私はそちらで加工への対応を行い、二つ目の班についても基板を用意して、前期の授業を終えることができた。
私の担当が前期だけだったのは、授業計画上の理由ではない。当時、学校には非常勤講師を通年で雇用する予算がなく、半期分しか確保できなかったためだった。前期終了後、授業は校内の担当教員へ戻った。
しかし、基板加工機の故障と更新の必要もあり、翌年度は加工機の入手を含めて、通年で授業を担当してほしいという依頼を受けた。
こうして2019年度から、私はこの工学実験を継続して担当することになった。
二台の新品加工機があっても、前年の授業は再現できなかった
翌2019年度、通年での担当を依頼されて学校へ行くと、私は少し驚いた。
前年の故障を受け、学校は予算を確保し、新しい基板加工機を二台導入していたのである。一台が故障しても、もう一台で授業を継続できるようにする。その判断自体は、前年の経験を踏まえた真っ当な対策だった。
ところが、実際に授業の準備を始めると、新しい加工機では従来の授業方式を再現できないことが分かった。
前年まで使用していたドイツ製加工機では、学生一人ひとりが作成したG-codeを教員側で集め、人数分の名刺サイズ基板を一枚のFR4基板上へ配置し、一括して加工することができた。
一方、新たに導入された国産機は、加工機としては同等であっても、複数の学生が作成したG-codeを一枚の基板へ合成する従来の工程に対応できなかった。
限られた予算で二台を導入するため、従来のドイツ製機の後継機ではなく、同等の加工能力を持つ国産機が選ばれていた。
加工機は二台ある。しかし、前年の授業を成立させていた製造工程は使えない。
ここで明らかになったのは、設備を同等品へ置き換えるだけでは、授業は引き継げないということだった。必要なのは加工機単体ではなく、CAD入力、G-code生成、複数データの合成、一括加工、基板の分割、学生への返却までを含む一連の仕組みだったのである。
そのため2019年度は、EAGLEによる基板設計と基板加工を中心とした「虎の穴」型の授業を、そのまま継続することができなかった。
結果として、回路製作はブレッドボードを用いる方式へ変更した。
当初は、前年の「虎の穴」型授業からトーンダウンしたように感じた。
ところが、授業を続けてみると、失ったものばかりではなかった。ブレッドボードなら、回路を組み替え、部品値を変え、同じ現象を条件を変えて繰り返し測定できる。製作工程を外したことで、測定と検証へ時間を振り向けられるようになった。
こうして、設備上の制約から始まった変更は、やがて、回路を完成させることよりも、信号を正しく与え、波形を測り、条件を変え、結果を比較することへ重点を置く授業へ変わっていった。
翌年度から授業を引き継ぐにあたり、私はこの授業の意図を残しながら、学生が回路の動作と測定結果をもう少し丁寧に追える構成を考えることになった。
それは、前の授業を否定して別のものへ置き換える仕事ではなかった。
設計したものを実物にし、動作を測り、結果を説明するという工学実験の骨格を受け継ぎながら、限られた時間、設備、学生の進度の中で、どの部分をどのように経験させるかを組み直す仕事だった。
新世紀としての仕切り直し
工学実験という授業テーマは、毎年まったく新しいものを作る仕事ではありません。
扱う回路は、半波整流、全波整流、平滑、コンデンサの充放電、RCフィルタなど、電気電子工学の基礎として長く教えられてきたものです。使用する測定器も、ファンクションジェネレータ、オシロスコープ、LCRメータといった、技術者にとって基本的な道具です。
しかし、同じ回路と同じ測定器を用いても、
学生に何をさせるのか
何を見つけてほしいのか
どの段階で問いを与えるのか
によって、授業の性格は大きく変わります。
私は2019年度から2025年度まで、この工学実験を担当する中で、与えられた実験テーマそのものを大きく変えるのではなく、学生への問い方を少しずつ変えてきました。
本稿では、その教材と授業の変遷を振り返りながら、同じように各地で実験・実習教育へ取り組まれている方々と共有できる形で整理してみたいと思います。
最初の課題は、実験を成立させることだった
2019年度当初に必要だったのは、まず学生が授業時間内に回路を組み、測定器を接続し、予定された波形まで到達できるようにすることでした。
回路図を見ただけで、全員が同じようにブレッドボードへ配線できるわけではありません。
部品の極性、ブレッドボード内部の接続、プローブの当て方、オシロスコープのチャネル設定、ファンクションジェネレータの振幅や周波数など、実験が始まる前に越えなければならない段差が数多くあります。
