「目が覚めたら乃木坂4期生の○○でした」 第41話
ある朝、目が覚めると女の体、しかも乃木坂46の4期生になっていた✕✕(現世名:○○)。
24枚目シングルに収録される4期生楽曲「図書室の君へ」のMV撮影を終えた○○たち4期生が、次に挑むのは…。
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ある日、4期生たちは乃木坂の事務所内にあるちょっとした部屋に集められていた。
一体何の用なのか、本人たちは一切知らされていなかった。
4期生たちがソワソワしながら待っていると、部屋の扉をガチャリと開けて人が入ってくる。
入ってきたのは、事務所の重役、今野さんだった。
○○「今野さん!おはようございます…!」
「「おはようございます!」」
今野「はいおはよう。今日は何で呼ばれたのかわかってる人はいる?」
4期生たちは一斉に首を横に振る。
今野「4期生の皆さんにはある、ミッションがあります。」
4期生「「…。」」
今野「ヒット祈願。して、その内容なんですが。」
4期生「「はい。」」
今野「富士山に、登ってもらいます。」
「「!!?」」
その一言で、4期生たちは一斉に表情を変える。
かつて1期生が四苦八苦してやっと達成した、過酷も過酷な、ヒット祈願の中でもわかりやすく困難な所業。
それが富士登山だった。
聖来「え、富士山…ですか?」
今野「新曲「夜明けまで強がらなくてもいい」にかけて、富士山で夜明け、ご来光を拝んでもらいます!」
悠理「大丈夫かなぁ…。」
あやめ「うん、何か不安…。」
今野「えー、ね、そんな不安な皆さんのために、助っ人も同行しますで、ココからはその人にバトンタッチしたいと思います。」
○○「助っ人…?」
そうして、またドアがガチャリと開く。
入ってきたのは、秋元真夏だった。
聖来「えー!」
遥香「真夏さん!!」
秋元真夏は、先日、卒業する桜井玲香の後釜としてキャプテンに就任した秋元真夏。
真夏は一期生が富士登山したときの参加メンバーである。
助っ人として申し分ないだろう。
真夏「みんなお疲れ~!」
「「お疲れ様です…!」」
真夏「はい、さきほどあった通り、みんなには富士登山に挑戦してもらううんだけども、そこには私も同行します!みんな頑張ろうね!」
4期生「「はい!」」
真夏「ところで、みんなこの帽子なんだかわかる?」

真夏がさしたのは。部屋に入った時から被っていたピンクの、中心に「ROCK」と書かれた帽子。
実はこれは一期生が富士登山に挑戦したときにかぶっていた帽子。
番組内でもいじられ、いわば伝説の装備アイテムなのだが…。
「「…?」」
レイ「……なんですかそれ?」
真夏「…えっ。」
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月日は流れ、富士登山当日。
今回の富士登山は2グループに分かれ、全く別の二つの地点から登山に臨む。
吉田ルート:遠藤さくら、賀喜遥香、掛橋沙耶香、北川悠理、清宮レイ、田村真佑、○○
富士宮ルート:秋元真夏、金川紗耶、柴田柚菜、筒井あやめ、早川聖来、矢久保美緒
となっている。
PM12:30 吉田ルート班。
全員、夏にしては暑そうな上着に帽子、そして登山用のポールを持っている。
さくら「24枚目シングルヒット祈願~!」
「「いえーい…!!」」

……。
スタッフ「…もしかしてもう話すことなくなった?」
さくら「はい…。」
スタッフ「…笑」
○○「…💧」
✕✕(幸先がものすごく不安…。)
吉田ルート、登山開始。
当たり前だが、登山開始直後はただの道、といった感じ。
先は全く見えない。
だが、20分もしてくると、道の舗装はなくなり、道も傾斜気味になってくる。
○○「始まったばかりだけどすでにかなりだな…。」
ガイド「富士登山はかなり危険が伴うからね。ペース配分を考えていこうね。」
○○「はい…。」
と、解説される○○の横をほいほいとスキップしていく例の姿が通り過ぎる。
レイ「レイ全然元気~!」
○○「たった今ペース考えろって言われたばっかでしょうが!?」

