⑥【膝関節】ガチガチ膝を曲げるため、どこに位置しどう手を当てるか考えてる?使えるものは何でも使う
【今回のテーマ:患者さんの防御収縮を和らげ、二人三脚で可動域を「掠め取る」ための戦略】
※このシリーズは①から読むと理解しやすいです。①【膝関節】OAの痛みを軟骨のすり減りと説明してない?患者さんに不利益を与えない「組織」の話
免責事項
※本記事は、臨床10年超の理学療法士としての経験に基づく情報提供を目的としており、医療行為ではありません。
※個別の事例は考慮しておりませんので、実際の診断や治療方針については、必ず主治医や所属施設の専門医の指示に従ってください。本記事の情報を用いたことにより生じた不利益や損害について、筆者は一切の責任を負いかねます。
はじめに:「任せられる」と思える環境をいかに作るか
前回は「筋の粘弾性」に着目しましたが、今回はそれを引き出すための「セラピストの身体の使い方」や「姿勢ごとの戦略」について、私が試行錯誤してきた内容を共有します。
新人時代、私は力任せに曲げようとして患者さんを防御収縮させてばかりでした。大切なのは、患者さんが「これなら任せられる」と思えるような、安定した環境をいかに作るかだと考えています。
介入前の一番大切な確認
TKA術後の可動域練習においては、主治医の指示および手術記録(術中可動域)を必ず確認するようにしています。人工関節の構造的限界を超えて曲げようとすると、破損やトラブルを招く恐れがあるためです。100度を超える介入が必要な際は、事前に主治医へ確認しておくのが、重要なリスク管理だと感じています。
1. 座位:セラピストの「足」を活用して安定を探る
座位での練習では、患者さんの足が床につかない程度の高い台に座ってもらう方法をよく用います。
セッティングの工夫: セラピストは前に低めの椅子で座り、自分の片脚を患者さんの大腿の下に入れます。反対の足で、患者さんのアキレス腱付近を後ろから支えます。
意図: 「大腿も下腿も支えられている」という安心感が、防御収縮を和らげるきっかけになります。また、セラピストの両手がフリーになるため、丁寧な介入が可能になります。
応用: 足の力でゆっくり屈曲を促すと、手よりも微細なコントロールが利き、限界ラインを慎重に探れる場合があります。
2. 腹臥位・背臥位:重力と後面組織対策
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