そこで、学生が参照するガイドには、
どの部品を使うか
どこへ配線するか
測定器をどう設定するか
何を記録するか
を示しました。
この段階での問いは、比較的単純です。
正しく回路を作れるか。
波形を表示できるか。
指示された値を記録できるか。
実験を成立させるためには、これは欠かせません。
ただ、授業を続ける中で、次第に別の問題が見えてきました。
手順どおりに作業して波形が表示されても、その波形が何を意味しているのか、学生自身が説明できるとは限らなかったのです。
手順どおりにできることと、理解していることは違う
2020年度は、2019年度の学生用ガイドを継続して使いながら、冒頭の導入資料では、発振器とオシロスコープの使用から、整流、平滑、充放電、フィルタへ進む実験全体の流れを示しました。また、基礎的な回路実験が、通信機器、組込み開発、測定、デバッグ、製品評価など、実際の技術活動へつながっていることも伝えようとしました。
この時期から、授業の問いは少し変わり始めました。
波形が出たか
だけではなく、
なぜその波形になるのか
入力と出力では何が変わったのか
次の実験とどのようにつながるのか
を考えさせる必要があると感じたからです。
半波整流、全波整流、平滑、充放電、フィルタは、別々の課題ではありません。
ダイオードによる整流で得られた脈流をコンデンサで平滑し、その充放電特性を時定数として確認し、さらに周波数による応答の違いをフィルタとして見る。
実験テーマのつながりは、当初からありました。
課題は、そのつながりを学生の学習行動の中にどう表すかということでした。
学生がつまずいた場所を、次の教材へ戻す
2021年度には、授業中に見つかった学生のつまずきを、指導書や補助資料へ戻す作業が増えていきました。
たとえばCRフィルタは、回路を作って入出力波形を観測するだけなら比較的簡単です。
しかし、その意味を理解するためには、
容量性リアクタンス
振幅比
位相差
カットオフ周波数
dB表示
片対数グラフ
理論値と実測値の比較
を結び付けなければなりません。
これらを実験手順と同じ資料へすべて入れると、学生が作業中に必要とする情報と、理論を理解するための情報が混在してしまいます。
そこで2021年度には、主ガイドとは別に、
一次CRフィルタ特性の説明資料
理論値を示す資料
Excelによる計算資料
を補助資料として配布しました。
ここで起きた変化は、単に説明量を増やしたことではありません。
一冊の資料にすべてを詰め込むのではなく、学習行動ごとに資料を分ける
という考えが生まれたことです。
実験を進めるための資料と、理論を理解するための資料は、必ずしも同じ形である必要はありません。
完成した理論値を見るだけでなく、Excel上で周波数や部品値を変え、減衰量や位相の変化を確認することも、学生にとって一つの実験になります。
この時期から、問いはさらに変わりました。
指示された測定を行えるか
だけでなく、
数値を変えると結果はどう変わるか
実測値は理論曲線のどこに位置するか
合わない場合には、何が影響しているか
を考えさせるようになりました。後に、実験ガイド、チェックシート、シミュレーション資料、指導者向け解説編へと教材を分けていくことになるが、その原型は、この年にCRフィルタの補助資料を別に作ったところにあった。
2022年度――実験を一連の技術活動として体系化する
2022年度には、これまで授業中に補ってきた内容を、学生が参照できる実験ガイドとして本格的に体系化しました。
ガイドには、実験を次の五段階として示しました。
試作
原理
実験
測定
評価
回路を作るだけではなく、事前に原理を調べ、予想される結果を考え、必要な測定点と条件を定め、実測値を理論値と比較し、最後に性能や特性を評価する。
この流れを、指導者側だけでなく学生側にも明示しました。
ガイドには、直流と交流、周波数スペクトル、ファンクションジェネレータ、部品の種類、ブレッドボード、オシロスコープ、プローブ、カーソル、MATH機能、掃引発振、シミュレーションまでを収めました。
特にオシロスコープについては、ボタン操作だけでなく、
A/D変換
垂直軸の分解能
水平軸の時間範囲
プローブの負荷効果
プローブ補正
AC結合とDC結合
トリガ
カーソルによる時定数・位相差測定
まで説明しました。
ここで学生に問う内容は、
数値が表示されたか
から、
その数値は、正しい条件で得られたものか
へ変わります。
オシロスコープに数字が表示されたからといって、その数字が正しいとは限りません。
