「目が覚めたら乃木坂4期生の○○でした」 第42話
ある朝、目が覚めると女の体、それも乃木坂46の4期生になっていた××(現世名:〇〇)。
24枚目シングルヒット祈願として富士登山に挑戦することになった〇〇達だったが、果たして。
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〇〇達一行は、山の中腹にある休憩所にたどり着いた。
田村「ということで、各自が持ち寄ったものを発表していきましょう〜!」
パチパチ…👏
そう、前もってスタッフから、こういう企画があるので、紹介できる持ち物を持ってくるように、と言付かっていた。
真佑「かっきーは何持ってきたの〜?」
遥香「私はね、おばあちゃんからもらったぬいぐるみ!」
真佑「可愛い〜!!」
沙耶香「これ欲しい!」
遥香「あげないよ!?💦」
真佑「悠理ちゃんは?」
悠理「私はね…これ。」
真佑「…これは、何?」
悠理「水に入れると膨らむぬいぐるみ。犬さん。」
遥香「何でそんなもの持ってきたの!?」
悠理「標高が違うとその辺にも変化起きるのかなって…。」
と、言った具合に紹介をしていった。
真佑「じゃあ次!〇ちゃんは?」
〇〇「えー…私はね。これ。」
〇〇が取り出したのでは、一枚の写真。
遥香「あー!これ初期の頃の写真じゃん!!」
〇〇「そう。やっぱり4期生みんなの想いが詰まってるのはこれだなって。」
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《数日前、〇〇の部屋》
〇〇「富士山に持っていく、紹介できるような持ち物ぉ〜?んなもんねえよ…。」
〇〇はうーんと唸りながら周辺を見渡す。
〇〇「あ。」
そこで見つけたのは、壁にかけてあった4期生の集合写真。
〇〇はそれを手に取る。
〇〇が、いや、××がこの部屋で目を覚ました時、まず最初に目に入った物。
自分が乃木坂4期生になっていることを自覚させたアーティファクトでもある。
〇〇を含めた4期生12人が写った写真だ。
〇〇「…これ持ってくか。」
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真佑「私たちが乃木坂に合格して、研修生としてレッスンしてる時に撮った写真だね!もうほんとに初期も初期!」
遥香「えー、懐かしいねこれ!もうここから1年近く経つんだよ…!」
〇〇「へー、そうなんだ…。」
悠理「『そうなんだ』…?」
沙耶香「何で他人事なの。笑」
遥香「〇ちゃんもいたんだよ!?笑」
〇〇「え!あ、あぁ…そう、そうだよね!うん、そうだった!」
〇〇は焦って返答し、何とか誤魔化した。
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一方その頃。
真夏「マナハラジャンケン、ジャンケンポン!」
真夏「はい、ということで!マナハラジャンケンの結果、この猫耳はあやめんに贈呈しまーす!」
あやめ「ふえぇ…。」
「「可愛い〜!!」」
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ゾクッ
〇〇「!?」
さくら「〇ちゃん?どうしたの?」
〇〇「いや、今無性に向こう行かなくて良かったと感じる何かがあった気がする…。」
さくら「?」
沙耶香「そういえば〇ちゃん少し顔色悪いけど、それも平気?」
〇〇「え…?そうかな?」
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富士登山再開。
○○「かなり上ってきたな…。日も暮れてきた…。」
周囲は先ほどまで霧で見えなかったのが、今度は暗闇で見えない。
スタッフが撮影用に持っているライトが貴重な光源だった。
そして、〇〇は足に違和感を覚えていた。
足がうまく動かないのだ。
数十センチの歩幅で歩くよう脳で指示してるつもりが、実際には15センチほどしか足が踏み出せない。
脳の命令のうち半分ほどしか足まで行き届いていない。
そして、息も少しずつ切れてきた。
酸素を溜めておくタンクが底上げされたかのように体内の酸素量が少ないのを感じる。
さくら「ねぇ…〇ちゃん大丈夫?」
〇〇「…え?あぁ、大丈夫、大丈夫…。」
さくらだけではなく、自分自身にも言い聞かせるように、〇〇は復唱した。
さくら「〇ちゃん…。」
ガイド「はい、あそこに見えるのが今夜止まる小屋ね~!みんなお疲れ~!」
一同は束の間の休憩を取ることになった。
皆んな深く息を吐き、その場に座り込む。
仮眠をとり始めたり、水分を補給するなど、各々が休憩を取る。
〇〇「…。」
××(良かった…まゆたんもかっきーもゆりちゃんもレイちゃんも、思いのほか平気そうだ…。これでこの4人はリタイアはなさそうだな…。)
スタッフ「本当は頂上でご来光を見る予定でしたが、間に合わなそうなので、明日の朝、というか数時間後の夜明けの時に、ここでご来光を見て、その後頂上を目指す形になります!」
「「はい。」」
ガイド「それから、〇〇さん…。」
ガイドが〇〇の前に立膝をつく。
ガイド「先ほどから様子を見ていたけど、君はこの先を登るのは厳しいと思う。」
〇〇「…!?」
〇〇は身体中の血の気が引いた。
いや、確かに少し体調は悪かった。
でもこれは、単なる疲労ではないのか…?
