②【膝関節】膝前面痛どうしてますか?脂肪体や皮膚に着目
このシリーズは①から読むと理解しやすいです。①【膝関節】OAの痛みを軟骨のすり減りと説明してない?患者さんに不利益を与えない「組織」の話
■ はじめに:その痛み、本当に筋肉の柔軟性不足ですか?
「膝のお皿の下が、動かすたびにピリッと痛む」 「術後の傷口の周りが突っ張って、曲げるのが怖い」
そんな訴えに対し、つい「大腿四頭筋の柔軟性が足りないからかな」とストレッチを繰り返していませんか?実は、膝の前面には筋肉よりも先に疑うべき「組織」があります。
今回は、若手が最も見落としやすく、かつ劇的に変化が出せる「膝蓋下脂肪体」と「皮膚・皮下組織」のアプローチについて深掘りします。
免責事項
※本記事は、臨床10年超の理学療法士としての経験に基づく情報提供を目的としており、医療行為ではありません。 ※個別の事例は考慮しておりませんので、実際の診断や治療方針については、必ず主治医や所属施設の専門医の指示に従ってください。本記事の情報を用いたことにより生じた不利益や損害について、筆者は一切の責任を負いかねます。 ※本シリーズは、園部俊晴先生、山田英二先生、橋本貴幸先生らの知見を土台とし、私自身の現場での実感をもとに構成しています。
1. 膝蓋下脂肪体:膝の「クッション」が「痛みの原因」に変わる時
膝蓋骨(お皿)の下にある脂肪体は、本来、膝の動きに合わせて形を変え、衝撃を吸収するクッションの役割を果たしています。しかし、一度問題が起きると、これが激しい痛みの源に変わります。
「硬さ」と「挟み込み」: 脂肪体が硬くなると、膝を伸ばした際に膝蓋骨と大腿骨の間にうまく逃げられず、挟み込まれて痛みを生じます。
悪循環のメカニズム: 脂肪体は非常に神経が豊富な組織です。一度挟み込まれて炎症が起きると、さらに硬くなり(線維化)、さらに挟まりやすくなるという悪循環に陥ります。
2. じゃあ、どうするか?:脂肪体のモビライゼーション
「硬くなった脂肪体」を再び「クッション」に戻すための戦略は、「動かして、経路を確保する」ことです。
直接モビライゼーション: 膝蓋下脂肪体を直接動かし、柔軟性を引き出します。
引き下げとセッティングの併用: 膝蓋骨を下方へ引き下げながら、力を抜いた状態でセッティング(収縮)を繰り返すことで、お皿と連動した脂肪体の移動を促します。
回旋の補正: 下腿が相対的に内旋している「通り道」を確保することが重要です。アライメントを修正した状態でROM操作を行いましょう。
3. 皮膚・皮下組織:見落とされがちな「一番外側の制限」
ここから先は

膝関節リハ攻略:硬さ・痛み・伸展ラグを解消する方法
「軟骨が減っているから痛い」「筋力がないから歩けない」――その常識を一度、再定義してみませんか? 本マガジンは、臨床11年目の認定理学療…

「教科書通りにいかない臨床で、どう動けばいいのか分からない」 「リスク管理に自信が持てず、攻めのリハビリができない」 「新人・若手指導を…
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?
