松竹梅が通じなかった日
仕事で、重要度を格付するリストを作っていた。
別部門が作ったリストに、自部門の領域を追加していくのだが、格付けが、松竹梅だった。
「何で今時、松竹梅やねん」
と、突っ込みたかったが、面倒なのでスルーした。
若い子にそのリストに沿って、追加がないか確認をしてくれと頼んだら、松竹梅がわからないと言う。
松竹梅は、どの順番で優劣があるのか?
特上、上、並や、上中下との違いは?
彼にとって、松竹梅は、ランクが違うというより、コンセプトと言うか、属性が違うものというイメージらしい。
旅館の部屋の名前みたいなもんだ。
いわば、みんな違ってみんないい。
本来の松竹梅は、「格付け・ランク(優劣)」の意味はないから、彼の言うことは実は正しい。
とは言え現代では、一般的には優劣に使う事が多い。
やはり普通に、高普低、ABCとかの方がわかりやすいかと思い直し、彼に修正を頼んだ。
SSR、SS、A、B、Cにランク分けされて帰ってきた……
三段階にしてたのに、ランクが増えてるし、
重要度でSSRって、なんやねん……
ガチャじゃないんだからさ。
いや、もうガチャ気分の方が楽しいからいいのか?
そこは、格付けなんだから、せめてAAとかAAAでしょとか思ったけど、なんか疲れてしまった。
国内でしか使わないリストだから、普通に漢字に修正してもらった。
修正されたリストを見直してると、重要度「高」の中に、かなり重めの案件が混ざってあり、「超高」になっていた。
確かにこれは「SSR」だな……
彼はこれを区別したかったのだろう。
そう考えると、SSRが出てきたのも妥当なんだけど、何故か手放しで褒める気にならない。
私の年齢だと、松竹梅の格付けで迷うことはない。
でも、相撲の番付になると、小結と前頭、どっちが上だったか考てしまう。
きっと彼から見た松竹梅も、私から見た相撲の番付と同じなのだろう。
お互い、自分の常識を基準に世界を理解しているだけだ。
答えは出ないけれど、仕事のリストくらいは誰が見ても間違えない表現にしておくのが平和なのかもしれない。
