②【脊椎】「コルセット」を脱いだ後の再骨折防げてますか?
【今回のテーマ】 脊椎圧迫骨折の回復期リハビリです。コルセットという「外装」に頼り切るのではなく、外した瞬間に再骨折を招かないための身体づくりを重視します。隣接する股関節や胸郭の可動性、そして骨盤を安定させる殿筋や深層筋(多裂筋・腹横筋)の再教育など、全身の運動連鎖を再構築する戦略を学びます。
前回の記事はこちら:①【脊椎】コルセット完成まで四肢筋トレ以外の引き出しありますか?
【免責事項】 ※本記事は、臨床10年超の理学療法士としての経験に基づく情報提供を目的としており、医療行為ではありません。金融商品、物品についての記載があってもそれらの使用を推奨するというのはあくまで個人の見解であることを明記します。それによって生じたいかなる問題も責任を取りかねます。 ※個別の事例は考慮しておりませんので、実際の診断や治療方針については、必ず主治医や所属施設の専門医の指示に従ってください。 ※本記事は執筆時点(2026年3月)の知見に基づいています。所属組織とは無関係な個人の見解です。
【脊椎シリーズ②】コルセットを脱いだあとを想像しているか?隣接関節の可動性と、再圧壊を防ぐ「殿筋・深層筋」の再教育
「コルセットつけて、リハビリもしたし、お世話になりました」 そう言って退院していく患者さんの背中を見送りながら、私はいつも、少し心配しています。
というのも臨床に出て数年目の頃、順調に退院したと思っていた患者さんと数ヶ月後に再開しコルセットが外れたんだ、と嬉しそうに話されていました。しかし、その方の腰は受傷前よりも丸まっており、間もなく隣の椎体を折って再入院してきたことがあったからです。
回復期は、単に歩行距離を伸ばす時期ではありません。コルセットがなくても腰を守れるよう、全身の運動連鎖を再構築するための、極めて重要な期間なのです。
1.動作の考え方:「股関節から折る」動きの徹底
日常のふとした動作で腰椎にかかる圧縮負荷を最小限にするため、以下の再学習を促します。
■ 洗面・うがい:股関節から折り曲げる 中腰で腰を丸める動きは、再骨折のリスクを高めます。お尻を後ろに引くようにし、背筋を伸ばしたまま「股・膝関節屈曲を中心とした」動きを徹底しましょう。
【現場の知恵】 もし身体機能的にこの姿勢が難しいなら、無理をさせず「椅子に座って洗面する」環境設定を提案します。環境調整も現実的な再骨折予防になります。
■ 靴下・靴の着脱:自助具を使い倒す 前かがみを避けるため、「ソックスエイド」や「長柄の靴べら」を積極的に導入しましょう。
2.上部体幹(胸郭・肩甲帯)のマルアライメント改善
腰椎への負担を減らすには、その上にある「胸郭」の柔軟性が不可欠です。
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