見出し画像

​​⑧【姿勢定位】ワレンベルグ:足底感覚入力以外の引き出しありますか

【今回のテーマ】足底感覚入力の有効性が叫ばれるLP(側方突進現象)ですが、急性期においてその方法論に疑問を感じる場面が多くあります。今回は、私が実際に行って有効と感じたメニューを紹介しています。

※この記事は高次脳姿勢定位シリーズの各論です。全体を理解したい方は導入編から読むと理解が深まります。導入編はこちら①【高次脳】脳画像:「どこが壊れたか」ではなく「どう繋がらなくなったか」で考える。


​免責事項

​本記事の内容は筆者の臨床経験に基づく個人的な見解であり、所属組織の公式見解ではありません。実際の介入にあたっては、各施設のプロトコルや患者様の状態に合わせて、自己責任でご判断ください。

※本記事は執筆時点(2026年3月)の知見に基づいています。

はじめに

臨床10年超、二児の父として慌ただしく過ごすパパPTです。

​1. 失敗から学んだ「犯人探し」の視点と、エビデンスへの違和感

​実は、ワレンベルグ症候群の症例は決して多くありません。私も初めて担当したのは臨床5年目の時でした。お恥ずかしい話ですが、当時は「これは失調かな?」と考え、それに基づいたアプローチを繰り返していました。

​しかし、まるきり手応えがなかった。

​「これは失調ではなく、延髄外側梗塞に伴うワレンベルグ症候群特有の**姿勢定位障害(Lateropulsion:LP)だ」

その正体に気づいてから、私は教科書を開き、エビデンス的にLPに効くとされている「足底への体性感覚入力(硬度識別課題など)」**を丁寧に試してみました。

​ですが、正直に言えば……私の臨床では、ほとんど効果を実感できなかったのです。

​もちろん、私の読み込みが足りなかっただけかもしれません。しかし、何例かの方に試していただくなかで、「そもそも、足の裏の硬さが判別できないことが問題の本質じゃないんじゃないか?」という思いが強くなりました。

​教科書の「正論」を試したからこそ見えてきた、もっと直接的に「真っ直ぐ」を再学習するためのアプローチ。私が臨床で最も手応えを感じた戦略を共有します。

2. 戦略:現場で「武器」になった2つの引き出し

仕事復帰を急ぐ患者さんにとって、20分の介入枠は一分一秒が惜しいものです。そこで私が取った戦略は、「FBS(ファンクショナルバランススケール)を下位項目ごとに練習課題として分解する」という、極めて単純な方法でした。

​引き出し①:側方の壁を使った「正中軸の再起動」

ここから先は

1,427字
この記事のみ ¥ 500
Amazon Payで支払うと最大2%還元のチャンス! 9/30まで

個別購入より18,500円以上お得! 明日の臨床の不安をなくす実践ノウハウ47本

​「教科書通りにいかない臨床で、どう動けばいいのか分からない」 「リスク管理に自信が持てず、攻めのリハビリができない」 「新人・若手指導を…

Amazon Payで支払うと最大2%還元のチャンス! 9/30まで
​本マガジンの魅力と解決できること ​「麻痺は治っているのにリハが進まない」謎を解明 ​運動麻痺だけでは説明がつかない「臨床の停滞」の原因を言語化します。 ​高次脳機能と姿勢定位障害を「阻害因子」として攻略 ​Pusher現象、注意障害、CCAS(小脳性認知情動症候群)など、運動療法を邪魔する「見えない壁」への具体的な切り込み方を提示。 ​教科書には載っていない「臨床10年超」のリアルな視点

「重い麻痺がある上に、姿勢は傾き、注意も向かず、どこから手をつけていいか分からない」 ​そんな脳卒中リハ特有の「見えない壁」に行き詰まり、…

Amazon Payで支払うと最大2%還元のチャンス! 9/30まで

この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?