③【脳卒中病型】ラクナ・アテローム、血圧200でも下げない理由、説明できますか?
【今回のテーマ:なぜ血圧200でも「下げない」のか?脳を守るための生体反応を読み解き、数値を恐れずに寄り添うためのリスク管理と低負荷アプローチ】
このシリーズは①から読むと理解しやすいです。①【脳卒中病型】離床で迷わなくなる|病型別バイタル判断の基本
はじめに:数値を「恐れる」前に、その「意味」を知る
臨床で、ラクナ梗塞やアテローム血栓性梗塞の患者さんが「血圧が下がらない」「上が200近い」と不安を口にされる場面は多いものです。若手PTもまた、医師の指示で「上限220までOK」というオーダーを見て、恐怖を感じることがあるでしょう。
なぜ血圧が高いまま放置されるのか。そこには脳を救おうとする体の必死の防衛本能が隠されています。
免責事項
※本記事は、臨床10年超の理学療法士としての経験に基づく情報提供を目的としており、医療行為ではありません。 ※個別の事例は考慮しておりませんので、実際の診断や治療方針については、必ず主治医や所属施設の専門医の指示に従ってください。 ※本記事は執筆時点(2026年3月)の知見に基づいています。所属組織とは無関係な個人の見解です。
1. なぜ血圧上昇がダラダラと続くのか
心原性脳塞栓症とは異なり、ラクナやアテロームは細い血管の閉塞や、動脈硬化による狭窄が原因です。
生体の適応反応: 梗塞した部位、あるいはその周辺(ペナンブラ:救済可能な領域)へ血流を届けるため、心臓はポンプの圧力を上げざるを得ません。
再開通のための血圧: つまり、この時期の高血圧は「脳を守るための代償手段」なのです。
患者さんやご家族が不安なとき、この機序をわかりやすく説明できるかどうかが、PTとしての信頼を左右します。結構臨床では聞かれます。
2. 「血圧200」のリスクと管理のジレンマ
医師から「上限220」という指示が出ることもありますが、これはあくまで脳血流の維持を最優先した結果です。当然ながら、その裏で脳出血のリスクは確実に高まっています。
この時期に無理な負荷をかけることは、火に油を注ぐようなものです。リハビリにおいては、麻痺や高次脳機能障害の評価を主軸にしつつ、攻めるリハビリではなく**「整えるリハビリ」**へシフトする必要があります。
3. 危険期における「血管抵抗を下げる」リハビリ具体策
血圧が極めて高い時期、我々PTにできることは「血管抵抗を下げること」と「廃用を防ぐこと」の両立です。内科的加療は行われている、それを前提としたうえで、さらに運動療法でできることがあります。
それが、
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