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経営者しながら砂場博士になる 新人とベテラン保育士の違い

ゴールデンウイーク中はお休みする予定でしたが、noteを読んでくださっている方が増えていることもあり、頑張って記事を更新することにしました。
お休み中に読んでいただきたいなと思い、今回は僕が書いた実際の研究論文を一部抜粋してご紹介したいと思います。


新人保育士とベテランの保育士は何が違うのか。
保育士は経験によってどんな保育ができるようになるのか。

エビデンスのある保育を提供したいと考えた僕は、砂遊び中の保育士と3歳児の行動を研究しました。

※この研究は2021年に発表したものです。論文一式は最後にご紹介しています。

1,研究から見えたこと

 新人保育士とベテラン保育士では、子どもの遊びの回数、時間には
 統計的な差がなかった。
 でも、子どもの遊ぶ内容には違いがみられた。
 子どもの遊びが高度になったのはベテラン保育士のほうで、保育士が
 2人1組になるとより高度になり、子どもが熱中している様子がみられた。

この内容について、具体的にお伝えしていきます。

1-1,新人とベテラン、子どもと遊ぶ回数・時間の差はない

新人保育士とベテラン※保育士の、子どもと遊んでいる回数と時間の平均値には大きな差がありませんでした。※表中:中堅と表記
統計上の結果を見ると、保育士はベテランと新人の違いがないように見えます。(表1)

(表1)平均で見ると新人とベテランの差はあまり見られない

1-2,ベテランは2人1組になると行動が変わる

ところが、保育の現場で実際に行われているベテランと新人との組合せ(2人1組)の観点で行動を詳しく見ていくと、ベテラン保育士は、子どもと遊ぶ回数、時間に個人差が大きいことが見えてきました。(表2)

(表2)分散に注目するとベテラン保育士は個人差が大きいことが分かる

これは、ベテラン保育士が2人1組で子どもを見ると、1人が子どもを見守り、もう1人が子どもと一緒に遊ぶような役割分担が行われていたためでした。

この研究では動画を撮って子どもたちの砂遊び中の行動を分析をしていますが、2人1組でベテラン保育士がつくと、子どもたちの遊び方が複雑で、よりダイナミックになっていることが分かりました。

1-3,ベテランは遊びの内容や質が豊かになる

特に、遊び4「水を使った遊び」はベテラン保育士がついているときほど行われています。

また、ベテランと2人1組で見ているケースで子どもたちの遊びの時間が大幅に伸びています。
ベテラン保育士が関わることで遊びの内容がより高度になるだけでなく、子どもたちが遊びに飽きず、長く夢中になって遊んでいることが分かります。(表3)

(表3)中堅保育士が入っている現場ほど遊びの内容が高度になっている

2,やっぱりベテランは質の高い保育を提供できていた

このように、保育の経験年数の違いで保育士と子どもの行動にどのような違いが出るのか、3歳児の砂遊びを通して分析しました。

新人保育士に比べると、ベテラン保育士の方が子どもに合わせて関わり方を変えていました。
ベテラン保育士がいると、子どもはより難しい遊びに取り組み、熱中することで遊びの時間が延びていて、特にベテラン保育士と一緒に水を使う遊びをすると、遊びの時間が大幅に伸びています。

ベテラン保育士がついていると、子どもたちの遊びの質が上がることがわかりました。

3,この研究から見えてきた課題

新人保育士とベテラン保育士で何が違うのか色々と考えあぐねた結果、
ベテラン保育士の「視線」と「そこから得られる情報量」に違いがあるのではないか、という疑問が生まれました。

保育士は子どもたちの何を見て、何を判断しているのか、行動がどう変わって子どもの遊びの質が向上したのか・・・。

僕はもっともっと突き詰めたいと思い、より研究に没頭することになります。

4,まとめ

この研究をきっかけに、保育士の経験年数で目線がどう違うかを追求していくと、保育の質や保育士のスキルといったものが見えてくるのではないかと考えました。

そして僕は、保育士の視線がどうなっているのかを調べるために研究を続けることになります。
そこで分かった「保育の質とはなにか」についてを、いまは保育士向けの研修でも伝えるようにしています。

またどこかのタイミングでこの後の研究についてもご紹介したいと考えていますので、どうぞよろしくお願いします。

今回の研究論文はこちらから読むことができます。分析方法や詳細データなどは、ぜひこちらでご確認ください。

5,採用情報

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