波形を小さく表示していないか。必要な周期数が画面に入っているか。プローブ倍率は合っているか。補正は済んでいるか。結合条件は適切か。
実験結果を信用する前に、測定条件を確認することを求めるようになりました。
2023年度――測った結果を、どう読むか
2023年度には、実験結果を得るための支援から、得られた結果を解釈するための支援へ重点が移りました。
たとえば、ダイオードの順方向電圧については、入力と出力の最大値の差から順方向電圧を求め、抵抗値から順方向電流を計算し、その電流条件をデータシートの特性図と比較する方法を示しました。
このとき重要なのは、単に「測定値とデータシートが合ったか」を見ることではありません。
測定した電流がデータシートのグラフ範囲に入っているか。
比較条件が妥当か。
グラフ範囲外なら、抵抗値を変えて適切な電流条件を作る必要があるのではないか。
ここで学生への問いは、
この値はいくつか
から、
この値を比較してよい条件になっているか
へ変わります。
さらに、ファンクションジェネレータの50Ω内部インピーダンスを含めて、目的の電流を流すための抵抗値を逆算する例も加えました。
回路図に描かれた部品だけではなく、信号源内部の抵抗も実験結果へ影響します。
測定対象と測定系を分けて考える必要が、ここで明確になりました。
また、付帯資料には整流、平滑、充放電、LPF、HPF、RLC共振のシミュレーションを用意しました。充放電が完了する場合としない場合を並べ、「違いは何か」と問いかける資料も作りました。
シミュレーションは正解を与えるものではありません。
実験前に何が起こるかを予測する
実験後に差異を見つける
その差が回路、部品、測定条件のどこから来たのかを考える
ための比較材料です。
2024年度――測定対象だけでなく、測定系を疑う
2024年度には、測定対象となる回路だけでなく、
信号源
出力インピーダンス
負荷抵抗
DCオフセット
ノイズ
オシロスコープの接地
AC・DC結合
機器番号
まで含めて、一つの測定系として扱うようになりました。
学生向けガイドには、ファンクションジェネレータの出力をオシロスコープで確認し、最大値と最小値が非対称ならDCオフセットを調整すること、低域のハイパスフィルタ測定では、信号源のスイッチング電源ノイズが重畳する可能性があることを明記しました。
ここでの問いは、
回路は正しく動いているか
だけではありません。
信号源は設定どおりの信号を出しているか
負荷を接続したことで入力電圧は変わっていないか
測定器を接続したことで回路条件を変えていないか
表示された波形のうち、回路の応答と装置ノイズはどれか
へ広がります。
シミュレーション資料も、一般的な波形例から、実際の実験条件ごとの予測資料へ変えました。
ダイオードの種類、47Ωと1kΩの負荷、コンデンサ容量、入力周波数、パルス幅などを変え、実験前に傾向を予測できるようにしました。
学生に「正解」を見せるのではなく、
この条件なら、どの程度の違いが生じるはずか
という見通しを持たせるためです。
さらに、水平軸や垂直軸を意図的に変え、オシロスコープの自動測定値がどのように変わるかを確認する測定演習も取り入れました。
正しい設定を覚えさせるだけではなく、
設定が不適切なとき、何が起きるか
を経験させる授業へ変えたのです。
2025年度――学生への問いと、次の人への問い
ここでいう「次の人」には二つの意味があった。
一つは、班の中で同じデータを使う相手や、後からレポートを書く自分自身である。もう一つは、翌年度からこの授業を引き継ぐ担当者である。
学生には、第三者が条件を再現できる記録を求めた。私自身もまた、次の担当者が授業中の判断を再現できる資料を残そうとしていた。
測定前には結果を予測し、測定後には理論値・予測値・実測値を比較する。
実験結果は個人の一時的なメモではなく、班の共有データとして残す。
レポートは実験時間内に急いで完成させるのではなく、授業後一週間以内に整理して提出する。
こうして、実験の進行管理を少しずつ学生側へ移しました。
一方で、新旧二種類のファンクションジェネレータを併用するため、DGE2070とDFG-6003の操作・表示・High-Z設定の違いもガイドへ加えました。
同じ「5Vpp」という表示でも、装置が前提としている負荷条件によって意味が異なります。
機種が変わっても、測定目的と電気的条件を読み替えられるようにすることが必要でした。
また、実験条件を改善した結果も教材へ戻しました。
当初、ダイオードの順方向電圧を1kΩ負荷で測定していましたが、電流が小さく、データシートとの比較条件として十分ではありませんでした。
