①【脳卒中予後予測】TWIST(2022年版)を活用した歩行目標の立て方
【今回のテーマ:根拠を持って「予後」を語る。最新の予後予測ツールを急性期から使える様に】
本記事は歩行再建シリーズに先立つ予後予測記事となります。歩行再建の記事から読みたい方はこちら
①【歩行再建】長下肢装具をなんで使うかわかっていますか?
免責事項
※本記事は、臨床11年目の理学療法士としての経験に基づく情報提供を目的としており、医療行為ではありません。
※個別の事例は考慮しておりませんので、実際の診断や治療方針については、必ず主治医や所属施設の専門医の指示に従ってください。
※本記事は公開された論文(Smith et al., 2022)に基づき、一理学療法士が臨床的解釈を加えたものです。
はじめに:カンファレンスで言葉に詰まった、あの頃の私へ
「この患者さん、リハビリが進めば歩けるようになりますか?」
発症2日目に行われる急性期病棟のカンファレンス。医師やソーシャルワーカー、看護師からの真っ直ぐな問いに、私は何度も言葉を詰まらせてきました。
「……可能性はあると思います」「なんとも言えません」
そんな、希望的観測とも取れる曖昧な返答しかできなかったあの頃。しかし、このTWISTアルゴリズムを知ってから、私の報告は変わりました。根拠を持って「いつまでに、何%の確率で」と答えられる自信が、チーム内での信頼関係さえも変えてくれたのです。
1. なぜ「2022年版」TWISTに価値があるのか
TWISTは2018年に開発されましたが、2022年に大幅なアップデートが行われました。
最大の変更点は、評価項目から「TCT(体幹制御テスト)」などが外れ、より簡便で信頼性の高い「膝伸展MMT」と「BBS(バーグ・バランス・スケール)」に一新されたことです。これにより、急性期で腹臥位をとるリスクを避け、多忙な現場でもわずか数分で正確な予測が可能になりました。
2. 具体的な2022年版TWISTの評価と得点
発症1週間以内に、以下の3項目を確認し、その合計点(0〜8点)を算出します。
① 年齢
75歳未満:3点
75歳以上:0点
② 麻痺側の膝伸展筋力
MMT3以上(重力に抗して保持できる):2点
MMT3未満:0点
③ BBS(バーグ・バランス・スケール)のカットオフ
16点以上:3点
6点〜15点:2点
6点未満:0点
💡 【ぴっちPT流】忙しい急性期の「1単位」でも確実に判断するコツ
厳密にBBSの全項目を採点しようとしなくても、以下のポイントさえ押さえれば、1単位(20分)のリハビリ時間内で十分に判定が可能です。
6点未満(0点): 座位保持が不安定で、常に介助を要する状態。
6〜15点(2点): 「座っていられて、手を使って立てる」なら、概ねこの範囲です。
16点以上(3点): 起立様式が比較的安定し、移乗や振り向き動作などがスムーズであれば、16点を超えると判断します。
多忙を極める急性期リハの中で、この「評価を完結させられる簡便さ」は、TWISTの大きな強みです。
3. 合計点から予測できる「歩行自立の時期と確率」
算出した合計点(0〜8点)により、将来FAC4以上(補助具の有無を問わず自立歩行)に至る確率が示されます。
【0〜4点:低得点群】
6週目での自立確率:約10%
12週目での自立確率:約25%
26週目での自立確率:約45%
【5〜6点:中等度群】
6週目での自立確率:約55%
①【脳卒中深掘り】TWIST(2022年版)を活用した歩行目標の立て方
【今回のテーマ:根拠を持って「未来」を語る。最新の予後予測ツールを急性期から使いこなす】
本記事は歩行再建シリーズに先立つ予後予測の記事です。
歩行再建の記事から読みたい方はこちら。
①【歩行再建】長下肢装具をなんで使うかわかっていますか?
目次
はじめに:歩行の見通しをどう伝えるか
なぜ「2022年版」TWISTに価値があるのか
具体的な2022年版TWISTの評価と得点
💡【ぴっちPT流】忙しい急性期の「1単位」でも確実に判断するコツ
合計点から予測できる歩行自立の可能性
臨床上の注意点と「10年超の視点」
最後に:回復期への「最高のバトン」
免責事項
※本記事は、臨床11年目の理学療法士としての経験に基づく情報提供を目的としており、医療行為ではありません。
※個別の事例は考慮しておりませんので、実際の診断や治療方針については、必ず主治医や所属施設の専門医の指示に従ってください。
※本記事は公開された論文(Smith et al., 2022)に基づき、一理学療法士が臨床的解釈を加えたものです。予測結果は個々の患者さんの転帰を保証するものではありません。
はじめに:歩行の見通しをどう伝えるか
「この患者さん、リハビリが進めば歩けるようになりますか?」
急性期病棟のカンファレンスでは、医師や看護師、ソーシャルワーカーから歩行の見通しを尋ねられることがあります。
発症早期は症状の変化も大きく、断定的なことは言えません。一方で、
「可能性はあると思います。」
「まだ何とも言えません。」
だけでは、退院支援や家族説明につながりにくいこともあります。
そこで役立つのが、歩行自立の可能性を客観的に整理する予後予測ツールです。
TWISTは、年齢、膝伸展筋力、バランス能力から、将来的な歩行自立の可能性を予測するアルゴリズムです。
もちろん、TWISTだけで患者さんの未来が決まるわけではありません。しかし、経験や印象だけに頼らず、チームで共通認識を持つための有用な指標になります。
1. なぜ「2022年版」TWISTに価値があるのか
TWISTは2018年に開発され、2022年にアップデートされました。
大きな変更点は、評価項目からTCT(体幹制御テスト)などが外れ、より簡便で臨床で扱いやすい「膝伸展MMT」と「BBS(Berg Balance Scale)」が採用されたことです。
どちらも急性期の日常診療で確認する内容であり、多忙な現場でも短時間で評価しやすい構成になっています。
2. 具体的な2022年版TWISTの評価と得点
発症1週間以内に、以下の3項目を確認し、合計点(0〜8点)を算出します。
① 年齢
75歳未満:3点
75歳以上:0点
② 麻痺側の膝伸展筋力
MMT3以上(重力に抗して保持できる):2点
MMT3未満:0点
③ BBS(Berg Balance Scale)
16点以上:3点
6〜15点:2点
6点未満:0点
💡【ぴっちPT流】忙しい急性期の「1単位」でも確実に判断するコツ
TWISTで必要なのは、膝伸展筋力やBBSを細かく数値化することではありません。
確認するのは、次の境界だけです。
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