ズテッ
と言っていたらレイは道端の小石につまずいてずっこけた。
レイ「あいてっ。」
○○「ほら言わんこっちゃねぇ!」
真佑「口悪っ!?」
✕✕(いかん、運動による疲労で女としてのふるまいが…。)
○○「き、気をつけようね、レイちゃん、おほほ…♪」
真佑「なんか顔引き攣ってない?」
沙耶香「私はね、毎朝お父さんとお兄ちゃんと家の近くの小さな山に登ってたから、こういうの少し慣れてるんだ。」
真佑「へ~!」
確かに、そういう沙耶香の顔は余裕がある。
○○「元気だなぁ…。」
✕✕(正直この二人の元気さに圧倒されて疲れそうだ…あっちの班にしてもらえばよかったかな…。)
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一方、富士宮ルート。
こちらもほぼ同時刻に登山を開始していた。
前回富士登山経験者の真夏キャプテンが4期生たちを引っ張っていく。
真夏「みんな大丈夫~?ついてこれてる~?」
「「全然大丈夫でーす!!」」
真夏「みんな元気だなぁ…。やっぱり若いからか…。」
そういう秋元は御年26歳。
班の中で一番年長の聖来とさえ5年近く年が離れている。
4期生たちがフレッシュにピンピンとしている中、一人だけ既に息切れをしていた。
そんな中、ガイドの方の提案で何か掛け声で士気を高めようということになった。
真夏「どんな掛け声にしようか?」
みんながうーんと考え込んだ後。
聖来「『真夏さん大好き』!」
真夏「えー何それ!!いいの!?」
聖来「はい!」
真夏「じゃあ、自分で言うのもおかしいけど私が「真夏さん~?」って言うから、みんなで『大好き~』かな?じゃあ行くよ!真夏さん~?」
「「大好き~!!」」
真夏「いくぞ~!」
「「お~!」」
真夏「なにこれ楽しい!」
まるで接待のような富士登山が始まっていた。

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ブルブルッ。
✕✕(なんか、今無性に向こうに行かなくてよかった気がする…。)
ガイド「それじゃあここで休憩にしましょうか。」
○○「えっ?またですか?」
ガイド「山は登れば登るほど高度が上がっていく。それによって体が驚いて高山病になってしまうことが一番恐ろしいんだ。だからこまめに休憩を取って体をその高度に慣れさせないといけないんだよ。」
○○「確かに、それなりに歩いて少し酸素が薄くなって気温も低くなったような…。」
○○が下を見ると、先ほどまで地上が見えていたのに、今は既に出発地点付近やその周辺景色が見えなくなっている。
○○「うへぇ、結構上ってきたな…。ん?」
○○が周辺を見ると、何人か目立って疲弊しているメンバーがいる。
レイ「疲れた…。」
悠理「うん…。」
遥香「…。」
レイ、悠理、遥香の三人だ。
他3人と比べて顔色が悪く、息切れしている。

✕✕(思い出した…。そういえばこの三人は…!)
✕✕は記憶の片隅にあった未来の記憶を思い出した。
レイ、悠理、遥香、そして今は元気そうな真佑の4人は、この先の山中で高山病と思われる体調不良に見舞われ、リタイアをしてしまう。
✕✕(どうにかして防がなきゃ、だよな…。)
○○は必死に頭をフル回転させる。
○○「あ。」
○○はカバンからスプレー缶を取り出す。
自分用に持ってきてあったが、背に腹は代えられないだろう。
○○「かっきー。これ、使って?」
沙耶香「何それ?ヘリウムガス?」
○○「んなわけないでしょうが!?酸素だよ酸素!」
遥香「え…いいの…?それだと〇ちゃんが…。」
○○「私は元気だから大丈夫。それに複数あるから。使って?」
遥香「じゃあ…。」
遥香は口元に酸素缶を当て、吸入する。
○○「できるだけ深く呼吸して。ゆっくりね。」
遥香は言われたとおりにする。
遥香「ありがとう。少しだけ辛いのが軽くなったかも。」
他二人も同様に酸素を吸入させる。
○○「少し楽になったら軽く体操でもして運動してね。この高度になれるはずだから。」
レイ「わかった…。」
悠理「ありがとう…。」
そして、残った酸素缶を真佑に渡す。
真佑「うん?どうしたの?私も?私は元気だよ?」
○○「いや、念のため持っておいて。えーと…まゆたんにちょっと危なめの兆候が見られるから…。」
真佑「え、そうなの?じゃあ持っておこうかな…ありがとうね。」
○○「うん。辛くなったら遠慮なく使ってね。」
真佑「うん、ありがと。」
ガイド「そろそろ出発しまーす!」
真佑「あ、そろそろ出発みたいだね。いこっか。」
○○「そうだね。」
ガクッ
○○「あれ?」
歩き始めた○○が、突如膝をついた。
真佑「〇ちゃん!?大丈夫!?」
○○「あ、うん、大丈夫大丈夫!なんかつまずいたみたい!」
真佑「そう?その辺の岩場もゴロゴロしてきたし、気を付けないとね。」
○○「そ、そうだね…。」
✕✕(今急に足から力が抜けたような…気のせいか?)
「目が覚めたら乃木坂4期生の○○でした」 第41話 終
続く。