そこで47Ω負荷を加え、順方向電流を増やして測定したところ、実測した順方向電圧がデータシートの特性とよく対応しました。4月版の説明を、5月版ではこの実測例へ置き換えています。
つまり、学生に求めていた
予測し、測り、比較し、条件を見直す
という行動を、教材改訂そのものでも行ったことになります。
解説編に残したかったもの
2025年度には、翌年度以降の担当者への引き継ぎを意識して、指導書解説編を作成しました。
そこには、実験手順だけでなく、
実際に取得した波形
信号源のオフセット
負荷による電圧低下
ノイズの重畳
自動測定値の誤差
プローブ設定の影響
学生が誤配線したときの現象
再測定すべき条件
レポートで問う考察点
を収めました。
手順だけなら、次の担当者も読むことができます。
しかし、授業中に本当に必要なのは、
この波形ならどこを疑うか
この程度の差は誤差と見るか
どこまで学生に考えさせるか
どの時点でヒントを出すか
どの結果なら再測定させるか
という判断です。
これらは、担当者の経験の中に埋もれやすいものです。
解説編で残したかったのは、操作方法そのものよりも、授業中の判断の視点でした。
また、理想波形だけでなく、実機で得られた少し不完全な波形を残したことにも意味があります。
実際の授業では、理論どおりにきれいな波形だけが現れるわけではありません。
むしろ、その違いをどう読み、学生への問いへ変えるかが、実験授業の重要な部分です。
変えてきたのは、実験テーマではなく問いの深さだった
2019年度
正しく回路を作り、測定器を操作できるか。
2020年度
この実験は次の実験とどうつながるか。基礎回路は実際の技術とどう結び付くか。
2021年度
理論値はどのように計算されるか。周波数や部品値を変えると何が変わるか。
2022年度
その測定値は、正しい条件で得られたものか。測定器の設定は妥当か。
2023年度
実測値は、データシートや理論と比較できる条件か。
2024年度
回路ではなく、信号源や測定器が結果へ影響していないか。
2025年度
予測、測定、比較、記録、報告を自分たちで管理し、他者が再現できる形で残せるか。
最初は、正しい答えへ到達させるための授業でした。
やがて、正しい測定条件を考えさせる授業になり、最後には、
得られた結果を信用してよい理由を説明できるか
を問う授業へ変わりました。
同じような取り組みをされている方々へ
実験・実習教育を担当していると、教材改善は個々の教員がそれぞれの現場で進めていることが多いと思います。
学生がつまずいた箇所へ説明を加える。
装置が変われば操作資料を作り直す。
実験時間に収まらなければ手順を組み替える。
理論と実測が合わなければ条件を再確認する。
こうした改善は、日常の授業ではごく普通の仕事に見えます。
しかし、数年分を並べてみると、それは単なる修正履歴ではありません。
何を学生に問うか
どこまで自分で判断させるか
何を資料に書き、何を授業中に問い返すか
という教育方針の変化そのものです。
すべてを一冊にまとめる必要もありません。
実験を進める資料
原理を理解する資料
計算を試す資料
予測する資料
実施を確認する資料
指導者が判断する資料
次年度へ引き継ぐ資料
は、それぞれ別の役割を持ちます。
教材を分けることは、情報を散らかすことではありません。
学生と指導者が、その時点で必要な情報へ到達しやすくするための設計でもあります。
授業を、個人の経験から教育資産へ
この七年間を振り返って感じるのは、教材の完成版を作ることが目的ではなかったということである。
学生も、装置も、時間配分も、担当者も変わる。必要なのは一つの完成版を固定することではなく、
実施する。
観察する。
問いを変える。
資料へ戻す。
次の担当者へ渡す。
という循環を残すことだった。
2019年度に作り始めたのは、自分が授業を成立させるための資料だった。それは次第に、学生が学ぶための資料、自ら進めるための資料、指導者が判断するための資料、次の担当者へ授業を継承するための資料へ変わっていった。
2019年度には、新品の加工機が二台あっても、前年の授業を再現できなかった。装置だけでは、授業を引き継げなかったのである。
だから2025年度には、操作手順だけでなく、実測波形、誤差の見方、再測定の判断、学生への問い返し方まで解説編に残そうとした。
工学実験という共通のテーマに対して、私が変えてきたのは回路そのものではない。
学生に何を問うか。その問いをどこまで深くできるか。そして、その問いを次の担当者へどう渡すか。
その積み重ねが、この七年間の教材の変遷だったのだと思う。
