起業して無認可保育園を始めたら、生活費が稼げなかった話
前回までは起業のために就職し、マネジメントと予測を学んだ話を書きました。
これまでの内容はこちらのマガジンにまとめています。
1,開業資金がなくなって先輩の店を手伝う
飲食店で働いて2年が経ったころ、そろそろ保育園を立ち上げようと思っていると、親から連絡がありました。
そこで、「お金がなくて困っている」と相談をされたので、就職後に貯めたお金を親に渡すことにしました。
僕の手元には100万円だけが残り、開業資金にはとても足りそうにありません。
かといって、お金が貯まるまで店長を続けていたら、何年もかかかってしまいます。
そんな時、先輩から「独立して居酒屋を立ち上げるから手伝ってほしい」と頼まれました。
そのお店がうまく行ったら500万円くれるというので、その条件で手伝うことにしました。

今思えば、先輩が約束を守ってくれなかったら、その居酒屋がうまくいかなかったら、保育園の立ち上げはいつになっていたのだろうという口約束だったのですが、その先輩は本当に払ってくれました。
こうして、会社を辞めてから1年間は先輩を手伝って、無事に500万円を受け取って保育園を立ち上げることになります。
2,融資を申し込んでもなかなか受けられない
手元にあったのは合計600万円です。
最初は千葉市で小さな無認可保育園を作るところから始めることにしました。
千葉市を選んだのは、保育園経営が未経験の事業者でも、1年間、千葉市の基準を満たした運営をすれば補助金を受け取ることができる「千葉市認定保育ルーム」の制度があったからです。
ただし、1年間は補助金なしで運営をしなければならず、これが資金的にとても大変でした。
僕は当時の国民生活金融公庫(現:日本政策金融公庫)に融資の相談をしたのですが、担当者から「貞松さんは、保育経験もないし、子どもを育てているわけでもないし、どうして保育園をやるのかわからない。うまくいくとも思えない」と言われ、なかなか理解をしてもらえません。
それでも前に進むしかありません。こうなったら粘り勝つしかありません。一つひとつ駅に近い物件を探し、幕張駅に第1号園の物件を見つけました。
物件契約を終えて保証金200万円を支払い、保育士を募集するための求人広告で20万円を支払い、工事代金として200万円を支払い、保育備品や家電製品、消耗品を購入して100万円を支払い、保育士たちに給料として50万円を支払い、子どもを預かりはじめ、そのたびに国民生活金融公庫の担当者に資金の減り具合を報告しながら融資のお願いを続けました。
当時の融資の条件は、27歳以下の経営者に限り自己資金と同じ額だけを借入られるというものだったのですが、ようやく融資が受けられることになったのは、保育園が始まってからのことでした。
資金が底を尽きかけたとき、ようやく600万円の融資を受けることができました。
3,計画通りに行かず、自分の生活費が出せない
記念すべき最初の無認可保育園「あい・あい保育園 幕張園」がオープンしたのは2007年の3月3日、ひな祭りの日でした。
当時の僕は、4月の新年度に子どもを預けたい親が半年前の10月には希望の保育園を決めているという事情を知りませんでした。
あい・あい保育園は3月オープンだったので思っていたよりも子どもが集まりません。
見込みが甘かったのはそれだけではなくて、いざ保育園を始めてみると、自分が予想した以上に運営に必要なものが次から次に見つかりました。
預かる子どもの数が少ないと入ってくるお金は少ないし、見込み違いで出ていくお金の方は多かったんですよね。
借りることができた600万円を入れて計算しても7月には資金がショートしてしまうことが分かり、この状況では自分の給料が出せない、と判断しました。
この時点で、僕が生活していくためのお金がなくなりました。

(次回)無認可保育園の厳しさを知る
初めて立ち上げた保育園で自分の見込み違いが次々と見つかり、その結果、自分の給料が稼げないということになりました。
さらに、無認可保育園を立ち上げてみてその大変さに気づきます。
次回は、無認可保育園の厳しさを知った頃のお話です。
