必要な人に情報を伝える大切さを知ったチラシの話
1,必要な人に知ってもらうには
2007年3月に開園した「あい・あい保育園 幕張園」は、開園後しばらくすると入園申込みの電話が鳴らなくなりました。
入園の申し込みが来ないのは、待機児童がいなくなったからではなく、近くには540名もの待機児童がいることが分かっていました。
僕は、園の存在が保護者に知られていないのではないかということを疑い始めました。
「あい・あい保育園 幕張園」は大通りより少し外れた場所にありました。
そこで僕は、保育園が決まっていない保護者に園のことを知ってもらうにはどうしたらいいかを考え始めました。
2,そうだ、販売促進に行こう
まずは園を知ってもらおうと考え、折込チラシやフリーペーパーといった広告を出しましたが、申込の電話は鳴りません。
どうしてだろうと思いましたが、子どもが預けられずに困っている保護者に知ってもらえれば、利用してもらえるのではないかと考えました。
そこで僕は、保育園の周辺を歩いてみました。
すると、ベビーカーを押して歩いている人によく会います。
ベビーカーを並べて話しているママさんたちがいたので、「保育園は決まっていますか?」と話しかけると、やはり預け先が決まっていない人ばかりでした。
僕はママさんたちに対して近くに保育園がオープンしたことを伝え、「あい・あい保育園 幕張園」のチラシを渡しました。
同じようにベビーカーを押しているママさんを見つけると、預け先が決まっているか、「あい・あい保育園」のことを知っているかを尋ねてみましたが、やはり「あい・あい保育園」がオープンしたことは知られていませんでした。

3,近所のスーパーであれば目に付くだろうと考える
どうやら、折込チラシやフリーペーパーでは保育園を探している保護者に知ってもらう効果がなかったようです。実際に保育園を探しそうな子どもを連れているママさんに話しかけてみると、チラシを興味深そうに受け取ってくれて、保育園の情報をちゃんと確認してくれました。
そこで僕は、必要な人に知ってもらえる方法を探すことにしました。
チラシを置く場所や情報を出す場所を改めて検討し、近所のスーパーなら近くに住んでいるママさんの目につくのではないかと考えました。
そして、近所のスーパーにチラシを設置したところ、すぐにチラシがは減っていき、たくさんあったチラシは数日で無くなってしまいました。
こうして必要な人に情報が届くようになると、少しずつ電話が鳴るようになり、入園の申込が来るようになり、20名の定員は埋まりました。
販売促進の目標は達成しましたが、実は満所になった場合でも保育園経営は赤字のままです。
最初に立ち上げた保育園「あい・あい保育園 幕張園」は無認可保育園でしたが、千葉市の基準を満たした保育で1年間の実績を作ることで、「千葉市保育ルーム」の認定を取るのが狙いでした。
千葉市保育ルームの認定というのは、無認可保育園が千葉市で独自に定められた基準を満たした運営をおこなうことで、市から補助金を受け取ることができる制度です。
無認可保育園は保護者からの保育料だけで運営しなければなりませんが、千葉市保育ルームに認定されると補助金が出るため、保育料だけで全てをまかなわなくても良くなります。
「あい・あい保育園」は保護者の負担を少なくするために、保育料は安めに設定していました。
補助金が出るようになってようやく利益が出る保育料の設定にしていましたので、千葉市保育ルームに認定されるために実績として必要だった最初の1年間の営業は、満所になっても赤字になる計画でした。
ようやく満所になって、あとは千葉市保育ルームの認定が取れれば「あい・あい保育園」は黒字化するというところまでたどり着くことができました。
この調子で次の保育園も立ち上げようと、新しい保育園の開設に動き始めます。
当時は待機児童問題が深刻だったこともあり、僕は待機児童問題の解消のために手の届くところから事業を拡大していくことを決めていたので、園を増やしていくことが大事だと考えていました。
(次回)
こうして、ようやく最初の保育園は20人の定員が埋まりました。
次回は、保育園の経営をしながらアルバイトを相変わらず続けていた僕のところに、とある保育園から手助けを頼まれたときの話です。