〇〇「待ってください、私は…。」
ガイド「君はここでリタイアして、他の子達に想いを託した方がいい。」
〇〇はガイドの腕を強く掴んだ。
そして小さく首を振る。
ガイド「…どうしても?」
〇〇「…。」コクリ
ガイド「…わかった、少しだけ時間を取る。この休憩中に体調が治らなかったら、君の意思を問わず、ここに君を残していく。いいね?」
〇〇「ありがとう…ございます…。」
ガイドはそう言い残し去っていった。
〇〇「…。」
とはいえ、あと数時間と少しの休憩でこれが治るだろうか。
何とか飲み物を飲むが、楽になった感じはしない。
体調不良と同時に疲労まである。
〇〇「…無理かも…。」
〇〇が目を閉じていると、突然口元にカポッと何かが当てられた。
遥香「深く吸って…。ゆっくりね…。」
〇〇「…!」
遥香「ほら、早く。」
〇〇はゆっくりと深く息を吸う。
遥香「どう?気分は?」
〇〇「まだ…よくわかんない。」
遥香「そっか。」
〇〇「どうして…。」
遥香「こんなこともあろうかと温存しといたの。〇ちゃん、自分の分があるとか言ってたけど、私たちにあげた分で全部だったでしょ。さっき荷物広げた時、カバンの中に酸素缶なんかなかったじゃん。」
〇〇「…よく見てんね。」
遥香「まったく、お馬鹿さんめ。」
遥香は〇〇にデコピンをした。
〇〇「…ごめん、ありがと…。」
〇〇はそのまま、遥香の肩に寄りかかり、気絶するように眠ってしまった。
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スタッフ「もうすぐ日の出が始まります!!」
その声に仮眠をとっていたメンバーはハッとして起きる。
〇〇「!」
〇〇も起きた。
目を開けると、自分が遥香の肩で眠っていたことに気づく。
遥香も目を閉じて眠っていた。
〇〇「うおおっ!?」
遥香「あ、起きた…?おはよー。」
〇〇「いやスペイベ…。」
遥香「ん?なんて?」
〇〇「いや。何でも…。」
真佑「2人とも早く!ご来光だって!」
そう言われ、2人はすぐに小屋を出る。
外に出ると、外は白みがかり、太陽の光が徐々にその姿を表し、周囲のものに光が宿っていく、その瞬間だった。
〇〇「おぉ…。」
悠理「すごく…きれい…。」
真佑「神秘的だね…。」
遥香「ほら!皆んな!ヒット祈願!!」
レイ「あっ!そうだった!」
「「24枚目シングル、大ヒットしますように!!!」」
ガイド「ヒットする!きっとヒットするよ!!」
4期生たちはその言葉に笑顔になる。
ガイド「よし!じゃあ準備して出発に備えましょう!!」
「「はい!」」
ガイド「〇〇さん…体調は…?」
〇〇「意外と楽です。少しの疲労程度があるぐらい。」
ガイド「そう…じゃあとりあえずは君もいくということで話をつけておこう。でも、体調が悪くなったら必ずいうこと。大人たちは迷惑だなって思わないからね。」
〇〇「はい。」
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そこから歩くこと、数十分。
ついに上の景色が途切れた。
霧ではなく。物理的に。
そう、頂上が見えてきたのだ。
そして、ある地点まで登ると、一つの看板が目に入る。
「頂上」
レイ「つ、着いた!!」
沙耶香「頂上だーー!!」
4期生たちは喜びの声を上げた。
ガイド「頂上にはついたけど、後もう少しだけ歩こう!この少し先の地点で、向こうの班と合流することになってるから!!」
その声を聞いて、さらに喜び勇足で歩く。
地面も傾斜が薄くなり、平面的だ。
そして…。
柚菜「あーー!!かっきーたちだー!!」
紗耶「みんなーーー!!!」
二つの班は、ついに合流した。
合流した12人は、全員が抱き合って、その再会を喜んだ。
××(やった…俺の世界と違って…4期生全員で、登山達成だ…。)
〇〇は安堵した。
その安心感からだろうか、体調不良を無理やり抑えていたものが外れたのか。
そして、4期生たちが各々「頂上に行ったらやりたい事」をしたり、登山中の話に花を咲かせていく中。
〇〇はトレッキングポールを地面に突き、近くの段差のある地面に座り。
〇〇「………。」
ゆっくりと目を閉じ、がくりと首を落とした。
「目が覚めたら乃木坂4期生の〇〇でした」 第42話 終
続く
