⑥【新人:脳卒中】リハ室で立ち尽くさない!新人必見の鉄板メニュー
【今回のテーマ】
新人理学療法士に向けた脳卒中リハビリの第6回です。リハビリ室という環境で「何をすべきか迷う」新人PTに向けて、単なる時間稼ぎではなく、将来の歩行やADL(日常生活動作)に直結する「非麻痺側軸の起立反復」と「立位での体重移動」という鉄板メニューの臨床的意義を解説します。
【免責事項】 ※本記事は、臨床10年超の理学療法士としての経験に基づく情報提供を目的としており、医療行為ではありません。金融商品、物品についての記載があってもそれらの使用を推奨するというのはあくまで個人の見解であることを明記します。それによって生じたいかなる問題も責任を取りかねます。 ※個別の事例は考慮しておりませんので、実際の診断や治療方針については、必ず主治医や所属施設の専門医の指示に従ってください。 ※本記事は執筆時点(2026年3月)の知見に基づいています。所属組織とは無関係な個人の見解です。
【脳卒中シリーズ⑥】リハ室で立ち尽くさない!新人PT必見、歩行とADLに直結する「鉄板メニュー」
前回は、ベッドサイドから車椅子へ移乗する際、患者さんも介助者も楽になる「非麻痺側を軸にしたピボットターン」について解説しました。(※前回の内容を軽くおさらいしたい方は [▶ 前回の記事へ戻る] をご利用ください) 今回は、無事に患者さんをリハビリ室へご案内できた後、「さあ、ここで何をしよう……」と頭が真っ白になってしまう新人さんに向けて、絶対に外さない「鉄板メニュー」をお伝えします。
はじめに
「せっかくリハ室まで連れてきたけど、何をすればいいのか分からない……」 先輩たちの鋭い視線が刺さるリハ室で、私はいつも冷や汗をかいていました。個別性の高いメニューを組もうとして空回りし、結局何もできずに病室へ戻る。そんな経験、あなたにもありませんか?
臨床10年超の理学療法士が教える「リハ室でこれだけはやっておこう」という鉄板メニューをお伝えします。これは単なる時間稼ぎではありません。「基本を徹底しているな」と先輩に思わせ、かつ的確なフィードバックをもらうための戦略でもあります。
1. 究極の基本:「非麻痺側軸」の起立反復
「何か特別な手技を……」と焦る必要はありません。前回練習した「非麻痺側を軸にしたお尻浮かし・起立」をリハ室のプラットホーム(広いベッド)で徹底的に繰り返しましょう。
なぜこれが「鉄板」なのか? 骨盤が安定する: 非麻痺側でしっかり踏ん張る練習を繰り返すと、骨盤周囲の筋出力が上がり、結果として座位保持の安定に直結します。 評価がしやすい: 「非麻痺側に乗り切れていない」「離殿のタイミングで麻痺側に流れる」など、動きの課題が明確に見えるため、先輩から「あそこはもっとこうした方がいいよ」という具体的な助言を引き出しやすくなります。
2. 立位バランス:地味だけど「未来の歩行」を作る練習
起立が安定してきたら、次は椅子や平行棒につかまった状態での立位バランス練習です。
健足に体重を乗せる: まずは動く方の足にしっかり体重を預け、安心感を確保します。 麻痺側へ軽く体重を移し、すぐ健足に戻す: 麻痺側で踏ん張りすぎず、なめらかに「行って、戻る」を繰り返します。
「何のためにやってるの?」と迷うあなたへ この練習、やっている時は「ただ揺れているだけで意味があるのかな?」と思うかもしれません。でも、これには2つの大きな目的があります。
歩行の準備: 歩くためには、次に出す足から「完全に体重を抜く」必要があります。この体重移動がスムーズにできないと、足が引っかかって転倒の原因になります。 ADL(日常生活動作)の安全性: トイレで下着を上げ下げする時、私たちは無意識にわずかな体重移動を行っています。この「動ける範囲」を広げておかないと、トイレ動作はいつまで経っても危険なままです。
確実に後で効いてくる練習なので、自信を持って取り組んでください。
3. リハ室は「一人で抱え込まない」ための場所
リハ室の最大のメリットは、他職種や先輩の目がたくさんあることです。
「何もやってない」と思われないために: 基本に忠実な起立・立位練習を堂々と行いましょう。奇をてらった手技より、基本動作の徹底の方が専門職としての信頼を得られます。 フィードバックを武器にする: 「今、立位バランスを診ているのですが、麻痺側のコントロールが難しくて……」と、自分の足りない点や疑問を言語化して先輩にぶつける絶好のチャンスです。
【今回のまとめ:リハ室での必勝ムーブ】
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