「生きている意味なんかない」と、前向きに思うこと
「人生を変えたコント」。高校1年生の主人公イシカワが、壮絶なイジメや数々の嫌がらせを乗り越え、学校行事「文劇祭」において、自ら脚本・監督を務めたクラスの劇で大成功を収める物語である。
お笑い芸人・霜降り明星せいやの半自伝小説とのこと。イジメや嫌がらせの描写ひとつひとつが具体的なだけに、最後の逆転劇が痛快なのだが、物語を通じて感じるのは「やさしさ」と「強さ」である。
結局、いじめている人間は自分の弱さから逃れるために人をおとしめて安堵しているのだ。(中略)だから今現在、もしいじめられているのならば、こう心に留めておいてほしい。
「いじめている人間とはとてもかわいそうなのである。人をいじめてくる人間というのは、不幸で、自分にまったく満足していない状態であり、絶対にそんなヤツに人生を変えられてはいけない」
大人の世界も同じだ。パワハラするのは、だいたい会社での評価に怯えているか、歪んだ出世意欲を持ったヤツである。
イシカワなら、そんなパワハラ上司のことを「かわいそう」だと言うだろう。それ以上に「そんな上司に人生を変えられてはいけない」と、優しくあなたを諭してくれるだろう。
そして、この物語最大のメッセージを、せいや自身がエピローグに記してくれている。
なぜ生きているのか、迷っている人もいると思う。自分はなんのために生まれてきたのか?なぜもっと上手く生きられないのか?イシカワもそんなひとりだった。
でも妹が姪っ子を出産したときに思った。人間は生まれたときに家族や周りの人を必ず笑顔にしている。幸せな気持ちにしている瞬間がある。みんな忘れているだけで赤ちゃんのときに、みんなを笑顔にして生まれてきている。おそらくそれだけで十分使命を果たしているのだ。
思い切った考えかもしれないが、ずばり、生きている意味なんてない。昔、みんなを喜ばせて生まれたときに使命は終わっている。そこからボーナスで人生を生きているだけ。みんなを幸せにしたご褒美で生きているだけなんだ。だから考えすぎず、ひとりひとりのご褒美の人生を過ごそう。
人生に「意味」を求めようとすると、ときに辛くなる。おそらく「何かを成し遂げなければ」とか、「現状をどうにかしなければ」など、何かを欲するからなんだと思う。
そういうときは、「どうせ生きている意味なんてないんだから」と、前向きに考える、いや、深く考えないようにして、ご褒美の人生をただ楽しむことに徹したいと思う。
